第3話 バルト海〜ストックホルム港倉庫(朝)

 しばらく抱き合った格好でいた3人だが、

「そう言えば、もう1人無事を祝いたい人がいるんです」

 とマリーヤが笑い顔のままで言ってきた。

「誰だ?」「俺たちも知っている人か?」

「もちろんです。…ほら」

 と、マリーヤが内ポケットから出してきたのは1通の封筒。ロシア語が書かれている。

「…えーと、なんで書かれてる?」

「え?あ、ハンスさん、ロシア語は読めないんでしたっけ?」

「俺のロシア語は耳学問だからな」

 会話はネイティブ並でも、読み書きはからっきしだ。

「これ、リーザ、エリザヴェータさんからです」

「おおっ」「なんと…」

 ハンスとジークムンドは同時に驚いた声が漏れる。

 エリザヴェータ。スタラヤ=ルッサでお世話になった闊達なロシア美女。

 過酷な戦場の中でも、彼女とともにいた時間は心安らぐものだった。

「手紙ってことは、じゃあ」

「はいっ。無事らしいです!」

 満面の笑みを浮かべるマリーヤ。エリザヴェータと特に関係の深かった彼女としては、格別だろう。


「しかし、どうやって届いた?ロシアにいるんだよな、リーザは?」

 ハンスの疑問はもっともだ。スタラヤ=ルッサから出たとは思えない彼女が、どうしてマリーヤの場所を知ったのか。

 その疑問を、それはですね、とマリーヤが答える。


「ストックホルムに来て、いや、その前からですね、リーザのことはいつも頭にあって。

 スタラヤ=ルッサの街並みは争奪戦で破壊されたって聞いてましたから、無事なんだろうか、と心配してたんです。

 ですので、こっちの生活も少しは落ち着きましたから、ダメ元で葉書を送ってみたんです。わたし、スタラヤ=ルッサの住所知ってましたので。

 このストックホルムでの今の住所を書いて。検閲されるでしょうから、リーザの親戚のふりして、無事なら手紙を返信してほしいって。それが昨年末ぐらいですね。

 なかなか戻ってこなかったので、うまく届かなかったのかもと思って、2度3度出してみましたが、音沙汰なしで…。半ば、諦めてました。

 ところが!

 来たんですよ、返信が!つい最近!

 書き慣れてないリーザのキリル文字が懐かしくて…。ええ、間違いない、リーザの字でした!」

 封筒から2枚の便箋を出すと、いくつか検閲で黒塗りの部分があるが、バランスの悪いキリル文字が描かれている。『勉強嫌いでさあ』とあっけらかんと言っていた彼女の姿が目に浮かぶ。


「これみてくださいっ」

 と、勢いよく差し出してきたのは1枚の白黒写真。

 男女が顔を寄せ合って笑っている。男はソ連の軍服、女はもちろんエリザヴェータだ。

 その背後は、廃墟。崩れ落ちた石壁や木材が見える。

「これは…、この土台からして、リーザの酒場か?」

「リーザはわかるが…、この横の男は?」

「リーザの旦那さんらしいです。覚えてませんか?あの酒場にも2人の写真があったことを」

 そう言えば見た記憶がある。もちろん軍服姿ではなかったし、こんなに髭も生えていなかったからパッと見は繋がらないが、目や顔立ちはこんなだったかもしれない。名前は…ミーシャとか言ったか。

「旦那さん、応召されてレニングラード戦線に行ったらしく、そこで戦功を立てて…。ほらここ」

 マリーヤが指差した男の軍服の右胸には、勲章らしきものがいくつか並んでいる。

 ソ連軍にはいくつも勲章があるが、それを複数授与されているということは、この戦争で相当に活躍したことは容易に想像がつく。

「ほら、覚えてますか?街がソ連に戻っても、ドイツ将兵と付き合いがあったことを国家反逆罪に問われるんじゃないかって、リーザが心配していたこと」

「言ってたな」

「ところが、この旦那さん、他のスタラヤ=ルッサ出身の兵を指揮して、志願して奪回戦に参加したらしいです。それで、党の政治将校が住民を尋問しようとするのを止めたって」

