4章128話 各々の独白
「さて、エキシビジョンマッチも終わったけどみんなはどうする?」
「俺は奴を扱きに行かないとだからもう行く。雪、明日頑張れよ。じゃまた明日な。」
「私も一緒に行くわ。制裁を加えないといけないから。」
そう言って司と澪は賭戯先生を探しに行った。
「私はマナスのことも心配だし、私自身ちょっと疲れたので寮に戻ります。雪さん、また明日会いましょう。」
「私も先に寮に戻ってるわ。なんか胸騒ぎがするから装備を整備したいの。」
二人は寮方向に歩いて行った。と言うことで綾と二人きりになった。そういえば二人きりになるのは久しぶりかもしれない。
「ねぇ、雪ちゃん。今、幸せ?」
急に綾がよくわからないことを言ってくる。何かあったのだろうか。今日もいつもと変わらないように見えたんだけど。
「もちろん。女になったり能力を手に入れたりしたけど今も昔も幸せだよ。それに今は怜たちにも出会えた。毎日が楽しいよ。」
そう伝えると綾は安心した顔をしていた。
「良かった。昔雪ちゃん言ってたじゃない?魔防隊に入って家族を守るんだって。私も司くんも最初は雪ちゃんがそう言うなら私たちもってそう言う気持ちで目指してたんだよ。でも、雪ちゃんが能力を得られなかった後からいろんな人の手伝いをするようになった。」
「いろんな人に必要とされて居場所が欲しいって顔をしてた。だから雪ちゃんが能力を手に入れたって聞いた時は本当に嬉しかったんだよ。それからの雪ちゃんは前の雪ちゃんに戻ったみたいだったから。まだ人助け精神は治らないみたいだけどね?」
「あはは、本当にね。」
確かに俺は居場所を求めていた時期がある。誰からも必要とされない。腫れ物のように扱われるのが嫌だったから。
「今日司くんと楽しそうに笑ってる雪ちゃんを見てもう大丈夫なんだなって思ったんだ。よし!湿っぽい話終わり!ご飯食べに行こう?ほら行くよ!」
「うわっ急に引っ張るなよ!でも確かに腹減ったな。」
俺はいろんな人に守られてきたんだな。でももう大丈夫。これからは俺がみんなを守るから。
その頃怜は部屋で千奈と二人でいた。
自身の薙刀を研いで切れ味を整えていた。
「怜姉はもし、あの呪術師が現れたらどうするの?」
「もちろん、倒すわ。正直殺したいほどだけどあんな奴のために手を汚すのは嫌。どうしたのいきなり。マナスと話して何かあったの?」
「ううん、なんとなく。それよりはい、これ。私とマナスで作ったの。」
千奈は私にブレスレットのようなものを手渡してきた。ブレスレットというより腕輪に近いけど。
「これは?」
「腕輪型のアイテムボックスだよ!怜姉の薙刀は大きくて普段持ち歩けないでしょ?だからその為に作ったの。付けてみて。」
「あ、ピッタリ。ありがとう千奈、マナス。大切にするわ。」
私は整備し終わった薙刀を腕輪の中にしまう。本当にこんな小さいアイテムボックスなんて作れる千奈の空想具現は凄い。もし、奴が現れたら私が守らないと・・・痛っ。千奈におでこを指で弾かれたみたいね。
「もう、今私が守らないとって思ったでしょ。これからは私もマナスも一緒に戦うんだから!置いていかないでって言ったでしょ!」
ああ、そうだった。もう妹は守られるだけの存在ではなくなっていたんだ。なら少しは頼ってもいいのかな。
「うん、頼りにしてるわ。私がピンチの時は助けてね?」
「もちろん!」
私と千奈はそのあとたわいない話を夜まで話していた。
司と澪はと言うと・・・・・・
ハリセンで狂華ちゃんのお尻を叩いていた。
「オラァ!人が集めた金全部ギャンブルに使っただぁ!?本気で反省しろぉ!」
「も、もう十分誤ったじゃないですかァッ!痛いッ。」
「ならもし今俺が部費の足しにしてくれって一万現金で渡したらどうする?」
もしこれでギャンブルに使うって言わなければ俺もやめてやるんだが・・・
「次の日までに倍にします!」
ダメだわコイツ。しばらくパチスロの椅子に座れないようにしたかなねぇと。
「まだ反省がたりねぇな。オラッ」
「はうっ。符堂さん、タスケテ!今幼気な先生が生徒に暴力を振るわれているんですよ!?助けたあげたくなりませんか!?」
俺は澪を見るが俺よりもゴミを見る目で
「ギャンブル中毒が治るまで私が叩いてあげますよ。司くんにやらせるのは良くないです。司くん、ハリセンかして?」
やけに笑顔な澪にハリセンを貸すと俺とはキレの違うストロークで的確に音のなるところを叩いていた。何が澪をここまでさせるのだろうか。
(司くんに叩かれるなんてそんな羨ましいこと私がされたいのぃ!この!このぉ!・・・すごいいい音なるわね。楽しくなってきたわ!)
若干Sの気質を覗かせる澪であった。ちなみに司になら叩かれたいと思っているのでMでもある。
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