第22話 心機一転〜傍に〜
春。4月。高校2年生。
「藍李っ!同じクラスだよ!」
美香菜が言った。
「…うん…」
「ねえ、もっと喜べないの?」
「だって…」
「新しいクラスになって、心機一転して、イイ男ゲットしたら?」
「………………」
友矢がいなくなり 数か月
会いたくて 会いたくて
仕方がないのに
アイツは現れない
私の中では
アイツへの想いは
溢れそうで
胸が
張り裂けそうだった
あなたに……逢いたい……
それなのに
あなたは
私の前に現れない
あなたは……今
何処で何してるの?
「彼は1つ上だが、海外に留学していた為、同学年として仲良くしていくように」
朝の H.R(ホームルーム)時間、私のクラスに転入生が来たと思われる。
私は一切、前も見る事もなく、ぼんやりと外を眺めていた。
そして1日が終わり、家路につく。
「…ただいま…」
「おかえり」
ドキッ
「…えっ…?」
そこにはまさかの相手が立っていた。
「…幻…?」
「…幻…って…つーか、お前、何ぼんやりとしてたんだ?」
「えっ…?」
「朝、全然興味なさげに、外眺めてたし」
「…それは…」
本当に本物?
幻?
そうも疑うも
私の目の前には
私が会いたいと
思っていた奴がいた
「…………………」
私は、玄関先から一気に階段を駆け上がる。
「あっ!おいっ!藍李っ!」
呼び止められるも私は部屋に向かった。
バタン
ドアに寄り掛かる。
「藍李?」
ドキッ
「開けてくんね?」
「………………」
「まさか怒ってんの?」
カチャ
少しだけドアを開け、隙間から顔をのぞかせる。
「藍李?」
私はドアを開け、友矢を入れると、私は、ベッド腰をおろす。
「会いたくて…仕方がなかった……でも、何の音沙汰なくて、みんな何も言わないし…私…すっごく心配したんだからねっ!」
「悪い…でも、俺がそうしてもらうようにみんなに頼んでて…俺だって会いたかった…」
「……………………」
「だからこそ連絡したりとかするとさらに会いたくなるし、それを、どうしても避けたかったから」
「………………」
私は下にうつ向く。
友矢が近付いて来るのが分かった。
「…ごめん…心配かけて…だけど、ハッキリと自分の想いに整理ついたし、今なら言える」
「………………」
「お前が…藍李が好きだって…」
ドキン
「だから…」
私は涙がこぼれ落ちる。
「…藍李…?」
異変に気付いたのか、友矢は顔をのぞき込む。
「見ないで!」
私は身体ごと顔をそらす。
私の隣に腰をおろすと背後から抱きしめた。
ドキン
「これからはずっと傍にいるから泣くな」
私を振り向かせ抱きしめる。
私も抱きしめ返した。
「つーかさ、その涙って、どういう理由の涙なんだ?」
「えっ…?どういう理由って……」
バッと押し退けるように体を少し離す。
「そ、そんなの…っ!」
グイッと引き寄せられ唇を塞いだ。
すぐに唇を離すとすぐに唇を塞ぐ。
深いキスをされ、何度も何度も角度を変えキスをする。
すると唇が離れ
「抱いていい?」
至近距離で言われた。
ドキッ
「えっ…?」
「なんて…楽しみは取っておく!家族に邪魔されたらかなわねーし」
確かに、すぐに夕飯になる。
そして私達はみんなが寝静まった頃、1つになった。
それから数か月が過ぎ、お姉ちゃんと尋渡の間には小さい生命が宿り、順調に育っていく。
そして、新しい家族が増え、両家は更に幸せな家庭と発展していった。
〜 THE END 〜
更新遅めでしたが、皆様、ご拝読ありがとうございます。
秘めた想い〜あなたの心には誰がいますか…?〜 ハル @haru4649
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