僕のお姫様

星合みかん

ほら、起きて

 君は、一度寝たらなかなか起きないよね。僕は毎朝苦労してるよ。だって「朝ご飯は用意したい」って、君が言い始めたんじゃないか。無理に僕に合わせて起きなくていいのに。そう伝えたけど、君は絶対に意見を曲げなくて。君はそういう人だもん、しょうがないよ。だから僕は毎朝早く起きて、君にイタズラをするんだ。ほっぺをツンツンしたり、耳たぶをプニプニしたり、脇腹をくすぐってみたり……他にも色々。君に言ったら、顔を真っ赤にして怒るんだろうな。でも、何をしても起きない君が悪いよ。満足するまで君にイタズラをしたら、最後にそっと、キスをする。それでやっと、君は目を覚ますんだ。不思議だよね、キスじゃないと絶対に起きないんだよ? まるで童話のお姫様みたい。そう、君は僕のお姫様なんだ。




 ほら、起きて。……やっぱり、ほっぺをツンツンしただけじゃ起きれないよね。

 これでどう?……耳たぶをプニプニしても、ダメ?

 じゃあ、脇腹をこちょこちょ……これでも起きないの? 君は困った人だなぁ。

 それなら…………キスしたよ。ほら、起きる時間だ。いつまで寝てるつもり?


 ……おかしいね、今日はキスでも起きてくれないや。ねえ、怒ってるの? 僕が何かした? ……返事してよ、ねえ。答えてくれなきゃ、僕はわからないよ。もう一回、キスするから。だから———


 ねえ、目を覚まして。僕のお姫様。

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僕のお姫様 星合みかん @hoshiai-mikan

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