28-4 私が私であるために




 グリーンの文字で情報が列挙された。



。。。。。。。。。。。。。。。。。




  〈ソロランキング  875位〉


   ウエスギ レベル  137  

   職業   S級 大賢者     

   異名   器の大きな賢者   

   体力   670  

   魔法力  8904

   所属パーティー  ジェミニジェミニ    

 

  《現在  1階》



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。





「レベルが、137になっている」

 

 ウエスギのレベル1に、

 ノブナガの、レベル136が加算されていた。

 メモリースーベニアの効力により、

 ノブナガから経験値を引き継ぎ、

 S級大賢者になったのだ。

《装備》パネルをタップした。




。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



   【装備】

 

  〈 聡慧の杖 〉  

  

    魔法の効力を15パーセント上げる  

 


  〈 紫の法衣 〉 

 

    温度に対するダメージを

    30パーセント軽減する  



  〈 光の日本刀 〉


    レアスキルを内包している



  〈 聖なる長方形の盾 〉 

 

    S級クラスの強度をほこる)



  〈 絹のグローブ 〉

 

    温度に対するダメージを

    45パーセント軽減する)



  〈 翼の生えたブーツ 〉

 

    移動スピードを10パーセント上げる




。。。。。。。。。。。。。。。。。。。




 冒険者ウエスギのプロフィール画像もあった。

 大賢者の威風がみなぎっている。

 身には高尚な紫色の法衣をまとい、

 高級な絹のグローブをはめていた。

 左手には、胸の高さはある長方形の盾。

 右手には、清高さを宿す杖を握っている。

 腰には、日本刀を帯刀し、

 足には翼のついたブーツを履いていた。

 いまから悪の大魔王を倒し、

 世界に安寧をもたらす勢いだ。




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 ノブナガ『魔法攻撃と、守備力を重視しました。

      身軽な装備です』


 ウエスギ『助かる』


 ノブナガ『ウエスギさん。オレを、

      あなたのファンクラブに

      入れてください』


 ウエスギ『は?』



──────────────────



 〈冒険者ノブナガが あなたのファンクラブに入会し 戦闘の観戦を 希望しています〉


 〈承諾しますか?〉 


 

──────────────────



 承諾した。



──────────────────




 ノブナガ『これで、

      ウエスギさんのプレイが見れます。

      姉ちゃんの所まで誘導します』


 ウエスギ『頼む!』


 ノブナガ『魔法辞書から、

      シェア プレイス フレンズを

      詠唱してください!』


 ウエスギ『わかった!』




──────────────────




 魔法辞書をめくり、

 S級大賢者の転移魔法の文字をにらんだ。

 そして、ぼくは、大空へと声を響かせた。

 あの夏、

 小さな身体を震わせ鳴いていたセミのように。


「──詠唱  盟友よ 憧憬を重ねよ

 冒険者、スノーナウのもとへ

 シェア、プレイス、フレンズ!」



 教会の鐘の連続音が轟いた。

 さっきまで見ていた、

 丘の上の景色が光に溶けていった。

 じわじわと、新しい風景が浮かびあがってきた。












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