1万PV記念エピソード 血ニ渇き堕チル鬼
注意!!この話はあり得たかもしれない世界のため本編とはパラレルワールドです。登場人物のキャラが変化します。嫌な人はもう一つの話を見るようにしてください。
・・・それではどうぞ
本編より少し前雪がワイバーンに襲われた日に遡る。
紅が【鮮血監獄】を発動し傷を負ったところから物語は始まり狂い出す。
「【解毒血】・・・ゴフッ!?なんで!?解毒が効かない?そんなこと今まで無かったのに」
「そりゃそうさ、あんたのために作った毒だもん」
「誰!」
紅は解毒に集中していた意識を声が聞こえた方向に向けた。するとそこには黒いローブを着た人物が立っていた。
「まあ、あんたのためというよりあんたが解毒にかかりきりになる様にが正解かな?この毒にかかった奴らをあんたのいる病院にたっくさん運び込めば魔防隊の優秀なヒーラーがいなくなるからね」
「あなた、何者?」
「製作者とでも名乗ろうかな、このワイバーンのね」
そう黒ローブは話しながら【鮮血監獄】に触れた。するとまだ数発はワイバーンの攻撃に耐えたであろう檻はいとも容易く崩れ去った。
「ワイバーンに貫かれたとはいえ片手で壊すなんて!ゴフッ!はぁはぁ」
「どうだい?このポイズンワイバーンの毒は?こいつの毒は【魔毒】って言って魔力に反応してより毒の回りを早くするんだ!しかも解毒しようとすればその魔力を阻害するから死ぬまでこのままさ」
「なるほどね、【解毒血】で治そうにも、うっ治らないわけね。」
紅はこれが他の人間に襲いに行ったらなすすべもなく殺されると直感した。そして、できる限りの情報を聞き出し死ぬ前に魔防隊に伝える為に力を振り絞って意識を保っていた。
そうして本編と同じように雪が血を吸い女になる。そして秋が来るはずだった。
「うん、やっぱり気が変わったよ!息子貰ってくよ?無能力者って珍しいからね!人間に能力与えたらどうなるか!楽しみだなー?」
飛び立ったはずの黒ローブが戻ってきてしまった。雪は紅の血を吸い倒れている。
「いたいた。まだ死んでないみたいだ、しぶといねー?まあ、いいや息子さん貰ってくね!
おっと最後の力を振り絞ったのかな?でもさっきのやつより弱いよ。あ、やばそうなのが来るね。ポイズンワイバーンいくよ!」
飛び立った場所には鬼が到着し息子を奪うトカゲを睨みながら叫んでいた。
雪視点
「ぅ、ここ、は?」
「起きた!おはよう!どうかな?体に異変ある?」
「?、!?どこここ!?あの、あなたは誰ですか?ここ研究室みたいですけど。」
「目立った異変を感じないの?まあいいや!僕は製作者!本名はひ、み、つ!にしてもわからない?ほら!」
よく分からない状況で戸惑っていると製作者と名乗る女が鏡を見せてくる。
「?誰だこの美少女。」
「あ、男装してたわけじゃないんだ!しかも美少女って!君だよ?美少女(笑)ちゃん?」
「なっ!これ私!?え、私、俺って言えなくなってる!?あなたが何かしたんですか!?そうだ、母さんもどっかにいるのか!?」
「まあまあ、落ち着きなよ。まず僕は君だけをここに連れてきた。それ以外はしてないし勝手になったんだよ?面白かったなー運んでる間に髪色が変わったり身長とか縮んだりするし!」
(はあ?なんだそれ。とにかくコイツは信用できない。外に出て母さんを探さなきゃ!)
「とにかく体のことはいいです。母さんに会いに行くので外まで案内してくれませんか?」
「ダメ!君は僕が実験するために連れてきたんだからその結界から出さないよ!それに?君のお母さんならとっくに毒で死んでるよ。」
「嘘だ!母さんが毒で死ぬわけない!」
「解毒できない毒ってコンセプトで作った特製品だからね!もう5日も経ったんだ。流石に死んでるよ?」
「嘘だ、ウソだウソダ、ウソダ!ああぁぁァァァ!」
すると雪は結界に半狂乱で攻撃する。
「無理無理!無能力者にはこの結界は破れない。ってうわっ!」
バリィン!
完全に理性を飛ばした雪は無意識に血を操作して結界を破った。
「うガァァァァaaaaaa!」
製作者に向かって血を伸ばす。が、
「まだ結界は残ってる!残念だったね?そろそろ寝てほしいなぁ?」
「うぐ、がぁ、、、」
いつの間にか結界の中にガスが充満していた。
「どんな動物でもすぐ昏睡する催眠ガスだよ!君のその力何なのか調べさせてね?」
雪が寝たのを確認して製作者は結界の中に入ってくる。すると床の血一滴が製作者の頰を掠る。
「痛っ。ん?魔力が吸われた?へぇ、面白そうな能力だ!能力付与は一旦やめてこっちの方を調べよう!」
そうして完全に雪の意識は途絶えた。
「ぐぅっ!痛っ確かイカレ野郎に捕まってそれから・・・」
辺りを見ると少し広い部屋だが何も置いてなく扉すら無かったただポストの投函口ような広さの長方形の穴が空いていた。
「やーおはよう!いい夢観れた?」
「!お前!ここは何処だ!ここから出せ!」
「いやー君に母親のこと伝えたらいきなり襲ってくるんだもん。びっくりだよ。だから少し大人しくなるまでそこで生活してね?大丈夫!ご飯は出すからさ!」
そう言うと先ほどの穴からご飯が入れられた。
「誰がお前みたいな奴のメシなんて食うかよ。」
「あ、そう?食べるまで置いとくし食べたくなったら言ってね?あ、そうだここに来たのは君の力についてなんだよね。」
「私の力?私は無能力者だ!力なんてない!」
「いや?君は襲ってきた時血を操ったし僕の魔力を奪った。だから無能力者ではないはずなんだよ!血を奪い魔力を奪う。うん、面白い!ねぇ、僕の血飲んでみてよ?」
「誰が飲むか!それに能力なんて使ってない!、!?うわっ!」
いきなり壁から黒い鎖が出てきて雪を拘束する。
「まあまあ、ちょっとだけ、ちょっとだけだから。ほらあーん?」
製作者は拘束した雪の鼻を押さえながら口に指を突っ込んだ。
勢いよく噛んでやろうと力を入れるが
「噛みちぎろうとしても無駄だよぉ?【隷属の腕輪】って言ってね?僕のことだけは害さないようにしてあるんだ!流石に奴隷みたいにいうことは聞かせられないけど!」
雪は遂に息ができなくなって口の力を抜いてしまう。そして飲む血の味は、、、、今まで食べた何よりも美味しかった。
「なるほどね!間接だろうが直接だろうが魔力を血を介して奪うのか!いいねぇいいな!しかも奪った魔力を自分の物に。なら逆もできるのかな?ふふふ」
そう言って製作者は外に出て行った。
〜数日後〜
雪の拘束は解かれ製作者が入ってくる時とご飯はがくる時以外は部屋は真っ暗になっていた。
「はあ、はあ、お腹減った。もう何日も食べてない。流石に食べないと死ぬか。」
久しぶりに食べるご飯は美味しかった。美味しいはずだった。食べ咀嚼するたびに頭をよぎるのは血の味。
「いやいや、あんな奴の血の味なんか美味しいわけない!きっと腹が減って変なこと考えたんだ!」
一瞬考えたことを忘れるようにご飯を食べた。
〜一週間後〜
あれから何日経ったか分からなくなってきた。
時たま奴が私の血をとりにくるがそれ以外は何もなかった。あるとすれば水の量が少なくなってきたことだろうか?最初はあった水もすぐに無くなってしまう。奴が減らしてるんだ。
〜二週間後〜
もう喉が渇いて仕方ない。水を飲んでも渇きが治らないし部屋の暗さが怖い。一人でずっといると自分がわからなくなりそうだった。最近奴の顔すら見ていない。
〜三週間後〜
もう渇いて渇いて何でもいいから飲みたくなってきた。そんな時部屋が明るくなった。
