4章126話 この人なんなんだ・・・
「公開賭博って賭戯先生が出るエキシビションマッチだよね?ちなみにみんなはどっちに賭ける?」
「私と司君はもう狂華ちゃんに賭けたよ!怜ちゃんと千奈ちゃんは部員の方に賭けたみたい。澪ちゃんは——————」
「私は賭けないわ。こういうの当たったことないから。」
「そっかーちなみにどっちが勝つと思ってる?」
「狂華先生ね。あの人普段はアレだけど戦闘自体は本当に理不尽に強いわよ。」
「理不尽?まぁ部員の二人がそう言うなら私も賭戯先生にしとく。投票の仕方は?」
「奴が操作しないよう理事長が契約したのち生徒のパスで投票ができるぞ。俺は1万賭けた。」
「あ、ほんとだ。うーん5000にしとく。」
雪が賭けた後アナウンスがなった。
『さて諸君!もう賭けは終わったかな?ふむ、どうやら部員の方が票を集めたようだ。さて選手入場と行こうか!まずは
「みんな楽しそうにしてたじゃないですかぁ!ででもこれで勝てばしばらく遊んで暮らせるぅ!」
『ちなみに【ギャンブルはしばらく禁止だ】教員が遊んで暮らせるわけないだろう。」
「そ、そんなぁ。能力まで使わなくても自重しますよぉ!?」
「ならば私の目を見ていいたまえ。」
賭戯先生の目はまるで大海原を泳いでいるかのように泳ぎまくっていた。
「さて対する者たちは戦術戦闘部員たちィ!総勢15名!率いるは部長【千手 神奈】!!一年生14名と部長のパーティーだ!」
えぇ!?部長完全武装だ……そんなに強いのかあのギャンブル中毒。
「神奈さん、まさかあなたが出張ってくるとは思いませんでしたよ。」
賭戯先生が顧問らしく話しかけるが千手部長は返事をしなかった。あのⓓれにでも元気に会話する部長が。
「……ひが。」
「へ?なんて言いました?」
「部費が何故か無くなってたんですけど!?狂華ちゃん!盗んだでしょ!?」
『はぁぁぁぁぁぁぁあ!?』
会場にいる部員全員が揃って叫んだ。部費ってあれだろ?今月の部活の活動費……確か50万はあったはずなんだが。
「おい……雪。俺今からあそこ混ざっていいよな?」
珍しく怒気をはらんだ声で話す司を見るとすでに龍人形態になっていた!?
「ちょまてまて!もう試合始まるし、なんで龍人形態になってるんだ!?って澪か!」
司の隣には無表情で魔力をほとばしる澪がいた。司はその魔力を受け取って変身していた。
「「一年の部費、俺(私)が集めて保管してたんだ……それを奴に渡したんだが—————」」
(もしかしてラスベガスのギャンブルの資金源って。)
『思いもよらぬ追加の罪が出てきたがエキシビションマッチを開始する!試合開始‼』
「散開!!密集してると巻き込まれるよ!」
千手先輩の指示で部員がばらけて賭戯先生を包囲する。一体そこまで気にするほど強いのだろうか?運が強いだけでは?
「【樹海】!合わせて!火属性攻撃一斉発射!」
賭戯先生の周囲に樹木が生い茂る。さらに放火されて全てが燃え盛っていく。
「【樹木檻】みんな気を付けて!先生の能力が来るッ」
明らかに賭戯先生は逃げ遅れた。すぐに酸欠になって試合は終わると思った。だが———――
「【
会場全体に響くギャンブラーの声とともに樹木に燃え移った火がすべて赤い蝶に変化して飛び去って行く。
「なんだあれ!?司何か知っているか!?」
「あれこそが理不尽に負ける原因。【
「つまりなんでも賭戯先生の思うが儘ってこと?」
「いやそこまで便利じゃない。あくまで可能性の範囲だからなあり得ないことはできない。偶々木に火が燃え移らなかった可能性を手繰り寄せたんだ!」
「「くそっくらえぇぇ!!」」
背後から襲い掛かる部員を一瞥して再び詠唱する。
「【
跳びかかってきていた部員は木に集まった蝶が木の枝と変化したことで頭を強打。走ってきた部員は強打した枝が折れたことでそれを踏んで転ぶ、しかも強打した部員が上から降ってくる。
「まず二人。どんどん来て私のお金になるのです!!」
「うわぁ、絶対関わり合いになりたくねぇ。それにしても現実改変なんて魔力がいくらあっても足りなそうなんだけど……」
「奴はね、自分の運を魔力に変換できるのよ……しかも運がなくなったことなんか見たことないから、この試合中はこれが続くと思うわ。」
「災厄だよ……あ、また二人やられた。」
「狂華ちゃんの弱点は分かってる!水魔法用意!」
樹木の上から大雨が降ってくる。それは全て樹木が受け止めて下に落ちてこない。
「喰らいなさいっ土魔法隊足を捕まえて!」
樹木が受け止めた雨水は一か所に集められて賭戯先生に振ってくる。
「【
まるででかい爆弾でも爆発したような音とともに周囲の樹木が折れる。
「ゴホッゴホッやれた―———――!?」
「ふぃぃ危なかったですよー。まさかこれまで使わされるとは、千手さんも強くなりましたね。」
「嘘……絶対に回避できないはずなのに!」
「運を結構使って発動するめったに使わない技なんですよ!?明日のギャンブルに使う分がなくなっちゃうんですから!」
「しなきゃいいんですよ。そうすれば問題ないのでは?」
「ギャンブルは私の生きる意味なんです!あれをしないと……はうっ泣けてきます。息ができないのと一緒なんですぅ!」
「そのまま窒息してろ、ギャンブル中毒者ァ!!みんなもう一度やるよ!……みんな?」
「既に爆発に巻き込まれてますよ、もう千手さんだけです。」
「うそでしょ!?いや、私一人でも!これで勝てないと部費が!みんなの部長として何としてでも勝たないとぉ―—————!」
「フフフ、千手さんも私のお金になるんですよぉ」
賭戯先生はじりじりと千手部長に近づいていく。手をワキワキしながら。
まじで千手先輩勝ってくれ。あの人が勝つのだけは何としても阻止しなきゃだめだぁぁぁぁぁあ!!
あとがき
ええ、ギャンブル中毒者が何故か強い。あると思います。
現在この作品はカクヨムコンに参加しております。面白いと感じてもらえたら、お願いですから星を恵んでください!!一つでもいいので!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます