3章53話 開門2
鳥居をくぐり中に入ろうとした雪だったが一つ気になったことを話した。
「父さんもここで開門したの?」
「いや、僕は知り合いに結界を張ってもらったからここでは開門してないよ。ある程度鬼の力を得てないとここには転移できないから。」
「へぇーそれで父さんはこの中入らないの?」
「入った瞬間結界が張られるから一人しか入らないんだ。戻ってくるまで解除されないから何があっても助けには行けない。まぁ開門に失敗してもただ戻されるだけだから問題ないよ。」
「わかった、じゃ行ってくる!」
雪は開門術式のある境内に入って行った。それを外から見守る秋はめんどくさそうにしていた。
「暫くかかりそうだし溜まった仕事を片付けますか!嫌だなぁ。」
秋は何処かに転移していく。その後ろでは雪が開門術式を起動した光が輝いていた。が、雪の周りには何も起きてはいなかった。
雪視点
「ここに来るのも久しぶりな気がする、つい最近入ったはずなのに。あ、いたいた。おーい鬼の俺!」
怜の魂の世界であった鬼の姿をした雪に話しかける。
「やっと来たか!あの時はかなりイレギュラー過ぎて何も出来なかったからな。いつ来るのか待ってたんだ。」
「そっか、銀嶺さんの時はありがとう!助かったよ。」
「ちゃんと自分の本心に向き合い始めたみたいだな?いやー気にしなくなった後のはっちゃけ具合ときたら見てて面白かったぜ?」
「なっお前外のこと見れてるのかよ!?何を見た!何処まで見れるんだ!?」
「全部だよ、全部。俺はお前の鬼の力の塊であると同時にお前自身でもある。お前が見たものは俺も見えるんだぜ?綾だけなのかと思ったら司も吸ってなんだよオイ、吹っ切れ過ぎじゃね?」
「う、うるさいな!大体血を吸えって言ったのはお前だろ!?それに反応に引っ張られるのってお前のせいじゃないのか?」
「おいおい、俺のせいにされちゃ困るぞ?確かに血を吸うようにさせてるのは俺だがそれはお前の本能、本心がそうだからだ。吸いたくないなら本心からそう思え?」
「くっそ、言い返せねぇ。」
「まぁそんな話はどうでもいいんだ。イレギュラーとはいえ門を開けたからなあの時の報酬を渡さないとな!よっと!」
鬼の雪は掌に光の球を出したと思ったら雪に撃ってくる。が、敵意などが無いためそのまま受け止める。
「なるほどな、あの時の爪が使えるようになったのか!あれは結構使えるから嬉しいよ!ありがとう!」
「元々お前が持ってる力だ礼は良い。それよりどうする?本来なら力を渡せば帰れるがこれは前回渡しそびれた力を渡しただけだからな。もう一つ力を持っていくか?」
「もちろん!そのために来たんだ。どうすれば良い?」
「前回は俺の認識と本能の自覚が試練だった。だが次からは門番がいる!」
「門番ってまさか、、、!」
「そのまさかさ、外で聞いたろ?地獄の門には鬼の門番がいるって。俺が雪!お前の地獄の門の門番さ!」
「お前をどうすれば門を通って良いんだ?」
「俺を倒せ、それしかこの門は開けさせねえ。」
「上等!」
「「いくぞ!俺!」」
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