第3話 意味が解るとゾッとするタイトル

 私が好きな映画のタイトルに「二〇三高地」というのがあります。

 最近はすっかり出て来なくなった映画のタイトルですが、以前はテレビの映画番組にもよく出ていましたし、年末年始には大河ドラマという流れは、この時代のものかと思います。

 このタイトルの頃って、意味が解るとゾッとする、というものが多かったように感じます。


〇 ああ、野麦峠

〇 黒部の太陽

〇 剣岳

〇 二〇三高地

〇 太平洋の翼

〇 ロズウェル

〇 南太平洋

〇 蟹工船

〇 ナバロンの嵐

〇 硫黄島からの手紙


 つらつらと、時代もバラバラに書きましたが、時代を問わず、激戦地の名称であったり、問題が起きた地名であったりと、直接地名をタイトルにするものが多い中、二〇三高地だけは、少しエッセンスが異なります。

 この203高地という言い方は、軍用の呼び名で、本来地名もない丘や山でも、軍事的に価値のある丘であれば、戦術目標としてこのように標高がそのまま地名として呼ばれることがあります。

 古い人であれば、このタイトルで、それが軍事目標であり、激戦地であることが一目瞭然なのです。

 特に、この二〇三高地は、実際に日露戦争の勝敗を決する分水嶺となったことから、今は知名度が低くとも、昔の人は、ここで第3軍の兵士が最も多く戦死した場所であることを理解しているのです。

 今でも無駄に人が多く戦死すると「二〇三高地」とあだ名するほどの損害を出した地名です。

 ですが、この地名、全く知名度のない、あなたの異世界の地名であったならば、タイトルにすべきでしょうか?

 ナルニア国物語なんて、よく勝負かけたな、と感じますが、これにもマジックがあって、その地名が、使うとかっこいい、なんかちょっとプロっぽい、と言うものだと、使用出来るマジックなのです。

 アルスラーン戦記や、多くのヒーロー物は、このパターンを取っています。

 逆に、勝負かけたな、と感じるのは「エヴァンゲリオン」です。

 、、、正直、解りませんし、読みにくいです。

 しかし、これを少し読みやすく、耳障りが良いタイトルに変えてみると


「エバンゲリオ」

「バンゲリオン」

「エリオン」


 なんとなく、普通です。

 こんなヒーロー、いそうですよね、

 多分、このエヴァンゲリオンと言うタイトルには、解る人にしか解らない防壁のようなものを感じます。

 なので、行ってみようと思わせる、少々の無駄「ヴァ」の発音も、当時よく話題になりました。

 私は持論で、毒のないものに、人は魅力を感じない、と人には言っています。

 公共のものは、せっかっく良いものを作っても、毒を抜いてしまう傾向があり、進撃の巨人も、NHKが放映すると聞いて、かなり心配でした。

 

 そんなこんなで、毒のありかを発見してもらえると嬉しいです。


自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した ↓

https://kakuyomu.jp/works/16816452220196298271



決戦の夜が明ける ↓

https://kakuyomu.jp/works/16817139558100621614




 

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