マジっすか?! 🧙 

上月くるを

マジっすか?! 🧙 





 沖縄周辺に台風が居座っており、しかもかなりな大型でなかなか動く気配がない。

 こういう日は遠く離れた本州内陸部でも四六時中の蒸し暑さがハンパじゃなくて。


 カヨさんが通院している心療内科は緊急患者に備え予約制を採用していないので、三、四時間も待ちたくなかったら、朝七時ごろ行って順番札を確保する必要がある。


 今朝はさいわい二番目だったが、玄関の自動ドアを解除してくださる先生が見えるまで三十分、それもカッコつけて正しい姿勢で立っていたらそれだけで疲れた。💦


 診察帰りにカフェで俳句をつくる予定だったが、とてもそれどころではなく、経験はないけど夜勤明けってこんな感じかしらと思いながら、蒟蒻こんにゃくになって帰宅した。


 で、疲労回復のため温めの湯船につかりながらツラツラ考えたのは初体験のこと。

 といっても遠い昔のソレにあらず(笑)、熟し過ぎてから受けた初体験的衝撃譚。




      🛀




 入門書で基礎を学んでから入会した俳句結社の句会で「水色の絹のパジャマ云々」の句を恐るおそる出したら、すかさず「結構なご身分だね~」辛辣な男声が飛んだ。


 本当は正絹ではなく絹もどきだったのを端折ったのだが、この道ン十年のベテラン会員揃いのなかに単身飛びこんだ最初の反応がこれだったので、少なからず凹んだ。


 それにこのパジャマ、簡素に暮らす娘たちからの誕生祝いだったので、その気持ちまで嗤われたような気がしたが、新人の芽は早々に摘むのが伝統だとあとで知った。


 それでも二回目以降もめげずに出席し、そのつど手ひどい批評を浴びながら我慢を重ねるうちに歳月が過ぎ、気づけばコロナの流行でリアル句会は中止になっていた。


 そして、万年新人(カヨさん以降に居ついた新人なし)の身でメール句会の事務局を任されたのは先輩方がデジタルに弱かったからだが(笑)、ま、それはともかく。


 いまでは俳句は小説やエッセイと共に、全細胞が文学で出来ている(笑)カヨさんを支える柱になっていることを思うと、初回のガツンでやめず本当によかったなと。




      👘




 時間が前後するが、はじめてスポーツジムの自動ドアをくぐったのは四半世紀前。

 目的が腰痛悪化の予防だったので、やるぞ! と意気込みながらもビビッていた。


 駅前のフィットネスが非日常的なオシャレ空間とは知らず初日はジャージで行き、煌びやかなレディス&ジェントルマン会員連に圧倒され、蟻のように縮んでいた。


 少し慣れてからスタジオレッスンに参加してみると、全員がギョギョの超ビキニ。

 半裸のマッチョ女子に囲まれ適当な位置に座っていたら、いきなり腰を蹴られた。


 なんか黒縁メガネの中年男子がすごく怒っているみたいなんだけど、なんなの?

「そこ、彼の位置。オタクだから気をつけてね」となりの人が小声で教えてくれた。


 心身共に鍛えられたカヨさんはいつしか押しも押されもせぬベテランの仲間入り。

 近所の人には見せられない(笑)ド派手ウェアで、激しいリトモスを踊っていた。




     🤸‍♂️




 会社の若いスタッフ連に誘われ、はじめてマラソン大会に出場したのは還暦の年。

 五キロの目標を立てたが、ジムのマシンで試したら、わずか一キロでギブアップ。


 トレーナーの「歳は関係ありませんよ」のエールを受けて少しずつ距離を伸ばし、県内外の各種大会にみんなで遠征するたびに、十キロの自己最高を更新していった。


 走り始めて十分ほど経過すると、脳内にアドレナリンが噴射する瞬間を自覚する。

 気分がハイになり、どこまでも走りつづけて行けるような快感がたまらなかった。


 どの街でもたくさんの市民が沿道で応援してくれ、氷や檸檬れもんをふるまってくれた。有森裕子さん、荻原健司さんなどのスター選手と身近に触れ合えるのも楽しかった。

 

 コロナ以降エントリーしていないが、高価なウェアがもったいないし、過去大会では高齢層のフル完走も珍しくなかったので、収束したら再チャレンジを考えている。


 


      🏃‍♀️




 こうして思い返してみれば、その当時は仰天し、唖然呆然とし、ときにはこっそり泣いたりなんかもしたが(笑)、あとになれば、みんないい思い出で。(@^^)/~~~


 やっぱりアレだよね、異文化の違和感や失敗を恐れて行動しないでいるより、どんどん挑戦したほうが断然いいよね~、する、すれば、すなる、の三段活用で。(笑)


 




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マジっすか?! 🧙  上月くるを @kurutan

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