3章51話 全力
「さあ、かかっておいで?」
「言われなくても!【血刀 血桜】!はぁ!」
まずは小手調べ、強化もしないし簒奪刀にもしない。
ガキィィィン!
「それじゃあ僕の防御は突破できないよ。もっと出来るでしょ?全力で倒しに来い!」
「最初から全力で行く訳ないでしょ?小手調べだよ!まずはその防御から崩す!【魔吸の雨】!それと【形状変化 槍】!」
「へぇ、魔力を吸う雨か!それに混ぜて槍まで降ってきてる。でもまだ僕の防御は突破できてないよ?」
「硬いんだよ!どんだけ魔力込めてるんだ!【血の弓矢】フッ!」
血で作られた矢が秋めがけて飛んでいく。が難なく避けられ飛んでいく。
「この程度じゃあまだまだ一撃食らうほどじゃないね。単発攻撃すぎる。綾ちゃんを見習ったら?」
「最初から当てるつもりなんてないよ?【赤縄地獄】!からのいけっ!【血の矢】!」
秋を拘束したのち雪が外したと思われた弓矢が背後から秋に方向を変えて飛んできていた。
「僕の技を真似たのか。それに奇襲まで。でも手数が足りない・・・!?」
「誰が一つだって言った?分裂しろ!【血矢の雨】」
「はは、流石にこれは防がないと不味そうだ。」
「はぁ!!次は何かな?」
しばらく魔力を込めて矢を迎撃していた秋が雪を見る。すると何やら魔力を練っているようだった。
「時間稼ぎは出来たみたいだね。これはまだ一瞬じゃ出来ないから。【血刀 血桜】【簒奪刀】それと【鮮血武装】!これが今の全力!行くよ!」
血桜と簒奪刀を持ちドレスアーマーのような血の武装を纏って秋に接近する。
「それじゃあまた防がれるだけだぞ?」
「それはどうかなっ!はぁぁ!」
すると秋が防御のために出していた右手が少し切られる。
「!何故今回は切れたんだい?何かしたんだろう?」
「さっきまでのは入学する前の血桜、今のは魔力の質にもこだわって作った新しい血桜だよ。刀について色々教わってね。血の中の鉄分にも強化を施してる。これからは全部の攻撃がそれだよ!」
「なるほどね、どれくらい強くなったか試してたのか、でも、あまり舐めるなよ?」
一瞬気配が変わったように感じた雪は反射的に少し下がった。するとその場に消えたように一瞬で移動し秋が攻撃をした。
「はあ!?普通のパンチで地面割れるか!?舐められてキレたのか!?」
「そんな訳ないじゃないか、ただ娘の成長が嬉しくてもっと戦ってみたいだけさ!」
「ああ、もう!しょうがない父親だな!付き合ってあげるよ!」
しばらく雪と秋は戦っていたが突然秋が止まる。
「雪、何かしたのか?」
「やっと効いたの?長かったなぁ。教えてあげる。簒奪刀だけじゃなくて血桜も出したのは血を吸うのとは逆で与えるためだよ。」
「与える?血を相手にか?」
「そう、私の血には吸血した相手の魔力と私の魔力が含まれてる。だからそれを混ぜて切った相手に血液操作で流し込む事で相手の魔力を妨害することが出来るんだ。これには個人差があるからどこまで耐えればいいか分からなかったんだよね。」
「なるほどな、これだと俺の防御もガタ落ちだな。よし!ここまでにしよう!強くなったなぁ!雪。」
「ありがとう、ここまで試せたのは父さんが初めてだったよ。この後はどうするの?」
「職員寮の空いてる部屋に泊まらせてもらう。ちょっと雪と行きたい場所があるから明日予定空けといてくれ。」
「分かった。」
「さて、最後は私情が入ってしまったが皆各々の課題が見つかったなら良かった。もしまた来れるようになった時にはさらに強くなった君たちと戦ってみたいと思う!以上です。」
「ありがとうございました、血桜さん。この後は各自質問などがあれば今のうちにしとくように。もう授業はないから各自解散!」
そうして、突然の父親の授業参観は終わった。
明日連れて行きたい場所とはどこなのだろうか?
後書き
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