第7話 始まって終わった。
「エリーゼ・カタリナ!お前との婚約を破棄する!」
「始まったぞー」
「わー本当にやっちゃうんですね」
それは茶番だったのだ。その場にいる全員、いやその場にいない者も知っていた茶番。これが茶番だと知らなかったのは只一人……正確には二人。この場にいるカレッタと家でドキドキして待つローラだけだった。
わざとらしいエリーゼの態度、吹き出しそうなレオールの顔。そして
「ごめんなさい、ごめんなさい……お姉様……わたし、私どうしてもレオール様の事が大好きなの!絶対頑張る、頑張りますから、許してください、お姉様!」
レオールの後ろで考えている事を大声で喋ってしまっているカレッタ。
「カレッタちゃん、気づいてないのかい?」
「気づいてないねえ」
「あはは、カレッタちゃんらしいや」
この夜会に呼ばれた人々は「事前連絡」を貰った「協力者」だけだったりした。
「わ、わたし、お姉様に負けない素敵な王妃様に絶対なります!」
「私も素敵な国王になれるように努力するよ、カレッタ」
「はひぃ!レオール様大好きーーーかっこいいーーーー!」
そんな婚約破棄の断罪劇がこの国ではあったという事です。その後、この国はちょっとお馬鹿で優しい王妃様と頑張り屋さんの王様に支えられてよく栄えました。
おしまいでございます。
私の馬鹿な妹~婚約破棄を叫ばれた令嬢ですが、どうも一味違うようですわ~ 鏑木うりこ @uriko333
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