坂東武者に背負われた馬 🐎

上月くるを

坂東武者に背負われた馬 🐎





 空が、青い。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ🌤️💠🔵💠💙💠🔷🔹🔹

 むかし風に「あをい」と書きたいほど、青くて高くて広い。


 武蔵野のど真ん中、深谷の空は、さえぎるものがなくて、あっけらかんと明るい。

 むかし、畠山重忠ちゃんに背負ってもらった一ノ谷? あそこの空は狭かった~。


 なんせあなた、かの源平合戦の鵯越ひよどりごえで御大将の源義経ちゃんが「人のかよふべき様候はず、まして御馬などは」(平家物語)という懸崖を一気に駆けくだったのよ。


 そのとき、並みいる坂東武者を代表するイケメンにして清廉潔白、なおかつ生きとし生けるものへの情愛深い重忠ちゃん、なんと、あたしをおんぶしてくださったの!


 馬は人を乗せるものなのに、そんな真逆ってあり?! あたし、大いにとまどってご遠慮したけど「なに任せとけ、こういう場所では四つ足より二本足だ」って。💧


 あ、大丈夫、いまとちがって、あの当時の馬はずっと小柄だったから、優男なのに力持ち、坂東武者の鑑の重忠ちゃんにはそう大したご苦労でもなかったみたいなの。




      🌠




 そのときのエピソードが深谷市の畠山重忠公史跡公園に一対の像になっていてね、大好きな重忠ちゃんに背負われたあたし、日ごと夜ごと空を仰いでいるというわけ。


 ええ、そうなの、夜は夜でそれはすてきなのよ、高い山のない武蔵野の星空って。

 国立天文台が同じ武蔵野の三鷹市にあることでも、そのみごとさが分かるわよね。


 お国自慢になるけど、重忠ちゃんのふるさと・深谷といえば、まず生産量日本一を誇る深谷葱があげられるし、それにチューリップ、レンガ、瓦などの製造でも有名。


 グルメなら渋沢栄一さんの好物の「煮ぼうとう」(具沢山の幅広煮込みうどん)や彩の国(埼玉県)の名産「深谷牛」も美味みたい、馬のあたしは知らんけど。(笑)




      🤡🐜🐝🎴




 鳴き声だけでどの馬か聴き当てたといわれるほど心やさしかった重忠ちゃんはね、せっかく戦乱の世を生き延びたのに、舅・北条時政の罠にかかり無念の死……。💦


 ああ、ほんとにもう口惜しいったらないわ、ギリギリッと歯噛みしたいくらいよ。

 でも、おかげであたしはこうして重忠ちゃんと寄り添っていられるんだけどね~。

 

 これからも武蔵野といえば畠山重忠ちゃんとあたしのこと、きっと思い出してね。

 え、あたし? 牝馬ひんばか、牡馬ぼばか、LGBTか? ふふふふ、ご想像にお任せするわ。





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