「やあ!元気だったかい?おー目が血走ってるね。どう?血を吸うかい?喉が渇いたでしょ?」
そう奴がいうと自分の腕に傷をつけて前に差し出す。腕から垂れる血を目で追いながら飲んではいけないと我慢をする。
「誰、がおま、えなん、かの血を飲むか!」
「強情だなぁみんな自分の能力を使って楽しんでるのに何でダメなの?」
「血を飲むくらいなら死んだ方がマシだ!」
「ホントに?ホラ見てみなよ君の顔。飲みたい!って顔してるよー?ほらお腹の音もなってる。数滴でもいいから飲みなよ?」
腕をさらに伸ばしてくる奴からとても美味しそうな匂いのする血が垂れて落ちる。
「しょうがない、僕の血を飲みたくなったら言いなよー?」
そうして奴は出て行った。
そして部屋は暗闇に包まれる。
しかし、雪には奴の血の匂いが分かってしまう。その数滴落ちた血を舐めてしまう。
久方ぶりに食べる極上の味に酔いしれながら。
〜1ヶ月後〜
「血を、くだ、さい。喉が渇いて仕方ない、んです。お願い、します。」
遂に雪は製作者に頼んでしまう。ダメだと思っても耐えられない。理性が本能に負ける音を聞いた気がした。
「それなら【私は製作者に隷属する】って言ってくれる?そうしないと血を吸い尽くして殺されそうだし。それにホントに嫌なら抵抗出来るようになってるから。」
「わ、【私は製作者に隷属する】」
すると雪についていた腕輪が鈍く怪しく光る。
「よし、じゃあ飲んでいいよ?」
製作者の細く白い腕に噛み付く。すると喉に快楽と共に血が流れ込んできた。
「〜〜〜〜!ゴクゴクゴクッ!」
砂漠から生還した人のように血を貪り飲む雪。その姿はまるで神に救われたかのように蕩けた目で製作者を見ていた。
〜数ヶ月後〜
「いやー!いい飲みっぷりだったよね!」
「あまり揶揄わないでください。マスター。」
アレから製作者は雪に自分のことを【マスター】と呼ぶように命令した。すると【隷属の腕輪】が光り強制的にそう呼ぶようになってしまった。しかし、最初に飲んだ時より抵抗がなくなっていた。狭い空間に二人しかおらずしかも血を欲する雪にとって製作者は文字通り主従の関係に近くなっていた。
「それで?この二人を連れてくればよろしいので?」
「うん!随分前に呪いをかけた姉妹なんだけど君の力を手に入れてから研究したいことが増えてね!君に与えた呪いの力みたいに珍しい能力を手に入れて見たくてね!」
「分かりました。その代わり!」
「うんうん!血を飲ませてでしょ?」
「はいぃ!前に飲んでからもう二週間もお預けなんて酷いですぅ!魔物の調達とか色々手伝ったのに飲ませてくれないんですから!」
雪は完全に製作者に堕ち血を飲むことが生き甲斐になっていた。
「それでは!いってきます」
綾視点
「雪君まだ見つからない。アレから数ヶ月経ったけど雪君どころかワイバーンも見つからないらしいし生きてるといいけど・・・」
「綾、まだ起きてたの?明日早いしもう寝たら?」
綾と銀嶺 怜は同じ部屋のルームメイトになっていた。綾は怜の願いを聞き自身も強くなるために切磋琢磨していた。
「秋さんから連絡でまだ見つからないって来たから考えてた。」
「幼馴染のことね。恐らく連れ去ったのは私の呪いをかけたやつと同じよ。だから私も協力する。だからもう寝ましょ?」
「うん。雪くん何処にいるの?無事だといいな」
「後ろにいるよぉ?」
いるはずのない3人目の声に二人は振り返ると黒いローブに身を包んだ人物がいた。
「「誰!」」
怜は黒いローブに昔あった人物を重ねていた。
「貴方、私と会ったことある?」
「ないわ?でも綾とは会ったことあるよね?私よ?色々変わったけど分かるかな?」
