第56話
うぅ〜、この服動きずらい。
堅苦しいし、全身固められている感が否めない。さらに服を着ているというより着られている感じがある。そんな小学1年生。
そう、今日私たちは小学校に入学する。待ちに待ったかと言えば、そうではない気もするが今日を境目に、周りを渦巻く環境が大きく変わることには間違いないのだ。
今、私たちはこれから通う事になる小学校に向かっているのだが、なんてったって動きずらい。まぁ、車の中だから仕方ないと言えばそうだけど、まず着ている服が問題なのだ。
硬めの素材のワンピースみたいなかしこまった服。今日のためにお母さんが選んで2人分買ってくれたのだ。私の隣でワクワクを隠しきれていない結心を見る。うん、とても可愛い。私とお揃いのようだが若干違う。そんなところもお母さんのこだわりだ。
本当に私が見ている分はいいのに、私が着るとなるとなぁ。
そんな気分のまま私たちは小学校に到着する。今日は家族全員で来ているので、お父さんお母さんに加え、青葉も少しだけ着飾っている。当の本人はお眠り中ですが。
「じゃあ、玄関にいこっか。結笑、結心ちゃんとランドセル持った?」
「「もった!」」
「忘れ物ないか?」
「「ない!」」
私たちは小学校に入る前に入念にお母さんとお父さんからチェックを受ける。それに元気よく私たちが返事を返す事で、無事確認は終了するのだ。
確認が終了すれば、小学校内で受付作業に入る。
「おはようございます。お子様のお名前を教えていただいてもよろしいですか」
「湊結笑と湊結心です」
「結笑さんと結心さんですね。入学おめでとうございます。では、まずこちらの花と名札を持って、2人とも1年2組の教室に入って待っていてください」
「わかりました。ありがとうございます」
お母さんが受付の人にお礼を言って名札などをもらっている。私たちは双子だからクラスは、分けられると思っていたけど、同じなようでびっくりしたけど、それよりも知っている人がいる方の安心感の方が強い。
親も一緒にという事だったので、みんなで教室へと向かう。他の入学生達も同じなようで、1年生の教室前は多くの人がいた。
その中で1年2組の教室を探し出して、教室に着いた時に、学校の放送で親は体育館に集合という放送が流れた。
「じゃあ、私たちは行くからね」
「「わかったー」」
お母さん達と別れて教室に入る。自分の席には名前が書いてあって、生年月日順だから当然結心とも近かった。席について落ち着こうと思った時に先生らしき人が入ってきて、廊下に並ぶように声をかけていた。
「はーい。じゃあ呼ばれた順に並んでくださいね」
「「「はーい!!!」」」
全員が並び終えたのを先生が確認し終わると、小さく体育館の放送が聞こえた。
「只今より、入学式を行います。一同起立、礼、着席。プログラム1番 新入生入場。大きな拍手でお迎えください」
〜小学校入学式 1時間前〜
〇〇の1時間前 雨琴 @amakoto
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