第5話
政権与党の党首となった私は総理大臣に選ばれた
「総理、いよいよ。所信表明演説です。」
「今まで支えてくれてありがとう。あなたが秘書でなかったら、きっと総理大臣にはなれていないと思う。」
「当然の結果です。あなたは時代の変化に最も上手に対応した政治家でしたから。」
女性秘書の目はうるんでいた。
国会では私と戦った仲間たちが待っていた。あわただしく挨拶を済ませると、議長から私の名前が告げられる。
この国で私が何をすべきか、語る時が来たようだ。
「私は、SNSで醜態をさらされ、不本意な形で国会議員になりました。
私の秘書も、政治の世界で嫌がらせに遭い、逃げるようにして私の秘書になったそうです。
選挙活動についても、相手をののしり合う戦いをしなければなりませんでした
選挙に勝つためには一日中アピールを続けなければなりません、その仕組みは変えるべきです。」
選挙によって、私は苦しみました。私の周りの人間の多くも苦しみました。
もう誰も苦しまないようにしたい。それが私の願いです。」
次の瞬間、国会にサイレンが鳴り響く。
前政権の元総理が声を荒げる
「Jアラートです。こちらにミサイルが接近しています。
みなさん、速やかに避難してください。」
「ミサイルだと?」
「総理、そこを離れてください。」
壇上から速やかに降りると元総理が急いで駆け上がってくる
「カード発動、迎撃ミサイル!」
すさまじい爆音が上空で鳴り響く。どうやら戦いは続くようである。
SNSで炎上して国会議員にさせられた私はもうだめかもしれない。 青井健三郎 @Kenzaburou_Aoi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます