晋書巻84 東晋末の群雄
王恭1 將來の伯舅
「王恭の人となり、そして家門。後に皇帝の親族として、よくよく国を守るべき男である」
王恭は普段
「別に、良いものにこだわるつもりもないのだよ」
そのシンプルでスマートなこと、おおよそがこのような感じであったと言う。
初任官としては、
「士官したところで宰相になれねば、どうして我が才、我が志を全うできようか!」
このため病と称し、この提示を蹴った。
その後、今度は
王恭,字孝伯,光祿大夫蘊子,定皇后之兄也。少有美譽,清操過人,自負才地高華,恆有宰輔之望。與王忱齊名友善,慕劉惔之為人。謝安常曰:「王恭人地可以為將來伯舅。」嘗從其父自會稽至都,忱訪之,見恭所坐六尺簟,忱謂其有餘,因求之。恭輒以送焉,遂坐薦上。忱聞而大驚,恭曰:「吾平生無長物。」其簡率如此。
起家為佐著作郎,歎曰:「仕宦不為宰相,才志何足以騁!」因以疾辭。俄為秘書丞,轉中書郎,未拜,遭父憂。服闋,除吏部郎,曆建威將軍。太元中,代沈嘉為丹陽尹,遷中書令,領太子詹事。
(晋書84-1)
東晋末のおもしろムーブ名士王恭くんです。なんかもういきなり振る舞いがギャグ。「オレこそが宰相だ!」って本気? ちょっと周囲がちやほやしすぎじゃない?
■世説新語
「吾平生無長物。」
德行44。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054888469663
■斠注
中書令、領太子詹事。
『
孝武帝が王恭を丹陽尹兼太子詹事に任じようとしたとき、王恭はいちど固辞したそうなんですね。その時の書状が残されています。いわく、「陛下が親政をお始めになるにあたり、四方の統治を整えるべきにございます。そのすべてをお取り仕切りになる陛下におかれましては、新たにお役目をお任せとなるものには今この時にその賢才を広く認められておる者であるべきです。どうして臣のような凡才に斯様な大任が務まりましょう」
へ~~~????
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