第244話 登場人物紹介です! その二

黒「お前らー! 盛り上がっているかー!?」


 うおおおおおおお!!


メ「皆さんー! 楽しんでいますかー!?」


 うおおおおおおお!!

 浅草演芸ホールの満員の客席からの歓声で、劇場全体が小刻みに震えた。


メ「さあ! 登場人物紹介も後半戦に突入しました!」

黒「いや〜まさか前後編になるとはねえ。人数が予想以上に多かったよ」

マ「後半戦はどんな人達が出ますの?」

ア「誰だか知らない人のオンパレードになりませんの?」


 客席から笑いが起きた。


黒「かもしれん! しかしほら、そこは我々のトークスキルで盛り上げていこうじゃないのさ」

メ「ではご主人様、始めましょうか!」

黒「よし! ここからは時系列順に登場人物を紹介していくから!」

メ「はい!」



 ——そりふる堂の奥様。


奥「まあ、ずいぶん賑やかなのね」

メ「奥様!」

黒「えへ、えへへ。今日はこんな騒がしいところまでありがとうございます」

奥「私はこんなおばあちゃんですけれど、洋装店『そりふる堂』の店主をしていますのよ。他にも呉服店、書道教室なんかもやっています」

メ「すごいです!」

奥「そしてメイドロボのルベールのご主人様でもあるの」

黒「羨ましい!」

メ「ご主人様!?」



 ——ルベール。


ル「ルベールと申します。奥様のメイドロボをしております」

黒「うひょー!」

メ「ヴィクトリア朝のクラシカルなメイド服が素敵です! 黒髪を結い上げてキャップの中に収めているのでお上品さが際立っています!」

黒「お人形さんのような美しさなんだよなあ。これぞメイド!って感じだあ」

ル「私は隅田川博士に作られたロボットなんです。ですのでよくわからないギミックが満載ですのよ。空を飛んだりもできます」

マ「百万馬力ですの」



 ——仙人。


黒「えーと? 誰だっけ?」

仙「忘れたのかの」

メ「ご主人様! フリーマーケットでティーセットを売ってくれたおじいさんですよ!」

黒「ああ! ツルツル頭に長い白髭の!」

仙「紅茶を楽しんでおるかの?」

メ「もちろんです! ご主人様と楽しんでいます!」

仙「たっとい!」



 ——近所のクソガキども。


姥「メル子ー! 来てやったぞー! キャキャキャ!」

梅「巨乳メイドロボがなにしてるんだよ〜」

黒「誰だお前ら!?」

メ「近所に住んでいるクソガキどもです。姥捨山爺男うばすてやまじじお君と、梅酒山カク照男うめしゅやまかくてるお君です」

黒「情報がどうでもよすぎる!」



 ——クッキン五郎。


ク「おう、メル子ちゃん! 久しぶり」

メ「私の出店のオーナーである、調理ロボのクッキン五郎さんです!」

ク「俺はイタ飯専門の調理ロボさ。肘から調味料も出せるぜ」

ア「わたくしのお店の向かいだからよく見かけますのよー!」



 ——シャーロッ九郎。


メ「私の出店の共同出資者です! 探偵ロボです! ゲーム仲間でもあります!」



 ——ドカ三郎。


メ「私の出店の共同出資者です! 大工ロボです! お店で使う鍋を作ってくれました!」



 ——ブラックジャッ栗太郎。


メ「浅草一の名医と名高い医療ロボです! ご主人様の病気を診てくださいました!」



 ——アイザック・アシモ風太郎。


風「黒乃サン、メル子サン、ミナサン、コンニチハ。アイザック・アシモ風太郎デス」

メ「先生は私を作ってくれた八又産業の職人ロボです! 他にもマッチョメイドやFORT蘭丸君も作っています!」

黒「偉大な先生のように見えて、しょっちゅうやらかしてるポンコツロボでもあるんだよなあ……」



 ——マッチョメイド。


マ「おで マッチョメイド ご主人様は マッチョマスター」

メ「マッチョメイドは名前の通り筋肉モリモリで身長は二メートルあります。ゴスロリメイド服がとても可愛らしいです!」

マ「おで 和食が とくい 和菓子も つくれる」

黒「見た目に似合わず繊細な料理を作るんだよなあ。パワーでは作中ナンバーワンなんじゃないかな」



 ——桃ノ木桃智もものきももち


桃「黒ノ木先輩の後輩の桃ノ木桃智です」

黒「桃ノ木さんは前にいた会社の後輩なんだよね。会社を辞めた後は、ゲームスタジオ・クロノスに転職して一緒に働いてくれているんだよ」

桃「先輩のためならどこへでもいきますとも。会社ではゲームのディレクションや事務などを担当しています。妹に朱華しゅかがいます」

黒「すごく有能で、うちにはなくてはならない人材だよ」

桃「ハァハァ、先輩。ありがとうございます」

メ「なにか高校時代からご主人様を知っているような匂わせもあります!」



 ——チャーリー。


チ「ニャー」

マ「可愛いですのー!」

黒「ふんふん、なになに。俺はロボット猫のチャーリーだ。好物はスモークサーモンと可愛い女の子。グレーのフサフサの毛並みが自慢だぜ。ロシアンブルーという品種らしい。知らんけど。前は女子大生に飼われていたけど、今はフリーだぜ。愛しのダンチェッカーを射止めるために日々がんばっているぜ。でもハント博士だけは勘弁な! だってさ」

メ「チャーリーはギガントニャンボットのパイロットでもあります! いつも巻き込まれて酷い目にあっています!」

チ「ニャー」



 ——総帥。


総「ニンニク入れますか?」

メ「ロボ二郎の店主です! ニンニクチョモランマで!」



 ——ロボマッポ。


メ「浅草の平和を守ってくれている警察ロボットです! たくさんいます! ご主人様が苦手なロボットです!」



 ——ニコラ・テス乱太郎。


乱「や〜、君達〜ごきげんよう〜」

黒「出たな、変態博士。我々の宿敵とも言えるロボットだ」

乱「私は隅田川博士に作られたマッドサイエンティストロボットだね〜。前世紀にはロボット反乱軍に参加して数々の兵器を開発したんだよ〜。今は世界中のロボットを貧乳交流ロボにするために頑張っているんだよ〜」

メ「やめてください! 絶対貧乳ロボにはなりませんよ!」

乱「ボロアパートの地下にある謎の施設で黒メル子と紅子と一緒に暮らしているのさ〜」

ア「見た目はダンディーなオジ様ですわ」



 ——ビカール三太郎。


ビ「おれがここにいるからだ」

黒「えーと、登山ロボのビカール三太郎ね。富士山に登る時に助けてもらったんだよ」

ビ「死んだら……ゴミだ!」

マ「山言語で喋るから、なにを言っているのかまったくわかりませんの」

黒「サバイバルが得意で、すごいパワーを持っているんだけど、登山が終わると凍りついて動かなくなる」

ビ「足がダメなら歯で歩け」



 ——トーマス・エジ宗次郎。


宗「ワシがトーマス・エジ宗次郎である! 隅田川博士によって作られたロボットじゃ。ニコラ・テス乱太郎は元々ワシの弟子で、思想リビドーの違いから袂を分かったのじゃ」

黒「以降ニコラ・テス乱太郎とは敵同士になったんだよね。一応我々の味方ってことになってる」

メ「巨乳直流メイドロボが大好きなおじいちゃんです!」



 ——エルビス・プレス林太郎。


林「どうもォ! 音楽ロボのエルビス・プレス林太郎でェす!」

マ「実況のお兄さんですのー!」

林「浅草のイベントの実況を担当していまァす!」

メ「わかりやすい実況、ありがとうございます!」



 ——ギガントメガ太郎。


ギ「どうも、おっぱいロボのギガントメガ太郎です」

黒「イベントの解説の人ね」

メ「ご主人様! 作者ですよ! 作者!」

黒「え? そうなの?」

マ「出しゃばりの作者ですの」

ア「キモいですの」



 ——大相撲ロボ。


大「黒乃山、ごっちゃんです」

黒「おお、大相撲ロボ! 二メートルもあるからでかいな!」

大「自分は浅草部屋の力士ッス。これでも幕内ッス。マスターは浅草親方ッス」

マ「お相撲さんですのー!」

黒「この作品では唯一のメシマズキャラだ」

大「そんなことないッス! 美味しいちゃんこを作れるッス!」



 ——ゴリラロボ。


ゴ「ウホ」

黒「ふんふん、なになに。自分は浅草動物園のゴリラロボ。マスターは飼育員のお姉さん。動物園のスターで子供に大人気」

メ「ご主人様をはっ倒してバナナを取る芸が得意なんですよね!」

ア「見たいですわー!」

黒「やめろ」



 ——ディエゴ・マラドー夏の介。


メ「ロボット大運動会に出場していたサッカーロボです! キックがすごいです!」



 ——モハメド・有田。


メ「ロボット大運動会に出場していたボクシングロボです! パンチがすごいです!」



 ——将棋ロボ。


メ「ロボット大運動会に出場していた将棋ロボです! 人間の若い棋士にボコボコにされて引退を考えているそうです! めげないで!」



 ——飛んで平八郎。


メ「ロボチューブ配信の常連リスナーです! いつもありがとうございます!」



 ——ダンチェッカー。


メ「可愛い白猫ちゃんです! チャーリーが愛してやまない生猫なまねこです!」



 ——ハント博士。


メ「チャーリーのライバルである黒猫ちゃんです! 生猫なのにとても強いです! ハント博士とダンチェッカーはツガイです!」



 ——マッチョマスター。


マ「ワレは マッチョマスター マッチョメイドの ご主人様」

黒「短パンタンクトップの大男ね。マッチョメイドと同じくらい強い。どういう人間だよ」