「実力でリーザを守ったのか」

「そのあたり、検閲で黒塗りが多くて細かい事情は分からないんですが。でも、多分そんな感じです」

「かっこいいな、それは」

勲章持ちという実績が、政治将校どもにも効いたのだろう。リーザ、男を見る目があるな。


 あらためて写真を見る。

 廃墟に見える背景の店も、よく見ると新しそうな四角材の枠組みも建てられており、再建途中なのがわかる。エリザヴェータはこの酒場を母の形見として大事にしていたし、もう一度この場所で営業するつもりなのだろう。

 そしてなんといっても、エリザヴェータの顔だ。

 ハンスといた時からもよく笑い、明るさと情の深さをなくさない女性だったが、この写真のような輝く笑顔ははじめてみた。

 それだけ、横の男性が無事に帰ってきたことが嬉しいのだろうし、愛情の深さがわかる。

 言葉はいらない。

 この写真を見ただけで、彼女の今の幸せは理解できた。


「俺たちも、さ」

 ハンスがマリーヤに顔を向ける。

「写真を送って見せつけてやろうぜ。俺たちの無事な姿を、さ」

「いいですね!」「写真か、なるほど」

 マリーヤとジークムンドも賛同する。

「でも、アドルフのヤツも写真に入れてやらんとかわいそうじゃないか?」

そういったのはジークムンドだ。

犬のアドルフも健在で、今はストックホルムの家で留守番中と言っていた。

「ですねっ。リーザ、きっと喜びますよ」

 直接会うことはできない関係になったが、手紙でつながることはできる。

 そういや、エリザヴェータと最後にあった時に、無事に生き残ったら手紙をやりとりしようと約束したことを思い出す。どうやら、その約束ははたせそうだ。

 もっと世界が平和になれば、会いにいくこともできるかもしれない。


 3人で思い出話に花を咲かせていたら、いつのまにか陽は昇っていたし、ストックホルム港も目の前だった。

 とは言え、貿易港として大型貨物船が行き来するあたりには漁船は入れないので、魚市場と直結した漁港区へ。

 空いている桟橋に船をつけると、やはり兄弟だった2人の漁師はマリーヤからクローナ紙幣の札束をもらい、ほくほく顔でマリーヤに抱きつき、ぶんぶん手を振っていた。魚を獲るよりよほど利益になったらしい。

