劉波4 古道に反かんか
臣めは朝廷のものらに忠節がない、などと非難したいわけではございませぬ。ただ各職務に見合った才のものが充てられておらぬため、職務の達成を求めたところで果たせぬ状況が続いている、と申し上げたいのです。
いま政が煩瑣となり、職務もいたずらに多量となっております。あらゆるところに制度疲労が見受けられ、このせいで貯蔵資源も底をつき始めるありさま。お国の指令の行使力も下がり、民草の生活は削られ、流亡が相次いでおります。ざっと戸籍を確認すれば、陛下が即位なされてよりのち、実に三割ほどが逃亡しております。
いま、百姓が胸に抱くのは
昔、
それが今、全く機能しておらぬのです。
佞臣は陛下のご機嫌を伺いつつ「家がヤバいのです」などと言いだして職を求めてくる。陛下もまたそのようなやつばらにいと高き爵位をお施しになる。いにしえは万民のために統治者が立てられましたが、いま統治者のために民がおるようなありさま。そうして佞臣どもに略奪させております。
しかも、汚吏を「清勤である」と称し、循吏を「軟弱である」などととおっしゃる。どうして古の帝王の道に、これほどまで背いてしまったのでしょうか!
臣豈誣一朝之人皆無忠節,但任非其才,求之不至耳。今政煩役殷,所在凋弊,倉廩空虛,國用傾竭,下民侵削,流亡相屬。略計戶口,但咸安已來,十分去三。百姓懷浮游之歎,《下泉》興周京之思。昔漢宣有云:「與我共治天下者,其惟良二千石乎!」是以臨下有方者就加璽贈,法苛政亂者恤刑不赦,事簡於上,人悅於下。今則不然。告時乞職者以家弊為辭,振窮恤滯者以公爵為施。古者為百姓立君,使之司牧;今者以百姓恤君,使之蠶食,至乃貪污者謂之清勤,慎法者謂之怯劣。何反古道一至於此!
(晋書69-4)
自分の下薬害路色読み違いをしていたため、くらすあてね様のご提示に応じ改めました。ありがとうございます! 原文はこちら。
昔、漢の宣帝は「我と共に天下を治める者は良き地方長官である」といい、そうして統治の適正な者には恩賞を加え、法が厳しく治安のよくない者は罰を与えて赦さず、その政治方針が朝廷にあって簡にして要を得るがゆえに、人民は野にあって喜んだのでございます。
ところが今やそうではない。(佞臣は)陛下の機嫌のよいときをうかがい職を求めて「家が苦しゅうございます」などとのたまい、(陛下は)憐れみ与えんとして官位や爵位を施されるありさま。古に(天は寄る辺なき人民を憐れみ)人民のために君を立てられ、君に(民を)治めさせたというのに今や(陛下は)人民に陛下へ与えさせ、佞臣に(民から)収奪させており、あるいは汚吏をば「清勤である」と称し、循吏は「軟弱である」などととおっしゃる。どうして古の帝王の道にこれほどまで背いてしまったのでしょうか。
しかし小説サイトって訂正を残しておくのにマジで向いてないですわね……まぁそりゃ小説サイトだししかたないでしょって感じなんですけど……
蜉蝣
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/1177354055552457177
下泉
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/1177354055579447396
やったー詩経でこの辺やってたとき普通に取り扱ってました! まったく覚えてませんでした! どんだけ記憶力ないの!!!
いやー、しかし激烈、さても激烈。このクソバカ司馬曜、テメエまじいいかげんにしろよをなにはばかることなくつきつけすぎ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます