Flatliner's Memoria
Hase/Leiche.あーしの告白 ver.1.1
──あーしがなんなのか。そんなの解んないし、キョーミもない。
判ってるのは『
見た目はまぁ悪くないんだろうけど、あーしははっきり言って嫌い。だって同じ顔と体型をした奴がごろごろ居るんだよ? ボッコセー……だったかな。とにかく、自分と同じ顔と体型をした奴がたっくさん居るんだもん。好きになれる理由がないってーの。
……だからあーしは自分を組み替える事にしたし。他の『
こんな
とはいえ、今日は臨時ボーナスがあったのでぇ、今のあーしは気分が良いのです! 前々から欲しかった
あの子、綺麗だなぁとは思ってたけど……まさかこんなに高く売れるとか思わないじゃん?
『8桁の暗証番号を入力してくださイ』
こういう所だけはしっかりしてるんだよねぇ、ウチの
「──
「誰が覗くか馬鹿。 ──
「
思っているより気分がワルワルみたい。普段もちょっぴしガサツでオラオラしてるけど、今みたいに無視ったりするのはあんまし無いんだよね。その理由はちょっち気になるけど、これ以上突っ込むとバチギレしかねないからななぁ。ってか絶対暴力振るうし、そんなんされたらあーし、テンサゲするし止めとこ。
「手術器具よーし、部品よーし」
これで自己手術も何度目になるかわかんないけど、指差し確認は毎回やらないと気がすまないんだよね。確認する事を声に出して、指差しするだけなのにミス減るとかマジ凄いと思う。
「──本当はもっと色々とやりたいんだけどなぁ」
自己手術中は結構メンタル病むから、イケイケな音楽かけてるんだけど限界あるよね。
あ、別に中身が見えるからお気持ちブルーになる訳じゃないのよね。ここじゃ人間の中身なんてしょっちゅう見るし? なんなら親の顔より見たかも知んないってのがチョーウケるんだよね。けどなんかこう……自分らしさってのがなんだろう、とか色々と思っちゃう訳なのよ。
どーしてそんな事を考えるかって言うとさ、あーしはあくまでも、同一規格の看板兎ちゃんなワケ。同じ面、同じ乳、同じケツ、ムチムチの太腿をした客引きオナ──……やっぱなし。それは普通にムカツクんだわ。ってかその呼び方された時、ブチ切れてヒトコマにしたの忘れてた。
「ここで産まれてなきゃ、もーちっと
まぁ小難しい事は後回し後回し。今でも充分自由っちゃ自由何だけどね! 前にマスターから聞いたけど……他の『
けど、あーしみたいな
「にしてもこれ、ちょっち無謀だったかな? 片目だと距離感が掴みにくいとか聞いてねーし」
あの子の目──メッチャ綺麗なんだけどなんか変なんだよね。まだ死んでないっていうか、えーっと……あれだ、鮮度が落ちてないんだよ。ふつーの目なら濁ってる筈なのに、この目玉は全くその気配が無いんだもん。あと神経がちょっと多い気がするんだけど、誤差の範囲って言われればそんな気もする。
「…………んー? どっか接続ミスってるのかなぁ」
なんだかピントの調節がラグい気がする。左右でピント調節のタイミングがズレてるって、はっきり判るとか初めてで草。まぁ時間が経てば慣れるっしょ。
──後は片付けをして、消費した薬剤や器具のリストアップするだけ……なんだけど、ぶっちゃけこれが一番嫌いまである。何をどれだけ使ったのか、照らし合わせる作業が凄く苦手なんよね。マスターからは外傷性の不具合かもしれない、なんて言われたけどちょっと納得いかない。
そもそも死んだ記憶が無いって言うのも違和感マシマシなんよね。前にマスターから聞いたことがあるんだけど、生きているのに自分は死んでいるって思う疾患があるらしいし? もしかしてあーしもそれだったりして……考えたらくっそ不安になるんだけどこれ、もしかしなくても考えない方が良い系じゃね?
……つかマジ
特に地下闘技場のランカー達とかイカれてるよ。イカれてるけれど、あいつ等は信念があるから、最高にロックな生き方してるって思う。ぶっちゃけ憧れたから、あーしも自分が思う美を追求してるわけだし。
「……けど、何処までやったら満足すんのか解んないんだよね。あーしもいつか、本当の化け物になっちゃうのかな──」
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