好きなら関係ない

@arupha

第1話

 僕は如月 亜希、僕は今屋上にいる、屋上に来るのは初めてだった、そして僕は思った、この学校のフェンスは高いと

「うわぁ〜、高いなこれ」

「ねっ、君がそこに立つとより高く見えるね」

「ぎゃあっ」

 そこには、不良少女のような格好をした。僕より背の高い女性がいた。

「どしたの、いきなり奇声あげて」

 少し笑いながら、言ってきた。

「いきなり声をかけられたら・・・」

「そういえば、ここで何かしようとしてたの?もしかして、ここから飛び降りようとしてた?」

「そうじゃないけど、風に当たりたくて、試しに屋上にきたら鍵が空いてたから」

 でもまぁ、否定はしたけど、あながち間違いでなかった。フェンスがもし低かったら考えたのだろうと思ったからだ

「まぁね、そういう時もあるよね、何かあったのこうなる理由とかって」

「うん、それはね、毎日、陰口言われたり、小さいことをバカにされたり、面倒なことを押し付けられたり、断ると殴られたりと色々ね」

「そうなんだ、大変だったんだね」

「こんな話人によってはしょうもないって、思うかも知れないけど・・・」

「そんなことないよ、君がそんなこと言ってどうするの?」

 少し涙を浮かべながら、力強く言っていた

「君、名前は?」

「えっと、僕は如月 亜希っていいます」

「私は霧島 天音だよ、亜希って呼んでいいかな、私も呼び捨てでいいからさ」

「はい、よろしくお願いします、霧島さん」

「呼び捨てでいいって」

「天音さん?」

 なんで、?をつけたの、と天音さんは笑っていた

「まぁ、これも何かの縁だし、私が守ってあげるよ」

「う、うん。ありがとう?」

「なんでまた、?をつけたの」

「ありがとう」

「はい、よろしい」

 満足そうに笑っていた、見た目と裏腹に優しい人なんだと思った。

「そういえば、私は2年4組だけど、亜希は何組?」

「2年3組です。」

「よし、わかった」 

 となれば、まずは行動だね。と言わんばかりに天音さんは、僕の手を引いて、教室まで行き、勢いよくドアをあけ

「たのも〜」

 クラスの人の視線が集まった、僕は怖かった、すると

「大丈夫、私がいるから」

 僕の手をより強く握ってきた

「今日から、亜希は私の男だ、手を出したら、許さんぞ、覚えておけ」

 僕は、自分の顔が真赤になっているのがわかるくらい、顔が熱かった

「えっ、やばくない」などと少し、怯えたような声が聞こえたきた

 天音さんは、そのまま、僕の手を引いて、教室を後にした

「今日は、早退しな。それとこれが私の連絡先な」

「うん」 

 目の当たりが熱くなっていった、触ってみると自然と涙が出ていた

「どうした、どこか痛いのか?」

「ううん、嬉しくて」

「そうか、よく頑張ったな、私の胸を貸してやる、たくさん泣きな」

「ありがとう」

 その後、僕は子供のように泣きじゃくり、気づいたら眠っていた。

「ん?」

「起きたか?」

 目を開けると、おんぶをされていた

「えっと、この状況は?」

「見たまんま、おんぶだよ、おんぶ」

「重くないの?」

「全然、見た目どうり軽いよ」

 これって、男女逆じゃないかなこれ

「見た目どうりって」

「だって、背が小さいじゃん」

「天音さんも小さいって」

「ごめんって」

 天音さんに小さいことを言われても悪い気はしなかった

「天音さん、もう大丈夫そうだから、そろそろ」

「わかった、無理すんなよ」

 怪我をしないようにゆっくり降ろしてくれた。

「そう言えば学校はどうしたんですか?」

 起きてから時間が経ち、少し思ったことがあった

「亜希と一緒に早退したの」

「よかったの?」

「私が早退したことなら気にするな、泣き疲れて寝た奴が何心配してんの?」

「それもだけど、学校で言ったこと」

「あ〜、あれね、あのままの方が効果ありそうだし大丈夫でしょ」

「ありがとう、天音さんって優しいね」

「そうだろ、私はいい女だし優良物件だよ」

 私ってすごいだろ、みたいなドヤ顔をしてて、笑えてきた

「何笑ってんだよ」

「だって、ドヤ顔してて面白くて」

「確かここら辺だろ、家って」

「そうだけど、なんで」

 今更だが、なぜ僕の家の場所を知っているのだろう

「高橋に聞いたんだ」

 高橋は僕のことを心配してくれた学校の先生だ、早退のことも高橋先生がなんとかしてくれたんだとわかった

「おにぃ、帰ったの?」

 妹の小春がドアを開けながら言ってきたのだが。なぜ、小春がもう家に?、学校はどうした?

「小春、今日学校は?」

「えっと、それは、まぁね・・・」

 こいつ、学校サボったな、後で母さんに報告だな

「そ、そんなことより隣の人は、てかどんな関係?」

「私は霧島 天音だよ、亜希との関係はね?」

 ん?なんで、誤解のされそうな言い方を?

「なるほど、おにぃとそんな関係に」

 ほらね、小春は天音さんが僕の彼女だと誤解してるじゃん

「まぁ、亜希の彼女じゃないけどね」

「違うんですか、そうなんですか」

 小春はなぜか落ち込んでいる。

「亜希のお姉さん?」

「違う、中3の妹の如月 小春」

 妹より、背が小さくて、悪かったな、気にしてるんだぞ

「あっごめん、でもそれじゃあ、来年は高校せいか。どの高校行くの?」

「おにぃと同じ学校にしようと思ってて」

「それなら、私とも同じだね」

「そうなんですか、でしたら霧島さん、お姉さんと呼んでもいいですか?」

「そんなことならいいぞ」

「ほんとですか?天音さんみたいな、大人っぽいお姉さんが欲しかったんです。ありがとうございます。」

「でも私のことなんとも思わないの?」

 確かに、天音さんはThe不良みたいな格好をしている。人によっては関わりたくないって思うだろう

「それはね、お母さんによく人を見た目で判断するなって、それに、最近暗かった、おにぃの明るい顔を見たら悪い人じゃないことぐらいはわかりました」

 何も言ってなくても、なんとなく気づかれたんだな。

「そんなに暗かったのか?」

「うん、表情もそうだったけど、なんか、雰囲気がね」

「そうなんだ」

「そうだよ、天音お姉さん、ありがとうね」

「どういたしまして」

 天音さんは嬉しそうに笑ってた、それにつられて小春も笑っていた。

「おにぃ、こんなんだから面倒見てあげてください」

「わかった、よく見張っとくね」

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