第4話

私たちはそのほかの野党をねじ伏せて、ついに野党第一党になったのだった。

様々なことがあったが、時数の都合上、省略させていただく。


「さあ、いよいよ政権与党のジリ貧党との対決です。対決は国会で質疑応答によって行います。

国会では互いのターンに一定の枚数になるようにカードを引きます。

そして互いに口撃を行います。互いにに支持率を削りあい、こちらが50%を超えれば政権交代です。

閣僚は議員辞職させても辞めさせられません。必要なのは支持率を削り取ることです。」



「準備はよろしいですね。」


私は小さく頷いた。もう後戻りはできない。

友人が投稿したSNSによる黒歴史は、薄汚れた社会によって塗り重ねられ、漆器のように輝いていた。

国会では議長が議会を進行している。


「これより代表質問を始めます。カードをドローしてください。」


「私はカード、烏合の衆を発動!現れよ!女性秘書、純国産ロケット、会社の同僚!そして口撃!」


口撃に成功したが、支持率を動かすことはできなかった。

やはり政権与党は簡単ではないようだ。


「それでは総理大臣、カードをドローしてください。」


「私はカード、教会の壺を発動!カードを3枚ドロー!」


とてつもなくまがまがしい壺である。これが政権与党の力だろうか。


「そして現れよ!ジャパニーズナンバー90、腹痛の戦士、アベトロニクス!」


首相経験のある強力な答弁者が現れた。


「そうだ。わがジリ貧党には総理大臣の系譜があるのだ。

さらにカード、疑惑の学園、怪しげな獣医学部、反逆者の花見会を発動!

アベトロニクスの口撃力を10倍にして口撃!」


逆にこちらの支持率を大きく削り取られる。


「野党第一党になったばかりの政党だとしても容赦しない。

出る杭は打たせてもらう。この国がジリ貧になろうともだ。」


議長が私にカードのドローを促す。


「私は3体の国会議員を議員辞職してこのカードを召喚!」


「国会議員を辞職だと!?」


「私たちはすでに諸外国の協力を取り付けている!

現れよ!アメリカンナンバーズ45、青目の白人大統領!」

さらに!アメリカンナンバーズ44、茶色目の黒人大統領!」


首相は驚いた様子だが、当然



「2体の大統領で口撃!チャンネルBANする激流!」


ジリ貧党の支持率を動画チャンネルごと吹き飛ばす。


我々ジリ貧党は、政権与党として、こんな人たちに負けるわけにいかない!

アベトロニクスを体壊すナンバーズ交代!」


「体壊すナンバーズ交代!?」


「ジャパニーズナンバー96、アベスライダーを召喚!

アベスライダーで口撃!」


ジリ貧党、ジリ貧だが支持率を少し戻す。


「こんな人たちに政権を渡すわけにはいかない!」


私のターンだ、質疑応答可能な持ち時間を考えても、このターンで決着させる必要がある。


「私はカード、発砲事件を発動!ジャパニーズナンバーズを質疑応答から除外する」


「なんだと!?」


「私たちは出る杭でもこんな人たちでもない、国民の代表である。大統領で口撃!」


「うああああぁぁぁあああ!!」


ついに政権与党を倒したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る