第3話 SSR松茸の物語が幕を開ける

「キノコの神だと!?」


 確かにあの神々しいオーラは只者ではないことを如実に物語っている。


「そうであるうううう。SSR松茸よ、お主に一つためになる情報を与えてやろう。感謝するがういいい!」


「おお……キノガミ様、ぜひ教えてくださいまし!」


 俺が跪いて頭を下げたままキノガミ様にお願いした。


「ふむ!転生前のお主は松茸が大好きじゃったろ?」

「はい!松茸は俺の全部でした!俺の血は松茸でできているくらい、めちゃくちゃ食べてきました!家賃払うくらいなら、松茸を買って、口に捩じ込んだほうがマシだ!」

「家賃はちゃんと払え!」

「すみません!」

「ん。お主の松茸愛はよく伝わった。では、本題に入るとするうううううう」


 と、キノガミ様は咳払いしてから再び口を開ける。


「お主が日本にいる限り、いつか食われるのがオチじゃ」

「そうですね……このハゲたおっさんみたいにまた襲い掛かってくるに違いないです」

「そこでだ!お主はアメリカに行くがウイイ!」

「アメリカ?」

「欧米人は松茸のことを兵隊の靴下と言って嫌っておるのでの」

「あ、確かに、松茸って匂いますもんね。でも、その匂いの中に隠されている芳醇な香りを知らないなんて……欧米人は人生めっちゃ損してる……」

「とにかく、アメリカに渡れば、お主が食われる心配はない!そこで胞子をたくさん飛ばして、SSR松茸を増やせ!そうなれば、世界は平和を取り戻すことになるのじゃろ」

「なるほど……そういうことですね。わかりました!俺、頑張ってアメリカに行きます!目指せ!アメリカンドリーム!!」


 と、俺は意気込んでドヤ顔を作った。


「じゃがよ……険しい道のりのなると思うのぜい」

「そうでしょうね。松茸が大好きな日本人の目を欺いて脱出しなければならないから」

「というわけで、お主には特殊能力を授けよう!」

「特殊能力?」

「人たちに追われれば追われるほど、主の経験値は上昇して、スキルを覚えられるようにセットしてやったぜい!さっきのマッシュルームヘディングもスキルの一つじゃ」

「そ、そうですか……」


 全然使えないスキルだったけどよ……


「経験値やスキルの確認は『ステータス』と心の中で唱えれば表示される。あと、アメリカにつく前に傘が開いたらゲーム終了じゃ!」

「は、はい!」

「それじゃ、健闘を祈ろう!」


 と、言って、キノガミ様は姿を消した。


 もちろん、濃い煙も無くなったわけで、



「ん……俺のSSR松茸ちゅわん……」


「なっ!起きた!?」


 中年のハゲたおっさんは俺を見るなり、目にハートマークを浮かべて突進してきた。





「こっちおいで!」




「やだ!!!!」








 SSR松茸の壮絶な物語が幕を開ける。







追記



はい。


これで終わりです!


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転生したら松茸だった件 なるとし @narutoshi

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