終
『やあ、ゆうたくん、よくやった。君の父の言う通りに君の罪は問わないよ。好きにしたまえ』
[ムト ラーレー財団]の代表が事件後、僕に言った。
拘留場から出ると世間では悪質な財団に殺された天候改変に関する天才科学者として父の名前が取り上げられていた。また東京の空は定期的な雨設定の時以外、雲一つない空が続いている。
以前の様な常に雨が降る暗い東京とは違っていた。
今、僕はかつて武蔵野があったところに植林をしている。苗木を植える時、小さな葉越しから太陽を見る。水に濡れた濃い緑の葉ではなく光透き通る黄緑の葉から透ける太陽は明るい。
地面の方を見れば芝生のように沢山の背の低い草が元気よく広がっている。
太陽の光が僕の背中を温めている。
あとで専門家が教えてくれた。僕が覚えている武蔵野はあのままでも日光が少なく全て枯れるはずだったそうだ。だけど今は沢山の光がある。父のおかげだ。そのおかげで僕の植林はうまくいっている。
武蔵野の森は自然感自体は無くなったが、温かみが広がっている。
僕の目的は達成されつつある。
僕は父のように悪魔と手を握って目的を達成した。僕も父のように僕も罰を受けるのだろうか、それとも受けないのかわからない、でも満足して居る。
[私は月まで届くようなロケットを作りたかった。あの時代のドイツでそのような大型ロケットを開発できるのは軍だけだった。私は宇宙へ人間を飛ばす目的の為ならば悪魔と手を握っても働き続けたと思う。]
人類の夢を叶えた男ヴェルナー・フォン・ブラウン
おわりちゃんちゃん
武蔵野と光 ライカ @rururu1123
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