私達は───
ねぇねぇ、聞いて! 私達は『チルドレン』って呼ばれてるんだって!
ネーミングの由来? んー、なんでだろ……その名前の通りじゃない?
そういうのは大人の考えたことだし、私達は分からないし。っていうか何を話してるのかも理解できないもん。
ただね、私達は神様に選ばれた子供なんだ。大人の人はみんなそう言ってた。
その代わりっていうわけじゃないけど、私は魔法が使えるようになったの!
ふっふっふ……凄いでしょ? この前までシスター見習いだったのに、今となっては大人にも負けない女の子! 神様に選ばれただけはあるね、えっへん。
でもね、初めは確かに嫌だなーって思ってた。
上手く覚えてはないけど、お姉ちゃんと二人で歩いていたら知らないローブを羽織った人達に捕まって、目が覚めたら真っ白なお部屋にいて。
周りにいる子、みんな子供だった。見た感じ、一番歳上な人でも十五歳かな? もうちょっと上?
まぁ、どっちでもいいよね! だって、神様に選ばれた子以外はみんないなくなっちゃったんだもん!
最後に残った私達こそ『チルドレン』! うぅ……みんなどこいっちゃったんだろ? やっぱり気になるなぁ。
あ、この前一緒に部屋を出た子がいなくなった。
もしかして『おちゅうしゃ』に耐えられなかったのかな? それとも、大人達に負けちゃった? じゃあ、結局今はもう十人しかいないんだぁ、少ないね!
そういえば、『おちゅうしゃ』って痛いんだよねぇ。
泣いてもやめてって言っても泣いても、毎日毎日腕とか足とかお腹とかにブスッ! って。
けど、いつも一緒にいるローブの大人さんは「これが神様の試練だ」とか言ってた。
私とお姉ちゃんの目が黒くなったのは、選ばれし者の証なんだって。
むふふー、きっと友達とかお母さん達に見せたら驚くよね。私は凄いんだぞー!
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ、れ? お母さん?
お友達……え、あれ……? おか、お母さ、ん?
おかしいな、顔が思い出せないや。流石に生まれたから親はいるはずなんだけど思い出せない。
ま、まぁいっか!
この力で、私達はこの世で不幸になる子供達を救うの! 戦場で悪い大人を倒して、皆を笑顔にさせるのが役目なんだ!
そうすれば神様からご褒美がもらえる!
ご褒美、それは魔法士としての力!
ローブの大人達は「まだまだ研究の余地がある」って言ってるけど、要するにまだまだ頑張れってことだよね。
任せてよ、魔術師のお姉ちゃんの血をもらったもん! 今じゃ見ただけで「ぼんっ♪」できるし、お姉ちゃんは植物を体に覆って「どーん!」ってできるようになったし!
あ、そうそう。
大人達から連絡があって、これから賢者のお弟子さんに会いに行かなきゃいけないの。
好きにしていいって。血をあげるって。
あひゃ、ふひひひひひひひひひひひひっ……楽しみだなぁ、賢者のお弟子さんって強いんでしょ? 賢者さんの次に強いんでしょ!?
今度はどんな力が手に入るかなー?
そしたら悪い大人達をたくさん倒してこの世界をもっと平和にできるのになー。
私達は『チルドレン』。
神様に選ばれた子供達!!!
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