第14話フライパンに乗るもの

私が子供の頃、祖母の家によく遊びに行った。


祖母とテレビを見たり、公園で遊んだりする時間はとても楽しかったんだ。


そんなある日、私はいつものように母と一緒に祖母の家に遊びに行った。


今日は祖母と料理を作ろうと言うことになり、私はお手伝いをしていた。


母が「料理してるところ写真に撮ってあげるよ」

と言うので、一旦祖母と一緒に写真を撮る。


祖母は右手にフライパンを持ち、左手でピース。


私は右手でピースして写真を撮った。


インスタントカメラだったので、翌日現像に行くことにし、その日は祖母との時間を満喫したんだ。


翌日、現像をしにカメラ屋さんへ。


現像をしてもらった写真を見て私達は絶句した。


料理中の私と祖母の写真。


私の頭がない。


正確には私の頭が祖母の持っているフライパンの上に乗っていた。


私はあまりの気持ち悪さに泣き出した。


母と祖母から「きっとカメラの不具合だよ、大丈夫!」と言われたが、私は納得出来なかった。


その日はなんとも言えない不快な気持ちのまま、祖母の家から帰宅。


でも本当の恐怖は次の日に起きたんだ。


翌日、祖母は包丁で頭を切って死んでいた。


祖母の頭はフライパンの上に乗り、身体は地面に横たわっていた。


祖母の目は見開き、口は大きく開かれていた。


警察によると、事件性はなく自殺とされた。


ただどうやって、包丁で自分の頭を切り落としたかは分からないそうだ。


そもそも祖母には自殺する理由があるとは考えられない。


何者かによる殺害なのか、それとも自殺なのか分からない。


ただ私はあの写真が関係している気がした。


何故私が死ななかったのか。


全てが不気味で不快な事件だ。


私は今でもフライパンに乗った祖母の頭が忘れられない。






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不思議で歪な怖い話 @kaka04

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