「ヤコブさんが倉庫で待ってます」

 と、マリーヤに連れられて大きな貿易倉庫が立ち並ぶ地区へ。


「来たか」

 大きな倉庫の前に立つ老人。顔はつかめっつらいヤコブのままだが、服装はパリッとした仕立ての良いものに変わっていた。

「よう。ジサマも元気そうで何より」

 手を振って答えるハンス。

「にしても、この大きな倉庫が丸々ヤコブ商会のものとはなぁ。しこたま儲けたんだな」

「何を言うか。お前の実家、オストワルト商会と比べればゴミみたいなもんじゃ」

「もうオストワルト商会なんて、影も形もねぇよ」

 唯一残っていたスウェーデン国内の牧場や革工場も、オストワルト当主の失踪後、所有者なしとしてスウェーデン政府が接収。今は軍用靴を生産しているらしい。

 マリーヤたちに調べてもらい、ハンスがオストワルト家の跡継ぎだから返却してほしいと訴えたが、認められなかった。

 ハンスがオストワルト家の血縁であることを証明できるものが何もなかったためだ。政府としても、今さら所有権を主張されても、というとこだろう。


「で?こんなとこに俺らを連れてきたのは、この倉庫を見せびらかすためか?」

「ほほう、そんな憎まれ口を叩くとは。小僧が喜ぶものを見せてやろうを思ったのにのう」

「俺が喜ぶもの?」

「入るがいい」

 と、ヤコブは倉庫の通用口のドアを開け、ハンスたちを誘う。


 暗くてよく見えない倉庫に照明がつくと。

「ああっ!!」

 照明に照らされた倉庫の中に、翼が折り畳まれた一機の飛行機。

「俺のシュトルヒ!」

 ハンスはシュトルヒに駆け寄っていた。

 なじみある塗装、ちょっとはがれも目立つ黒十字バルケンクロイツ、その横と尾翼には「1《アイン》」の数字。

 側面にはいくつもの銃痕さえある。間違いない。ゴトランド島に降りたままのシュトルヒだ。

「ご老人、これは一体?」

 ハンスほどヤコブに慣れていないジークムンドが、丁寧な言葉遣いでヤコブに聞いている。

「政府が競売にかけたんじゃよ。接収品としての。わしは飛行機には門外漢じゃが、聞いた話ではこの機種は民間でも使い道があるらしくてな」

 そうなのだ。シュトルヒの高い離発着能力は、農園での空中散布や山間部などでの輸送移動にも適しており、大戦を生き残ったシュトルヒの多くはそのまま民間に払い下げられた。

