第3話 奈良へ古代へ中国へ! 平城宮歴史公園のイベントが熱かった! 前編

 皆さまも日本史で奈良の平城京について勉強されたことがあると思います。

 唐の長安をモデルにした格子状の平面図をどこかで目にしたご経験もおありでしょう。


 アソコは今どうなっているでしょうか?

 21世紀の現在、平城宮のあった場所はだだっぴろい歴史公園となっています!

(平城宮跡歴史公園 https://www.heijo-park.jp/)


 私が若い頃にはただただ原っぱが広がっていただけだったと記憶していますが(その草原の中を近鉄電車が突っ切っていくだけでしたw)。

 現在は大極殿や朱雀門、その他の建物などが復元されています。


 朱雀門の南には新しくてきれいなミュージアムがあり、通常展示で平城京について分かりやすい解説をしてくださるほか、各種イベントを開催してらっしゃいます(朱雀門広場の「平城いざない館」が会場となりました)。


 2023年3月25日(土)26(日)には「平城のとよほき」というイベントがありました。

(「とよほき」とは……。今ネットで「とよほき 意味」で検索すると「ほめたたえ祝うこと」という説明が出てきました)


 以下はその訪問記となりますが、どうか「もう終わった奈良地方のイベントのことなんか知らんわい」とお思いになりませんよう……。


 このイベントで登場する七弦琴や古代スイーツなどについて、普段から研究・実践していらっしゃる方がいらっしゃいます。きっと別のイベントでも何かの機会に目にすることがあると思います!

 関西を中心にこのような活動をしている人々がいるということ、是非お心にとどめてくださいませ!


 こういった奈良時代の天平文化の知見を得るのは歴史ファンタジーを書く上でとても有意義です。

 日本の古代史だけでなく、中国の古代についてもイメージが膨らみます。一粒で二度おいしいwですよー!


 鷲生は中華ファンタジーを書くべく資料をあたっておりますが、服飾等なかなか初心者にイメージしやすい資料本が見当たりませんでした。

 だいたい唐の辺りの衣服を知りたいと思っても、文字で書かれた文章を読むだけではなかなかピンときません。

 それで前々から奈良時代の服の再現があればと機会をうかがっていたいたのです。


(鷲生の中華ファンタジーの資料探しについては以下の連載で綴っております↓

「中華ファンタジー・中華後宮モノを書きたい人への資料をご紹介!」https://kakuyomu.jp/works/16817139556995512679 )


 鷲生は京都に住んでおりますので、奈良に行くにも時間がかかり、残念ながら午前に開かれている催しには行けませんでしたが、午後イチの七弦琴のコンサートから出席することができました。


「平城のとよほき」イベントは、平城宮跡歴史公園Webサイトによると「奈良時代を祝うイベント」で、今年4回目なのだそうです。※「平城」の読みは「なら」だそうです。


 平城宮跡歴史公園のWebサイトの「開催告知ページ」「開催内容(PDF)」は以下の通りです。

 https://www.heijo-park.jp/news/toyohoki2023-3/

 https://www.heijo-park.jp/cms/wp-content/uploads/373682d12cce9134f053229d4f743383-1.pdf


 鷲生は「七弦琴コンサート」「古代食弁当」「天平フェイスペインティング」「古代スイーツ講演会」に行きました。


 七弦琴は中国の古代の琴で、中国から奈良時代に日本に伝来したものが国宝として東京国立博物館に所蔵されているようです。


 今回の「平城のとよほき」では、大阪七弦琴館のみなさんが唐代の衣装を着て演奏されました。その唐の衣装を着た演者様たちが宴会や読書をするお芝居付きです!


 冒頭、メインで演奏される方が「私たちは奈良・平城宮の春の美しさに誘われて、唐からやって参りました」とご挨拶。おおー! 時間も空間も超えての「唐からのお客人」ですよー!!!


 そして挨拶の終わりには、舞台上の皆さんが「拱手」で一礼。

 うおおーっ!!! 本格中華衣装の男女が拱手してくださる! リアル拱手ですよ!

 こんな光景、私は十二国記のアニメでしか見たことないですw

 むっちゃくちゃここでテンションが上がりました!


