第174話 企画会議です! その二
黒「では第二回企画会議を始めたいと思います」
メ「はい! 拍手です!」
桃「ぱちぱちぱち」
蘭「パチパチパチ」
フ「……パチ」
黒「この会議はね、我々ゲームスタジオ・クロノスの記念すべき第一作目のオリジナルゲームの企画をみんなで考えていこうではないかという会議でございますよ。前回の企画会議はね、さんさんたる結果だったからね。だから心を入れ替えるために富士山にキャンプに行ったんだけれども」
蘭「悲惨なキャンプでシタ!」
フ「……ボクは楽しかった」
桃「先輩と一緒のキャンプ最高でした」
黒「様々な経験を経て、様々な発想が生まれたと思っております! よし! じゃあもう早速始めようか! 我が先陣を切っちゃると、そういう輩はおるか!?」
蘭「ボクがいきマス!」
企画一、FORT蘭丸『フォートらんまるアップ!』
蘭「ボクが考えたゲームは『フォートらんまるアップ!』デス!」
黒「ほう? どういうゲームなのかな」
蘭「ハイ! ナゼか空に向けて作られた道がありまシテ、それを登っていくゲームデス!」
メ「蘭丸君。登ってどうするのですか?」
蘭「登るだけデス!」
桃「ちょっと意味がわからないわね」
蘭「ひたすら登り続けマス! 落ちたら最初カラやり直しデス!」
黒「そんなゲーム売れるわけないだろ!」
蘭「ヒィ!?」
メ「そうですよ蘭丸君。登るだけのゲームが面白いわけないですよ。落ちたらやり直しではイライラが溜まってしまうではないですか」
蘭「デモそこがイイところ……」
黒「次じゃ次ィ!」
企画二、影山フォトン『ロボのロボビィ』
フ「……ボクが考えたのは2Dアクションゲーム」
黒「ロボビィってのが主役なのね」
フ「そう。ロボビィがね、うふふ。敵を食べるの」
桃「ホラー系のゲームなのね」
フ「食べた敵は吐き出してぶつけることで敵にダメージを与えられるの。うふふ、可愛い」
メ「結構グロいですね……」
フ「それだけじゃなくてね、食べた敵の能力を使うこともできるの。たくさん敵を食べて姿を変えながらステージを進むの」
蘭「イヤー! 星を侵略しにきた捕食者ナノ!?」
企画三、桃ノ木桃智『センチメンタルシロティ』
桃「私が考えた企画はいわゆるギャルゲーです」
黒「桃ノ木さん、ギャルゲー好きだね」
桃「あるとき主人公の元に着古された白ティーが届きます」
フ「……汚い」
桃「その白ティーの匂いを頼りに全国各地を回って白ティーの主を探して絆を深めるという内容になります」
黒「なるほど、白ティーが鍵というわけだ」
桃「そうです。白ティーの形、大きさ、匂い。全てが白ティーの持ち主のヒントになっています。ハァハァ」
黒「いいね、これは売れるぞ」
メ「白ティー需要ってどこにあるのですか……」
企画四、メル子『
メ「私の企画は『刺股男』です!」
蘭「女将サン! マッタク内容が想像できまセン!」
メ「刺股男は壺に入っています」
フ「……壺に入ってたら動けない」
メ「そうです! ほとんど動けません。そこで刺股の出番です!」
黒「どういうこと?」
メ「刺股を振り回すことで刺股男は飛んだり跳ねたりできるのです! そうやって刺股を駆使してひたすら上に登っていきます!」
桃「なにか企画が被っているような……」
メ「落ちたらまたやり直しです! 刺股一本を頼りに世界のテッペンを目指します!」
黒「刺股って誰に需要あるのよ」
メ「ご存じないのですか!? 今原宿に行けばみんな刺股を咥えて歩いていますよ!」
黒「うそこけ」
企画五、マリー・マリー『お嬢様 by お嬢様』
マ「オーホホホホ! わたくしの企画はこちらですのよー!」
黒「うわ! またいきなり入ってきた」
蘭「マリーチャン! マリーチャン!」
黒「あのね、マリー。ここは会社だから出入り自由じゃないんだけど。セキュリティどうなってるの」
メ「古民家ですので古民家並みのセキュリティしかありません」
ア「お嬢様が持ってきた企画を聞かないとお損をいたしますわよー!」
