お知らせ&おまけSS


 皆様こんにちは、作者の矢口です。

 本日は、お知らせのためにこの回を設けさせていただきました。

 少し長めのお知らせですが、お付き合い下さいませ。


 また、最後におまけのショートストーリーもご用意しておりますので、どうぞお楽しみ下さい。



 登場人物が多くなり、特に聖王国関係が非常にややこしくなって参りましたので、補足資料として聖王国の家系図を作成させていただきました。


(以下、近況ノートへのリンク)

https://kakuyomu.jp/users/ido_yaguchi/news/16817330654606753792


 本編中に写真や絵をアップロード出来ないので、リンクを貼らせていただく形になっております。

 よろしければご覧下さいませ♪


 また、同近況ノート内にて、当作品世界の季節に関する補足も掲載しております。



 そして、第65話、第66話にちらっと登場した黒猫の妖精ノラを主人公とした、短編作品を公開しております。


「ミーはノラ妖精、名前はまだにゃい【にじそらスピンオフ】」

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654462614768


 もしよろしければ、こちらもぜひお立ち寄り下さい。



 また、この度、当作品がカクヨムコン8中間選考を突破いたしました!

 こちらの作品を読んで下さり、応援して下さった皆様のおかげです。

 本当に本当にありがとうございます!

 次は、この物語の完結を目指して精進致しますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


 第六章は、3/26から投稿を開始いたします。

 今後も当作品をお楽しみいただけましたら幸いです。



 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

 では、最後に、おまけのSSをお楽しみ下さい!

 おまけですので普段とちょっと印象違うと思いますが、頭を空っぽにしてお読みいただければと思います。笑


____________________________________



「第45.5話 テディ、口説かれる」

 第45話と第46話の間、ノエルタウンにてパステルとセオが聖霊様に会う前のお話です。

 (エレナはロイド子爵家の使用人、ポールは聖夜の街ノエルタウンの役人、テディはセオの女装時に名乗っていた偽名です)


********


 聖夜の街市場ノエルタウンマーケットでスイーツコンテストが終了し、お祭りを一通り楽しんだ後。

 私たちは、ポールと共にイベントが成功したことを祝し、少し早めの夕食を取っている。

 ポールは気を利かせて、ゆっくりできる個室のレストランを用意してくれた。


「いやぁしかし驚きましたよ。まさかエレナ様が、フレデリック殿下とお知り合いだったとは」


「まあ、色々あってねえ。詳しくは言えないんだよ」


「それは当然でしょう。むしろ聞きたくないです、何か色々追求されそうですし」


「あはは、そりゃあそうだねえ」


 エレナとポールは既にお酒が回り、饒舌じょうぜつになっている。二人とも気が抜けたようで、砕けた雰囲気だ。


「お二人とも、この調子なら今夜の降聖霊祭こうせいれいさいは大丈夫そうれすよ」


「……エレナ、敬語になってる」


 しかも呂律ろれつが回っていない。私は小声で注意するが、聞こえていないようだった。

 しかし、どうやらそれは杞憂きゆうだったようだ。ポールは気がつかなかったらしく、セオをじっと見つめている。


「いやぁしかし、テディ様は男装もお似合いですねぇ。無口なところもまたクールでお可愛らしい」


「……」


 セオは無表情で、ロティサリーチキンをつついている。


「そうれしょう!? でもこないだのお洋服は可愛かったねぇ、あれ、また見たいねぇ」


「ちょっとお母さん! 飲み過ぎ!」


「あはは、お母さんらってぇ? なーに可愛いこと言うかねぇこのお嬢様はぁ」


 そう言ってエレナはすっかり潰れてしまった。テーブルに突っ伏して、あっという間に寝息を立てている。


「ポール様、母がごめんなさい」


「ははは、愉快なお母様ですねぇ。しかし……本当にお可愛らしい。テディ様、恋人はいらっしゃるのですか?」


「……!?」


 セオはフォークに乗っていたブロッコリーを取り落とした。

 私はぎょっとして、ポールの方を見てしまう。

 ポールは私には目もくれず、セオを熱心に見つめていた。

 今日は普通に男の子の格好をしているのだが、どうやらポールはいまだにセオが女の子だと勘違いしているようだ。


「ポ、ポール様、テディはダメです!」


「ええ? やっぱり恋人がいらっしゃるんですか?」


「そそそ、そうじゃないと思うけど、ダメなものはダメです」


「えー、どうしてパステル様が答えるんですか?」


「それは……」


 私は言い淀んでしまったが、そこで言葉を発したのは、意外にもセオ本人だった。


「……恋人ではないけど、一生を共にすると心に決めている人がいます」


 普段より低い声でそう言って、セオは私の方を見た。


「……!!」


 私はセオのその言葉に、思わず固まってしまう。セオの視線から逃れるように正面を向くと、ポールの不審そうな視線とかち合った。


「んー? んんー??」


 首を傾げて唸るポールの視線もものともせず、セオはナイフとフォークを置いて、テーブルの下で私の手を握った。

 私はますます頬に熱が集まってしまう。一方のセオは普段通りの無表情である。


「も、もしかしてお二人は……」


 どうやらポールも気が付いたようだった。


「そうでしたか、お二人は、でしたか……」


 ポールは諦めたような表情に変わり、盛大な勘違い発言を場に落としたのだった。



 食事会はさっさとお開きになり、翌朝、百合の花束が私たちの宿泊する宿に届けられることになったとかならないとか。



(テディ、口説かれる 完)




※ こちらのSSは、二ヶ月前の限定近況ノートより転載したものです。

 サポーター様、転載のご許可を下さり、ありがとうございました!

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