竜使いのトーコは、ハンゲツ王国のとある村で、密猟者の監視をしている。ある日、山岳警団の青年オズワルドと出会ったことをきっかけに、彼女は彼に想いを寄せていくのだが……。
明るい性格のトーコと、爽やかで誠実なオズワルドが、どんどんと距離を縮めていく様子にキュンキュンしました。
特に、ちょっとしたタイミングで思いがけない行動をしてくるオズワルドには、思わずドキッとしちゃいました。驚いて慌てるトーコも可愛らしかったです。
そんな二人ですが、実は過去に辛い記憶を持っていて……。それでも、優しい人々に支えられながら、共に歩んでいこうとする姿が印象的でした。
また、トーコとともに暮らす竜のエドガーも魅力的。トーコとオズワルドの関係に、やきもちするのか、応援するのか……。もやもやしながらも二人を見守っていく姿が面白かったです。
とある王国で紡がれる、二人の幸せな物語。読後感の良い、ほっこりできるお話でした。
どこか童話や昔話のような、とても優しい語り口で綴られる物語です。
私が特に魅力だと感じたのは、世界観と登場人物ですね。
特に主人公の少女が魅力的です。
複雑な境遇にありながらも、真っ直ぐ前に進み続ける彼女の姿には心惹かれますね。
登場人物それぞれが生き生きとしており、美しい情景描写も相まって、物語の世界へ招き入れてもらったかのような感覚で読ませていただきました。
また、風景や料理の描写も魅力的です。
街の空気感や美味しそうな匂いまで感じるほどです。
文章もとても読みやすいです。
語り口の柔らかさはもとより、登場する用語なども読者に馴染みやすいものとなっています。細部まで気を配られて執筆なされたのだと感じましたね。
ストーリーもそうですが、いたるところに「愛」を感じる物語です。
あまり長いお話ではありませんので、
完結された今こそ、是非お読みになってみてはいかがでしょうか?
私も一気に読ませていただきました。オススメです。