 それどころか、対戦国のソ連やドイツ占領時代にシュトルヒの生産工場があったフランスでは、戦後も軍事・民間両用でシュトルヒの派生機が作られている。

「ま、見ての通りのドイツ軍の損傷機。競売にかけられた時には風防に血糊がついたままじゃったからの、縁起悪すぎて買い手はつかなかったから安いもんじゃったわ」

 からからと笑うヤコブ。


 そんな話も耳に入らないくらい、ハンスはシュトルヒを一心に愛でていた。

 シュトルヒの周りを一周し、外板を撫でる。コクピットに入り込み、操縦桿を握る。

 手が馴染む。お帰りなさい、と座席も迎え入れてくれているようだ。

 いつもこの機とあった6年間が思い出される。

「……なんか、わたしと再会した時よりも嬉しそうなんですけど」

 ハンスの姿にドン引きしたようなマリーヤの声が響く。

「まあ、パイロットってのは多かれ少なかれ、乗機には愛着が湧くものだ。見逃してやれ。ハンスの場合は、ちょいイッている感もあるが…」

 ジークムンドのフォロー(?)が入るが、マリーヤの不機嫌さは変わらない。

「あんなに一生懸命ハンスさんを助けたのに…。わたし、あの飛行機に嫉妬してしまいそう…」

「そりゃなかなか……。ま、頑張れ」

 そんな2人の不毛な会話も、ハンスの耳には入っていなかった。


 充分にシュトルヒを堪能したらしいハンスが、ヤコブたち3人の元へ帰ってきた。

「いやあ、ジサマありがとう!本当に嬉しいわ!……ん?マーシャ、なんか不機嫌そうだけど?」

「……なんでもないですぅ〜」

 ぷいっと横を向くマリーヤに驚くハンスだが、元々深く考えないたちだ。あの日かな、などと的外れな予測で、それ以上考えない。

「何か誤解がありゃせんかのう」

 とヤコブはいやらしい笑顔を浮かべる。

「誤解?」

「この飛行機はわしの物だ。ハンスに与える気はない」

「…は?」

「当然じゃろう。わしが金出して買った。わしがどうしようと勝手じゃ」

「え?ジサマ、俺に恩義感じてるって言ってたじゃん!」

「確かにな。

 だが、小僧の頼みに従いこうしてマーシャを引き取り、また抑留先から脱出させて小僧を救った。充分恩義は返したと思うがの。いや、逆に貸しを作ったぐらいじゃ」

 正論に、ぐうの根も出ない。

「…いや、でもさあ。ジサマが飛行機持っててもしょうがないじゃん?ここは俺が…」

「そうさのう、ばらばらにして、使えそうな機材だけ売っても…」

「おいぃぃっ!やめてくれええ‼︎」

 このシュトルヒが解体される。考えただけでも怖気を振るう。


「そこでお主に相談じゃ」

 ヤコブがいやらしい笑いを深める。ユダヤ人を嫌ったことはないハンスだが、今初めてユダヤ商人の怖さを知った気がする。

「シオニズム、というのを知っとるか?」

「シオニズム?」

 なんか新聞で見た気もするが。

「ユダヤ人のパレスチナ帰還運動のことですね」

 と、マリーヤが口を挟む。

「そうじゃ。運動そのものは19世紀末からあるが、ナチスのユダヤ排斥で、ドイツ統治下のヨーロッパから多くのユダヤ人が逃げてきており、パレスチナのユダヤ人はかなり増えておる」

「ホロコーストなどのナチスの虐殺行為も明らかにされて、ユダヤに対する同情も世界的に盛り上がってきてます」

 マリーヤが補足する。そう言えば、ヤコブとマリーヤは養子縁組を結んだと聞いた。多分これからヤコブが話すことを、もうマリーヤは知っているのだろう。

「だが、そうは言っても現在パレスチナの多数派はイスラーム教徒、すなわちムスリムのパレスチナ人だ。どんどん移住してくるユダヤ人に警戒感が高まり、パレスチナを統治しているイギリスも、これ以上のユダヤ人移住は混乱を招くとして消極的だ」

「ふーん」

「現地のユダヤ人はそれが面白くない。ハガナーというユダヤ人で構成された軍事組織を作っているんじゃがの、ドイツがあるうちは反ナチスで協力関係にあったイギリス軍とハガナーじゃが、ナチスが消滅した今、急速に関係が冷えておる」

「世界大戦が終わるとほぼ同時に、パレスチナで軍事衝突が起こるのではと、ユダヤ人社会は考えています」

「ふーん…」

 ハンスはそう答えるしかない。正直自分とシュトルヒと、どのように繋がるかがわからないので、興味が湧かない。


「ここまで話せばピンとくるのでは、と思ったがの」

「すまん、全然ピンときてない」

「すなわち、ハガナーに武器や弾薬を密輸してほしいのじゃよ。お主のシュトルヒで」

「何⁉︎」

 急に話が自分に飛んできた。

「現地のユダヤ人指導者たちは、武力闘争なくしては祖国は創世できないと思っとる。だが、手切れしたイギリス政府がみすみす武器の輸入を認める訳がないわな。隠れて密輸するしかないが、当然危険も伴う」

「それで、俺、か…」

「大戦中は包囲下の街にも何度も武器を運び入れたと聞いた。それに比べれば、まだ戦闘状態ない分だけマシじゃろ」

「……金は?給料はくれるんだろうな?」

「もちろんじゃ。利益の1割をお前に渡そう。それで金を貯めてシュトルヒを買い取ってもよい」

「悪くねぇ話だ。だが、ちゃんと約束は守ってくれるんだろうな」

「我らユダヤは契約の民。口約束ではなくちゃんと紙で契約を交わす。ドイツ語でな。それでどうか」

「よし、交渉成立だ」

 ぶっちゃけ、今後もシュトルヒを乗り回せるなら何だっていい。

どんな戦場であっても、シュトルヒアインと一緒なら逃げ切れる。生き延びられる。

 そんな変な自信がハンスにはある。


「それに、ジークムンドさん、といったかの。あなたもわしに雇われる気はないですかの?」

「俺か?」

 急に話を振られて驚くジークムンド。

「飛行機の運用に整備士が必要なのは、わしも知っておる。しかも、決して表沙汰に出来ない仕事じゃ。事情を知っておる人間は取り込んでおきたい。

 ならば、ジークムンドさんが整備士には適任じゃろう。

 もちろん金は払う。ハンスよりは少なくなるがの」

「それは…、この膝ではどんな仕事ができるかわからない自分には願ってもない話、ですが…」

「疑問があるなら、答えられる範囲で答えよう」

「俺や、ハンスの身分はどうなります?我々は脱走兵だ。いつまでも国籍がない日陰のままでは、出国も難しい」

「ああ、それはこちらで何とかしよう。なに、金さえあれば身分は作れる。その金は君たちにつけておこう」

「なんだよ、その金もこっち持ちかよ」

 ハンスが突っ込みを入れるが、ヤコブは涼しい顔で返す。

「当然じゃ。自分の身分は自分で買うもんじゃよ。なに、特別サービスで無利子にしといてやる」

ユダヤ商人の真髄を見た気がする。例え友好関係にある人でも、商売はドライに。

「いいでしょう。身分を作ってもらえるなら、ドイツに帰ることもできますからね」

 ジークムンドからすれば、ミュンヘンの家族と会うことの方が大事なのだろう。

 ツケや金額に気にすることなく了承した。


「当然、わたしも行きますからね」

 とマリーヤも続く。

「交渉ごとはわたしが担当します。アラビア語、あとはシリア語も覚えたいですし」

「いくつ言語覚える気だよ?」

「できるとこまで、です。覚えるのが苦じゃないんですよ、わたし。それに…」

「それに?」

「…その、ハンスさんが行くところだったら、ど、どこまでも……」

「ん?最後のほうが、よくきこえなかったんだけど?」

「い、いいんです!もうっ」

 なんか今日のマーシャは感情が不安定だなぁ。やっぱりあの日か?

 などと考えるハンスと、「やれやれ」という感じで生温かい目で2人を見るジークムンドとヤコブ。


「よし。話がまとまったとこで、より細かい計画を立てたいところだが…、お前たち腹は減らんか?」

 言われてみれば、昨晩からこっちなにも食べていない。そう思い当たると、急にぐぐぅとお腹がなる。

「確かにお腹空きましたね」

「じゃあ、まずは腹ごしらえかの。早くから働く漁師のための、安くてうまい店を知っとるんじゃ」

 そうヤコブがいい、倉庫を出る。そのあとをマリーヤが続き、足の悪いジークムンド、最後にハンスと出ていく。

 最後のハンスが照明の電源を落とす前、シュトルヒをしばし見た。

➖またお前と働けるんだ。これからも頼むぜ、相棒。


「おーい、なにをまごついておる。早く出てこんかぁ」

「わかってるよ。そんなに急かすなよジサマ」

 照明のスイッチをおとし、一行についていくハンスだった。

 

 ♢♢♢


 翌1946年1月、スウェーデンに抑留されていたドイツ兵約3000はソ連に引き渡された。

 のらりくらりとソ連の要求を引き伸ばしてきたスウェーデン政府だが、外交関係の悪化をほのめかされると、さすがにリスクがありすぎる。

 資本主義陣営と社会主義陣営の対立が深まっている中の決断であったが、その3000人を含めたソ連抑留の20万を越える元ドイツ将兵は、苛酷な環境での労働の結果、そのほとんどが故郷に帰ることはできなかった。


 一方、世界大戦が終わった後、パレスチナでは祖国樹立を求めるハガナーと、彼らの活動を抑えようとするイギリス軍との衝突が起こるようになっていた。

 ユダヤ人によるイギリス軍宿舎爆破などのテロ行為も起こり、イギリス軍は武器弾薬の密輸に目を光らせていた。

 そんな中、パレスチナの都市イェルサレムやテルアビブでは奇妙な噂が広がっていた。

 曰く、かつてユダヤ迫害をしていたドイツ人がその贖罪として、ユダヤ人軍事組織のハガナーへ武器弾薬を運んでいる、と。

 怪鳥のような大きな翼を持つ飛行機で、イギリス軍のレーダーを掻い潜り、彼らが必要なものから密入国したいユダヤ人まで、ありとあらゆるものを運ぶらしい。


 さらに尾鰭がつき、死海湖畔で見つかった貴重な古文書(いわゆる死海文書)が、彼らの手で何処かに運び出された、などという話もあったが、さすがにそれは都市伝説の類であろう。





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逃げろ‼︎シュトルヒ! 墨華智緒 @saku-taro

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