エピローグ
ある街には、こんな噂がある。
その森には軽々しく足を踏み入れてはならない。もしも入ってしまっても、決して誰にも着いて言ってはいけない、と。
泣き顔で走っていく少女に着いていけば、例の館にたどり着く。入れば決して出られない人喰いの館に。
少女におびき寄せられた大人は、その館に喰われる。館の存続のために……。
「裕太〜、大丈夫なの?こんな道、……ねぇ、あそこ。子供がいない?」
「本当だ。迷子?……あっ、奥に走っていく」
「追いかけた方が良くない?!迷子だったら」
「そうだね」
今宵もまた……。
何も知らない人間が迷い込む。
少女に連れられて。
「……なんだここ」
「大きな館…」
少女が館に入っていく。
それに釣られて人間も。
少女は微笑む。
――館は不気味に揺れ……それらを呑み込んだ。
ヒト違い 深夜翔 @SinyaSho
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