014.仲良きことは美しきかな~次の嫁は……~
いつもありがとうございます。
百合は良いぞぉ……ついにガンダムにも百合の波が来ましたね。
そしてメインヒロインは白髪……とてもグッド。
続きが気になります。
と、姉妹百合も嫁同士の百合もいいゾというお話。
――――――――――――――――――――――――――――――――
ユミネが誕生してから、また数日が経った。
オレはブリッジの艦長席に座りながら、ユミネがシラユキに実務的なことを教わっている光景をニヤニヤしながら眺めていた。
「ここは、こうすれば――」
「なるほどです。さすがはユキ姉さまですっ! 教え方もとてもお上手で――」
「ふふっ、そんなことはないですよ。ユミネの覚えが早いから――」
「もしそうだとするのでしたら、それはわたくしではなく主様のおかげで――」
「そうですね、マスターが私たちを――」
……うむうむ。
姉妹仲良く、大変結構だ。
愛しき嫁たち、それもオレの理想を体現したメイドなシラユキと美エルフなユミネが笑顔で顔を突き合わせてキャッキャとしている光景は、それだけでオレの心の癒やしになっている。
夜の方も大変『仲良く』してくれていて、あれから毎晩毎晩オレの目を……どころかいろんなところを楽しませてくれている。
ユミネはオレが思い描いた大和撫子な性格を地で行ってくれていて、昼間はオレや姉であるシラユキを立て、夜になれば積極的にオレを求めてくれている。
そのご奉仕精神はシラユキにも向いていて……シラユキはそれを恥ずかしがりながらも受け入れて……百合百合しくてオレのオレもハッスルしっぱなしだった。
そういえば、元から居住区にと考えていたユミネの部屋はちゃんと作った。
畳は流石に宇宙船の船室には似合わなかったので止めたが、それでも木目調の家具などを配置して色味にも気を使い、木の家の部屋っぽい感じに仕上がっている。
ただ結局、寝るときにはベッドに川の字になっているので、今のところはあまり活用されていないが……それでもユミネは『主様がわたくしのために』と用意した部屋を見て喜んでくれていた。
エエ子やでぇ……。
さて、そんなこんなでここ数日を一緒に過ごして、昼も夜もオレとだけでなく姉妹同士でも関係が良好であることが確認できた。
つまり、そろそろ次の嫁を創っても問題なさそうだということで、オレは2人の作業が区切りがつくまで眺めてから声をかけて話題を持ち出した。
「――というわけで、次は航海長にしようと思う」
『というわけで』も何も、一応姉妹関係に配慮はしているとはいえオレの欲望が第一だ。
次に創ろうとしている嫁に役割を持たせるとしたら……と考えたときに航海長が適任だったというだけで、他に理由なんて無い。
「良いお考えかと思います、マスター。ユミネのお陰で私の『目』も広がりましたし、航海長がいて『足回り』がなんとかなれば、最低限……もし何かあった際でも船を動かすことができます」
「はい。ユキ姉さまのお陰でわたくしも問題なくお役目を果たせそうです」
「あ、ああ……そうだな。うん、やっぱり動けないといざというときに不都合が多いよな」
……理由なんてなかったのだが、シラユキにそう言われたオレはとりあえず乗っかっておくことにした。
「ふふっ……また妹ができるのですね。嬉しいです」
「わたくしにも初めての妹ができるのですね」
「そうだな。2人とも仲良くしてくれているし、オレにも良くしてくれている……新しくできる航海長とも、嫁として、姉妹として仲良くしてくれるとオレも嬉しい」
「「はいっ」」
オレだって別に、この宇宙で生まれ変わったからといって元の常識的な観念が吹っ飛んだわけではない。
普通に考えれば……というか、地球にいたころの常識からすれば『新しい女つくるからヨロ!』なんて言っても修羅場になるか見捨てられるのが当たり前な気がするが、そこはさすがオレの嫁。
2人とも曇りのない笑顔で返事を返してくれた。
「これでまた……いえ、これまで以上にマスターに喜んでもらえますね」
「ユキ姉さまがわたくしにしてくださったように……今度はわたくしが妹の面倒を見てみたいですわ」
「ふふっ、きっと私が感じているように……とても可愛いと思いますよ」
「くすっ、それは楽しみですわ」
多少気を使うところはあるが、このよく出来た嫁たちに囲まれていると……というか既に、オレは元の世界の常識なんて忘れかけているのかもな。
忘れたところで今のところは何も問題はないのだが。
むしろもっと嫁を増やすつもりだから。
常識なんて夢と欲望の前では無力なのだ。
「そうだな……新しく創る妹に、何か希望はあるか?」
「マスターが一番お喜びになる形でお願いいたします」
「そうですわね、主様のお望みのままに」
「お、おう……わかった。明日には取り掛かるとするか」
いやぁ、真っ直ぐな信頼と言うか忠誠心が心地いいなぁ!
オレも嫁たちの主として恥の無いように頑張らなければ。
……今のところ、頑張っているのはベッドの上だけかもしれないが。
い、いずれ良いところを見せるチャンスはやってくる……はず。
真っ直ぐでキラキラした二対の瞳から微妙に目をそらしつつ、オレは下半身に忠実すぎる自分を顧みて反省することになった。
「マスター……そ、その……明日には新しい妹ができるということは……」
オレが『カッコいい主人』について考えていると、顔を赤くしたシラユキがモジモジとしながら何かを訴えかけるかのようにオレに熱い視線を送ってきた。
オ、オレはたった今、自分を戒めたばかりで……。
「あっ……そ、そうですわね……わたくしとユキ姉さまだけで主様にご奉仕できるのは……今夜が最後なのですわね……」
ユミネ、お前もか!
「マスター……」
「主様……」
「……部屋、行くか……?」
「「はい……♡」」
男の甲斐性を見せるのも、大事だよなぁ?
……オレは男の娘だけど。
愛する2人の嫁の前では、オレのなけなしの理性なんてあっという間に溶かされてしまうのであった……。
*****
「はぁっ……はぁっ……ます、たぁっ……」
「んっ、はぁっ……あるじさまぁ……」
今夜も、大変気持ちようございました……。
オレを独占できる最後の夜ということで、2人はいつも以上に積極的に……さらには連携プレイでオレを誘惑して……結局は全員がドロドロになるまでハッスルしまくってしまった。
最後に一際大きく身体を震わせた2人は、ベッドに寝転んだオレに寄り添うようにして息を整えている。
さすがに、今夜はここまでだろう……と思っていると、じきにオレの両隣から安らかな寝息が聞こえ始める。
両手をそれぞれ伸ばして白髪と金髪を撫でてから、オレもそっと目を閉じた。
二人に言った通り、明日は新しい嫁を創る。
ついに、両手では抱えきれない三人目の嫁ができるわけだ。
イメージは既に固まっている。
ポジション的には航海長だが……オレは乗り物全般のエキスパートにしようと考えていた。
タイプとしてはシラユキとユミネとは違って、年下の妹タイプを考えている。
元気いっぱいで姉2人を慕ってくれるような、そんな真っ直ぐな娘だ。
きっとこれまで以上に賑やかになるだろう。
「……おやすみ」
そんな期待を脳裏に描きながらも、今はまだ、この腕の中の嫁たちがオレの全てだ。
改めて感じる幸せを伝えたかったオレは、安心して身を預けてくれている2人を抱き寄せてそれぞれにそっとキスをするのだった……。
――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき
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