フードをとり顔を出すと綾は幼馴染の母親の面影を思い出した。
「まさか、雪、くん?よかった!無事だったんだ!今まで何処に、、!?」
綾を腕で静止させ近づかせなくした怜は綾に告げる。
「あの人が綾の幼馴染だとして、今よくないことをしようとした気がした!何をするつもりだった!」
「あはは、バレてたか。私血を吸う能力に目覚めてこんな格好になっちゃったから綾の血はどんな味がするのかなって。」
「もし、生きて無事を伝えるだけならこんな夜遅くしかも家族にすら報告しないなんておかしい。何しにきたの?」
「まあ、綾はオマケ。本命は貴方!貴方を連れて行けば【マスター】の血が飲めるの!さあ、行きましょう?」
ここで綾も目の前の雪が数ヶ月前とは別人になったことに気がつく。
「ついて行くわけない!やるよ綾!」
「うん!雪くんを止めて元に戻す!」
そうして臨戦体制をとる二人
だが、背後から針を刺されるような痛みがした後動けなくなった。
「【麻痺呪血】【針】これでもう動けない。それじゃいただきます。」
雪は綾の首筋に噛み付く。すると綾がのけぞり痙攣し出す。
「うあ!ああ、ああああ!やめ、てゆき、くん」
「何をしたの!?綾から離れなさい!」
「【マスター】からいただいたこの呪いの力と私の血の力を使えば眷属化出来るの!これで綾は私のもの!さ、綾。その子を拘束しておいて。」
「・・・」
無言のまま拘束する綾は首筋に紋様が出ていた。
「これ!私のとは違うけどやっぱりやつと同じ!私たちを連れて行って何をするの!」
「さあ?私はそんなことより【マスター】の血を吸いたいからどうでも良い。」
時間を稼いでなんとか綾を解放する術を考えると少しずつだが首筋の紋様が薄れて行くことに気がついた。
「ああ、気が付いたの。完全に眷属化するには時間が足りないから仮眷属のままなのよ。それじゃ貴方も」
そうして怜も噛みつかれて意識を失った。
目が覚めると研究室のようなところにいた。
目の前には黒いローブを着た女と雪がいた。
「久しぶりだね!元気してた?」
一瞬で自分に呪いをかけた人物だと気づき襲い掛かろうとするが抑え込まれた。
誰がと思うとそこには綾の姿があった。
「どうして!首の紋様は消えてるのに!?」
「ああ、あれ?嘘に決まってるじゃん。消えたように見えたのは定着して染み込んだから!【マスター】の血が1番だけど綾の血も美味しかったから私の部下にするの!」
「なぜあんな嘘を、、、」
「その方が面白いし大人しくすると思ったから」
すると製作者が
「まあ、そんな話はさておき。君の能力を貰おうと思ってね。本来は呪い殺して魂ごと魔物に入れて使役するつもりだったんだけど雪のおかげでそこら辺はうまく行くことができるようになったから連れてきたんだ!それじゃよろしく!」
「もう!人使い荒いな!【吸魂】」
「アガッぁぁぁ!」
「能力は魂の本質。雪は魔力、つまり魂の力を吸い取れるんだから本質までも全部とはいかないまでも吸い取れる。それに吸った後は治癒効果もあるから廃人化しないから楽だね!」
魂のかけらを吸われた怜は倒れ尽くす。
「雪、じっくりと堕として眷属にしてね?そうしないと魂が変質して能力が変わっちゃう。」
「はぁい。それじゃ血をください?んー!美味しい!もっとくださぁい?」
それから魔物が先を読んだように強くなったり珍しい能力者が失踪する事件がたまに起きるようになった。
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