黒「わかったわかった。じゃあ頼むよ」
マ「『お嬢様 by お嬢様』はキラーお嬢様とサバイバーお嬢様四人に分かれて戦う非対称型対戦アクションゲームですわ」
桃「お嬢様とお嬢様だから対称じゃないかしら」
マ「サバイバーお嬢様はキラーお嬢様から逃げながらマップ上にあるATMに札束をぶちこんでいきますの。札束を一億円ぶちこみますと出口が開いて逃げ出すことができますのよ」
メ「キラーお嬢様はどうやって戦いますか? 刺股ですか?」
マ「キラーお嬢様の武器はやっぱり札束ですのよ。札束で頬を張ってもよし、札束が入ったトランクケースの角で頭を殴るもよし」
ア「さすがお嬢様の企画ですの」
マア「「オーホホホホ!」」
フ「……お嬢様って怖い生き物」
企画六、マヒナ『社会不適合ロボ社会不適合ロボパニック』
マ「アタシも企画を持ってきたよ」
メ「マヒナさん!?」
蘭「ヒィッ!?」
黒「なんで企画会議の情報が外部に漏れてるの!?」
マ「アタシの企画はゲームセンター用のゲームだね。
黒「地獄のようなゲームだな」
マ「いや天国のようなゲームだよ。これによって社会不適合ロボは更生して真っ当なロボに戻れるんだからね」
蘭「イヤァー!」
企画七、黒ノ木
鏡「こんにちは! 尼崎から来ました黒ノ木鏡乃です! 中学生です!」
黒「また鏡乃きた。え? 浅草に住んでるの?」
桃「ハァハァ」
鏡「今日は企画を持ってきました! その名も『勇者パーティを追放された悪役メイドはSランクスキルでバヒンバヒン』です!」
フ「ラノベみたい」
鏡「主人公は悪役メイドです! 勇者のパーティに仕えていたのですが、スキルの『お掃除』が役に立たないという理由でパーティから追放されました!」
桃「可哀想に」
鏡「ところがその『お掃除』は実はSランクスキルで、魔王もお掃除できるチートスキルでした!」
メ「すごいです!」
鏡「悪役メイドは辺境でスローライフを送っていたのですが、王都から第三王子がやってきて求婚されます!」
黒「ねえ、これなんの話をしてるの?」
鏡「第三王子と悪役メイドは土下座してきた勇者パーティをスキルでバヒンバヒンした後、魔王城に乗り込んで魔王をバヒンバヒンします!」
黒「バヒンバヒンってなに」
鏡「バヒンバヒンされた魔王と勇者は仲良く月へ追放されます! 第三王子と悪役メイドは王都で仲良く暮らしました! 終わりです!」
桃「ゲームオブザイヤー間違いないわね」
メ「鏡乃ちゃんがんばりましたね!」
鏡「えへへ」
黒「みんな鏡乃を甘やかしすぎじゃろ……」
企画八、美食ロボ『イチャモンII』
美「女将、ここが企画会場か?」
黒「けえれ!」
企画九、黒ノ木黒乃『おっぱいファンタジー』
黒「じゃあ最後は私の企画だね」
蘭「シャチョー! 締めは頼みマス!」
黒「タイトルは『おっぱいファンタジー』ね」
メ「嫌な予感がします……」
黒「プレイヤーは光のクリステルに選ばれた光の巨乳戦士達ね」
フ「……クリステルってなに」
黒「敵は闇のクリステルに選ばれた闇の貧乳戦士だ。光と闇、巨乳と貧乳の戦いを描いた壮大なRPGだよ」
メ「おっぱいのことしか頭にないのですか……」
黒「プレイヤーは好きにジョブを変えられるんだ。
桃「先輩、絶対に売れますよ」
メ「やはり一番しょうもなかったです!」
メ「あれ? ご主人様、なにかプルプルと震えていますがどうされました?」
黒「貴様らーッ!!」
蘭「シャチョー!?」
フ「……声が大きい」
黒「クソ企画ばかり持ち込みやがってー!」
フ「……クロ社長の企画が一番クソ」
黒「こりゃまた気を引き締め直さないとにっちもさっちもブルドッグだぞ」
蘭「シャチョー、まさか!?」
黒「合宿じゃい! 近いうちにまた合宿を行うから覚悟しておけよ!!」
蘭「イヤァー! ブラック企業!」
メ「合宿編第二弾、近日公開予定です!」
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