マ「ワレ 浅草で 空手道場 やっている 入門 お待ちしています」

黒「宣伝をすな」



 ——紅子べにこ


紅「アタシくれない

メ「紅子ちゃんです!」

紅「メル子〜、うちきて遊ぶ〜」

メ「紅子ちゃん、今はイベント中ですから! 紅子ちゃんはボロアパートの地下に住んでいる幼女です。赤いサロペットスカートが可愛いです」

黒「紅子は量子人間なんだよね。隅田川博士の娘で、量子兵器によって存在する状態と存在しない状態が重ね合わさった不思議な存在になってしまったんだ。だから神出鬼没だ」

メ「今は黒メル子とニコラ・テス乱太郎博士と暮らしています!」



 ——モンゲッタ。


モ「ブブブブブ」

メ「モンゲッタは別名ワトニーと言います! 熊のぬいぐるみで青と白の宇宙服を着ています。ニコラ・テス乱太郎博士が作ったジャイアント・モンゲッタのパイロットでもあります。元々は夕方にやっているアニメに出てくる敵役のキャラクターなのです」

黒「宇宙服が脱げるとワトニーになるんだよね」

メ「紅子ちゃんのお友達として一緒に暮らしています!」



 ——ロボくまの女将さんロボ。


メ「たまプラーザのお好み焼きの名店『ロボくま』の女将さんです! また食べにいきたいです!」



 ——飼育員。


飼「ゴリラロボのマスターの飼育員です。浅草動物園でゴリラロボと一緒に芸をしています」

黒「はっ倒してバナナ取る芸ね」



 ——女子アナロボ。


女「本日は浅草演芸ホールにきています。早速インタビューをしてみましょう。パン子さん、今日の調子はいかがですか?」

ア「アン子ですわー! わたくしの店にきて、好き勝手レポートして帰っていったとんでもないアナウンサーですわー!」



 ——美食ロボ。


美「女将、ここは本物の浅草演芸ホールか?」

黒「うわ、出た」

美「女将、この私が誰だか知らぬというわけではあるまいな」

黒「はいはい、浅草の高級料亭『美食ロボ部』を経営しているロボットね。各界の権力者達を従える作中一番やべーロボットだ。得意技は食い逃げ」

美「フハハハハ。黒郎くろろう、だからお前はダメだというのだ」

黒「なにが?」

美「お前は本当になにもわかっていないのだな。箸の先を見ろ!」

黒「けぇれ!」



 ——浅草親方。


親「大相撲ロボのマスターです。黒乃山をぜひうちの部屋に迎え入れたい」

メ「浅草部屋で特訓をした結果、ご主人様は大相撲パワーを手に入れました!」



 ——五反田信子、御徒町安子、南千住時子、浜離宮菊子、三ノ輪咲子、小松川丸子、増上寺春子、東駒形照子。


黒「だれ!?」

メ「相撲大会の浅草場所に出場した皆さんです! ナイスファイトでした!」



 ——団子ロボ、ヤクザロボ、若頭ロボ、組長ロボ。


黒「だれ!?」

メ「マヒナさんの鉄拳をくらって更生した社会不適合ロボ達です! しっかり社会復帰してくださいね!」



 ——『ペンション バリル』のオーナー夫婦。


メ「北海道、小樽のペンションを経営している方達です! お世話になりました!」



 ——ヒグマロボ。


メ「北海道の森を守るロボットです! ワトニーを保護してくれていました!」



 高座からヒグマロボが暖かい拍手で送り出された。舞台には再び、黒乃、メル子、マリー、アンテロッテの四人が残った。


黒「ハァハァ、怒涛の五十人終わった」

メ「ご主人様、再びお知らせがあります」

黒「なになに、どしたん?」

メ「また尺が足りません!」

黒「嘘でしょ!?」

マ「さすがに細かく刻みすぎましたのー!」

ア「主要キャラだけでよろしかったんじゃありませんことー!?」

黒「あわわわわわ、アカーン! こうなったら前中後編にするぞい!」

メ「ご主人様! 浅草演芸ホールは昼公演の分しか借りていませんよ!」

黒「今から夜公演も貸し切って! もうなにがなんでも最後まで全員分やる! ちょい役の奴らも絶対に見捨てないから覚悟しておけよ!」


 うおおおおおおおお!

 うおおおおおおおお!


 舞台袖と客席から大きな歓声が渦巻いた。今宵の浅草演芸ホールは灼熱の夜になりそうだ。

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