読み終えた後、温かなスープを飲んだ時のような、ほのぼのとした幸福感に包まれました!
舞台は、どこか懐かしい古代ヨーロッパを思わせる異世界。王様と庶民が同じ空気を吸い、すぐそばで笑い合っているような距離感が、まるで「昔々あるところに……」と始まる大好きな童話や民話の世界に迷い込んだようで、とっても素敵なんです。
主人公のトーコちゃんと、お相手のオズワルド。二人の間に流れる「しみじみとした空気感」が本当に愛おしくて、見守っているだけで心がポカポカしてきます。
また、文章がとっても軽やかで格調高く、まるで名作文学を読んでいるような心地よいリズムに驚きました!
周囲を彩るたくさんの登場人物たちも、物語に深みを与える不思議なスパイスのよう。まずは愛すべき二人の歩みを追いかけるだけで、物語の魔法にグイグイ引き込まれて、あっという間に一気読みしちゃいました。
「日常を忘れて、優しい物語に癒やされたい」
そんな時にそっと開きたくなる、宝物のような一冊です!
ハンゲツ王国を舞台にしたこの物語は、黒髪黒目の竜使いの娘トーコと、銀髪の山岳警団員オズワルドの出会いから始まります。周囲と異なる容姿に悩みながらも竜使いとして働くトーコと、過去の傷を抱えながらも誠実に任務をこなすオズワルドが、次第に心を通わせていく様子が描かれます。
主人公トーコは、自分の外見に悩みながらも、竜のエドガーや友人のリズに支えられ、少しずつ前を向いていきます。一方のオズワルドは、クールな外見とは裏腹に、トーコへの想いを素直に表現できる純粋さを持っています。補佐官のオスカーや次期王妃のソフィアなど、脇を固める登場人物たちも、それぞれに魅力的な個性を放っています。
登場人物の心情を丁寧に描写しながらも、テンポの良い会話劇を織り交ぜることで、読みやすくなってます。季節や天候の描写が心情表現と結びつき、春の訪れとともに芽生える恋、冬の寒さに寄り添う温もりなど、自然描写が効果的に物語を彩ります。
差別や偏見、過去との和解といった重いテーマを含みながらも、希望に満ちた温かい物語。竜と人が共存する世界で、互いの違いを認め合い、支え合って生きていく。そんな優しさに溢れた物語です。
竜使いのトーコは、ハンゲツ王国のとある村で、密猟者の監視をしている。ある日、山岳警団の青年オズワルドと出会ったことをきっかけに、彼女は彼に想いを寄せていくのだが……。
明るい性格のトーコと、爽やかで誠実なオズワルドが、どんどんと距離を縮めていく様子にキュンキュンしました。
特に、ちょっとしたタイミングで思いがけない行動をしてくるオズワルドには、思わずドキッとしちゃいました。驚いて慌てるトーコも可愛らしかったです。
そんな二人ですが、実は過去に辛い記憶を持っていて……。それでも、優しい人々に支えられながら、共に歩んでいこうとする姿が印象的でした。
また、トーコとともに暮らす竜のエドガーも魅力的。トーコとオズワルドの関係に、やきもちするのか、応援するのか……。もやもやしながらも二人を見守っていく姿が面白かったです。
とある王国で紡がれる、二人の幸せな物語。読後感の良い、ほっこりできるお話でした。
どこか童話や昔話のような、とても優しい語り口で綴られる物語です。
私が特に魅力だと感じたのは、世界観と登場人物ですね。
特に主人公の少女が魅力的です。
複雑な境遇にありながらも、真っ直ぐ前に進み続ける彼女の姿には心惹かれますね。
登場人物それぞれが生き生きとしており、美しい情景描写も相まって、物語の世界へ招き入れてもらったかのような感覚で読ませていただきました。
また、風景や料理の描写も魅力的です。
街の空気感や美味しそうな匂いまで感じるほどです。
文章もとても読みやすいです。
語り口の柔らかさはもとより、登場する用語なども読者に馴染みやすいものとなっています。細部まで気を配られて執筆なされたのだと感じましたね。
ストーリーもそうですが、いたるところに「愛」を感じる物語です。
あまり長いお話ではありませんので、
完結された今こそ、是非お読みになってみてはいかがでしょうか?
私も一気に読ませていただきました。オススメです。