 音楽も楽しく快いものでした。

 実は私、七弦琴をナメておりましてw 古代の楽器だからつくりも簡素だろうし、音楽も発展してないからポロンポロンとした単調なものなんじゃないか、と……。

 いえいえ。まず音が多彩ですし、メロディーも飽きのこないものです。

 さらに古代の昔の漢詩を中国語で歌って下さるのでそれも聞きどころです。その発音がきちんとした中国語のようなので(スミマセン、鷲生は中国語に不案内なんです)気づいたのですが、どうも少なくともメインの男性奏者の方は中国の方のようです。


 こうして歌われているのを聞いていると、中国語って美しいなあ~と思い、ふと「NHKの語学講座で勉強してみようかなあ」なんて思ってしまいましたよw

(これ、4月になるといろんな外国語でやってみて、そして5月まで続かないんですよねw 中国語も2,3回挫折してますw)


 さて。もう一つの見どころの唐の衣装を着た皆さまのお芝居ですが……。ただ、これは十分に見学することができませんでした。


 会場となった建物の多目的室は、本当に普通の会議室です。コンサートホールみたいに座席が階段状になっているわけではなく、床は水平です。

 そこにパイプ椅子を並べて観客席とし、その前方に一段高いステージが楽器演奏者の分は設けられていますが、お芝居はステージと観客席の間の床に座って行われます。

 となると、観客席の最前列でもなければろくに見られないんですよ……。

 これだけは残念でした。

 ただ、座席から横の空きスペースに移動して立ち見してても別に怒られなかったので、そこから望遠レンズを使って動画を撮影することはできました。


 あと、唐の衣装を見たかった私には残念だったのは……。これは誰も悪くないのですが、女性陣が口から胸元まで薄い白い布をつけてらっしゃって。おそらくコロナ対策だと思いますが、その布のために襟元が良く見えなかったんです……。

 どんな服を着ていらっしゃるのか、襟元から得られる情報は多いですから、ここはとっても心残りです……。


 それでも先ほども言いましたように音楽がとても楽しいものでしたし、髪に刺した飾の華やかさも堪能できました。部分的ながら唐の衣装を着た人がリアルに筆で書き物をしたり、宴会で杯を干したりする様子も目にすることができ、唐にタイムスリップしたかのよう!

 とーっても楽しいひとときでした!


 2時に終わったので、ここで遅めの昼食です。

 奈良パークホテルさまが「古代食弁当」を販売されているとのことで、売り切れてないとええなあ……と思いつつ、販売テントに向かってみると、無事まだ残っていました。古代の乳製品の「蘇」も売られていたので購入してきました。

 お弁当が1500円、「蘇」が1000円でしたので、私としては散財したことになりますw


 飲食は会場の建物の外周のテラス席ですることになっています。

 ここから復元された朱雀門ががっつり見えるんですよ~。

 そして街路には平城京や唐の都市がそうであったように柳の並木も植えられています。


「そういえば七弦琴コンサートで、歌詞の中に『柳』が出てくるというお話をされていたな~」と思い出しながら食べておりますと、コンサートを終えられた七弦琴館の皆さんがその唐の衣装のままお外に出てこられました。


 新緑眩しい柳とその奥の朱塗りの柱が目に鮮やかな朱雀門、その前に集まる唐の衣装を着た方々……。口の中には古代のお食事。

 いやあ、現代日本にいることを忘れられるかのような、とっても珍しい体験ができましたよ!!!


 この古代のお弁当、奈良在住のライターさんがツイッターですごく言い得て妙な解説をされていました。

 曰く、「奈良パークホテルさんの古代食弁当、博物館とかでよく展示されてる『奈良時代貴族の食卓』をギュッと詰めました!という感じ」(https://twitter.com/igacham/status/1639560966030651392)

 ↑

 そうそう、ほんまにそういう感じですねん!

 皆さまもお手元に「奈良時代の貴族の食卓」の写真が載っている歴史資料集があったらぜひご覧になって下さいませ。


 つらつら記憶を辿って書いておりましたら長くなってしまいましたので、一度ここで区切りとします。

 次回はお弁当の気になる?中身のお話から帰宅後お土産の「蘇」を食べたお話しです!


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