第4話 年月日がタイトルの作品って
日付がタイトルになるものが、結構あります。
これは、歴史上発生した事件を、象徴としてタイトルにしている場合や、その物語の一番キーになる月日を指しています。
〇 7月4日に生まれて
〇 皇帝のいない8月
〇 4月は君の嘘
〇 226
〇 レッド オクトーバーを追え
〇 ムルデカ 17805
〇 3月のライオン
7月4日に生まれては、アメリカ独立記念日に生まれた主人公が、ベトナム戦争を通じて体験したことを自伝として描いた小説です。
しかし、これはたしか、原題が7月の寒い朝、だったと記憶しています。
これは、オリバーストーン監督によって映画化された時に付けられたタイトルで、非常に良いセンスだと当時感じた記憶がおります。
本来ですとこのタイトルは「アメリカ独立記念日である7月4日に生まれた私が経験したベトナム戦争の悲劇とアメリカのその後」と言うのが言いたかった事なんだと思います。
しかし、これを、ギリギリまで短縮したものが「7月4日に生まれて」となったわけです。
226は、もうご存じの通り、日本で唯一発生した軍事クーデターが発生した月日が、そのまま日本語になっているところから、映画のタイトルになっています。
これらは、日本人が、共通の理解の上に成り立つタイトルですが、ムルデカのように、最後に意味が解りにくい数字が並んだものもあります。
これも実は年月日で、wikiでは下記のように書かれています。
日本の皇紀2605年(1945年・昭和20年)8月17日の数字を日(17)・月(8)・年の下2桁(05)の順に並べたもの
となり、これは、日本人であっても、説明を聞かないと解りません。
前回に書いた通り、その意味が解るとゾッとする、という意味合いの数字です。
皇帝のいない8月は、珍しい自衛隊クーデター物で、制作当時は色々あったと聞いています。
この、皇帝のいない8月は、クーデターの日時を示すとともに、自衛隊のクーデター作戦名でもあって、単に8月を月日としては扱っていません。
しかし、これも、内容を知るとゾッとする系ですね。
そして、4月は君の嘘、というタイトルには、もう一つ面白い要素があって、元々長文だったものを、無くても通じるレベルの単語を極限まで削る方式、と言えます。(さっきの7月4日に生まれてと同じですね)
内容には通ずるものがありながら、君の膵臓を食べたいとは、また違ったタイトルへのアクセス方法だと感じます。
これらタイトルには、その単語や月日自体に重要な意味合いがあるため、置き換えたり入れ替えたりしても意味のないタイトルになってしまいますね。
ちなみに、私の「決戦の夜が明ける」も、長文のキーワードを残して極限まで短くして作ったタイトルです。
これも本来「運命を決する日の夜明けとは、その思いとは別に、等しく訪れるもの」と言った内容を短くしたものです。(本当はもっと色々な意味が入っていますが、ネタバレなので)
しかし、このタイトルだと、カクヨムでは伝わらないと思い、同時に別のタイトルの小説を書いています。
それが「自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した」になります。
これは、前回も書いた、日常で使わないキーワードを使って、文章自体が非日常となるように、そのままの長さでタイトルにしたものです。
でも、タイトルを聞いた時に、その小説の方向性がある程度見えるということと、少し読んでみたいと思わせるタイトルって、難しいですね。
私も悩むところです。
よろしければ本文もご参照ください。
自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した ↓
https://kakuyomu.jp/works/16816452220196298271
決戦の夜が明ける ↓
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