第5話 消えた

「一緒に抜け出そう。きっとできる。君も私もいける」

「え⁉︎」
















累はあたふたしていた。結衣に電話をかけたのに、全然出ないからだ。

「クソッ、あいつに宿題教えてもらおうと思ったのに」

ピンポーン

「はーい」

奈々美と梨華だった。

「(うわ1年じゃんダル)どうした?」

「結衣が、大変なの!」

急いで2人は累をワームホールに連れてきた。

「えぇ、マジかよ。こんなかに結衣がいんの⁉︎」

「そう!どうしよう」

「とりあえず、近所の方に知らせよう。君らは結衣の親に知らせて」

「うん」







最初は信じなかった警察や近所の方々も、みんなワームホールに集まった。

「この中に結衣が⁉︎」

「はい」

親が焦った様子で言ったが、警察が落ち着かせた。

「今から潜入するぞ」

警察は一斉にワームホールの中に入った。

「結衣さん!結衣さんはどこですか⁉︎」

「あ、警察だ。こっちです!これで抜け出せるよ」

「ありがとう」

と言った途端、もう1人の結衣の体が消え始めた。

「え⁉︎」

「え…」

「結衣さん無事ですか⁉︎そちらは…」

警察が聞いた。結衣は必死に説明したが、ついに消えてしまった。

「…………」

結衣は開けた口を閉じなかった。その時、彼女の意識が途切れた。



















「…ここは」

「家だよ。結衣は助かったんだよ」

辺りを見渡すと、本当に家のようだ。外では警察がウロウロしている。

「警察の方々がお前を助けてくれたんだ」

「あれ?あの人は…」

「あの人?誰だい?」

「……いや、なんでもない」

「奈々美ちゃんと梨華ちゃんと累くんが教えてくれたから、結衣は助かったんだよ。ちゃんとお礼を言っておけよ」

「うん」

彼女は不安でいっぱいだった。なぜなら、怖かったからではなくて。




が今、何を思っているのかなんとなく

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恐怖の縦穴 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko

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