年下は恋愛対象ですか？

これがイケメンか…

　コンビニのバイトくんこと鹿島隼（かしまはやて）くんに告白されたのだが、私はどうしたらいいのだろうか？

　彼に借りたタオルを返そうとコンビニ行きたいのだが、いざ行こうと思うと頭を抱えてしまう。

　相手は学生で私は社会人。

　彼には諦めて欲しいと思っている。

　理由は単純私なんかと付き合っていたらきっと彼の人生損しかしない。

　こんな推しにしか貢げない大人と付き合っていたら本当に勿体ない私デートとか行かないしそれにお金を使うことすら勿体ないと思っているんだから。

「私と付き合っていいことあるのかねぇ…ろくな事ないと思うよ君、諦めない？」

「嫌です」

「私外でないよ？推しにしか貢がないよ？君に貢がないよ？」

「言い方…一緒にその推しを好きになって推すので問題ないです」

　すっごい寛容な男の子でした。

　コンビニにいつもの魔法のカードをレジに置いて会計のついでに話した時に即答された。

　何それ一緒に推すって…こんないい子が私のこと好きなったの？

　たかが一言で？漫画みたいな恋愛が起きたのか？

「あの、俺もうそろそろで上がりなんで送っていきます」

「すぐ近所に家あるから大丈夫だよ、学生くんむしろ私が送って行こうか？」

「子供扱いしないでください」

　ムッと頬を膨らませて私を見る姿はやはり子供だと思う。

「君は子供だよ、私の事は気にしないで家に帰んな。じゃあまた」

　私は手をヒラヒラと振ってお店を出た。

　しかし私は大事なことを忘れていた。

「…やば、タオル」

　また返すために行かないといけないらしい。

　大人の余裕を見せて帰ったのに忘れてたことあるから戻るのは…恥ずかしい。

　とりあえずLINEで…家帰ったらやるか。

　帰ってご飯を食べてゲームをしていればあっという間に時間は過ぎる。

　もう少しで日付が変わる時間帯だ。

　LINE送るのはまずいかこの時間にと思うが、返したいから、謝罪の文から始めて言うか。

『夜分遅くにすみません。タオル返し忘れて明日渡しに行ってもいいですか？』

　こんな感じでいいだろ。と胸を張ってドヤ顔をしているとすぐに既読が付いてギョッと目を見開いた。

　こんな時間まで起きてるの？！

　最近の若い子ってこんなに遅くまで何するの？ゲーム？…いやそれは私か。

『ごめんなさい明日シフト入ってないです』

『それならまた君がバイトがある日に行って渡しに行くことにするよ』

　そんな文を送ると可愛らしいうさぎが了解と言っているスタンプが来た。

　早く寝なよって送ろうとしたけど余計なお世話かなと思ってそのままスマホを閉じて部屋の電気を消した。