第16話 微かな糸口
走り続けてどれほど経っただろう。先の見えない濃霧の中をひたすらに突き進み、曲がり角を用いて道中遭遇して追いかけてくる怪異を撒き続け、気が付けばとある広場の一角にある公衆トイレの影に隠れていた。拾った小さな子どもを挟むように康平と東堂は位置し、いつでも動けるように身を寄せていた。ただ1人康平だけは2人を抱えて全速力で走り続けていたため先程よりも疲弊の色が濃く、肩は上下に動き口呼吸を何度も繰り返していた。
やはり身体能力や体力が並の怪異と遜色ない程になったとはいえ、咄嗟の判断で急激な方向転換や急加速を何度も行えば疲労の溜まり方は尋常ではないだろう。時折上手く空気を吸えず咳き込んで逆に体力を浪費したりと、落ち着くのにも一苦労している康平を見て不意に子どもが立ち、彼の頭を撫で始めた。
「いーこ、いーこ」
「あぁ……ははっ、ありがとうね」
出口や解決方法さえ分からぬ今、ほんのささやかな優しさを向けられるのは無知ゆえか、或いは誰かにそうしてもらった事で心が暖かくなれたのか。精神面である程度の落ち着きを得られたことで、多少の余裕が生まれたのか少しだけ力を入れて姿勢を整えた。
「湖里君、今いいか?」
2度首を縦に頷いて肯定の意思を伝え、それを読み取った東堂は少し下がったメガネを直したあと、彼は疑問に思っていたことを口にした。
「君は、もしかしてだがこの現象のことを何か知っているんじゃないのか?」
「……何でそう思ったか、聞かせてもらっても?」
「最初に気になったのは、この空間に対して異常なまでに落ち着いている様子が見受けられたことだ。本来ならば自身を落ち着けるために、自らの身を守ろうとする癖のようなものが現れるはず……だが君はそのような癖も現れる事なく、それどころかあのバケモノやこの空間に対して冷静さを保っている節さえあった。
そして極めつけは、あのバケモノに対してやった事だ。あの時、君は単に腕を伸ばしている訳では無かったのだろう。自分の脚を掴もうとしていたバケモノの……そう、動きを止めるかのような感じがしていた。実際バケモノには自分たちの準備が終わる前に襲いかかる時間は十分にあったはず、それなのにだ。
湖里君、答えてくれ。君は一体、何を知っている?」
康平は両瞼を閉じ、暫くの間沈黙する。伝えるべき情報の取捨選択を彼はしているのだ、勿論東堂からしてみれば納得しがたいと思うだろう答え方で。康平は全てを伝えて怪異退治に巻き込んでしまうことに、今更ながら抵抗感があった。
(何を今更迷っている。今後の協力関係を結ぶのか、結ばないのかで決めれば良かろうものを)
駈剛の言葉が頭の中で
「……本来なら、こんな事はすぐに忘れて普通の生活を過ごしてほしいって思うんだ。でも、そう考えているのは僕の勝手なことで、東堂君が今のこの状況に対して知る権利を無視したくないって思う僕が居る。
だから、これは君が選んで欲しい。何も知らずにただ仮初の平和の中で、何も分からないまま生きるのか。全てを知って命が奪われる理不尽と相対する恐怖に晒されながら、僕らと共にこのおぞましい真実と向き合い続けるのかを」
「……因みに、君のオススメはどっちだ?」
「前者」
「分かった、なら後者を選ぼう」
即答され一瞬だけ拍子が抜けてしまった康平は、ここまで念押ししたにも関わらず毅然とした様子を保った彼に言葉を失いながらも、軽く咳払いをして緊張感を取り戻してまた問う。
「何でか聞いても?」
「ただ純粋に知りたい、というのは勿論ある。不可解な現象、フィクションの世界でしか見られないようなバケモノ、それが何か知っているだろう君。正直恐怖もあるが、好奇心が勝ってしまう。その知る機会を自分は逃したくない。それと……」
東堂は先ほど康平が助けた少年を一瞥する。まだ体力、知能、情緒が育ちきっておらず、3歳ぐらいだろうと予想できる幼い子どもだ。ただでさえ東堂は自身が彼の負担になっていることを自覚しているが、それに加えて少年という枷も追加された。言い方はあれやもしれないが、お荷物が増えたのだ。視線を少年から康平へと移しながら彼は淡々と述べていく。
「自分らが負担になっている事は百も承知だが、君1人で事にあたるよりも互いに協力関係を結べば解決に至れるだろうという考えだからな。何も知らされずにお荷物になるぐらいなら、自分は湖里君の言うおぞましい真実に向き合うことを選ぶ」
「……良いの? 事態が解決するまで、東堂君は否が応でも付き合わなきゃいけないけど」
「君が守ってくれるだろう?」
「中々無茶言うね。そのつもりだけど」
「なら決まりだ。まずはここからの脱出を優先しよう、君の知っている情報を教えてくれ」
「分かった。じゃあ最初に──」
康平は東堂に自身の持ち得る情報を伝える。このような事態に巻き込まれたことが2度あること、この事象を解決するために現在ある協力者と共に活動していること、そしてこのような事態に遭遇して尚協力関係にある人物が2人居ることを言い終えたところで東堂は幾つかの事を訊ねた。
まず1つ目に、協力者はその2人だけなのかということ。言い方に含みがあると感じたらしく、その辺りの事情を正直に話してほしいという点。2つ目に、あの時バケモノに対して腕を伸ばしていた行動について。意味も無くあのような行動をするなど考えにくく、今の今まで予想していたことである仮説が思い浮かんだが、それを康平自身から教えてほしいと言って、尋ねられた本人は1つ息をつき順番に答えていく。
東堂の予想通り、協力者は2人だけではなく康平に取り憑いている元土地神の鬼がいると伝えた。最初は要領を得なかったのか疑問符を浮かべていたようだが、実際に康平は手のひらから眼が現れてくる様子を目の当たりにし、一瞬声を出して驚きそうになりながらもなんとか声を押し殺してまじまじと彼の手の中に生まれた眼を見た。少年の方もその眼を見て何を思ったか触ろうとしたが、すぐに駈剛が引っ込めたのでもう一度出してとせがみ始める。駈剛に向けて適当に目を出し入れしておいてほしいと頼み、面倒だとぼやいていたものの幾らかの説得をし続けていると渋々ながら、目をモグラたたきのモグラみたく出し入れして少年の注意を惹き始めた。
康平は少年を手招きし膝に座らせてどこかへ行かないようにした後、2つ目の質問に答え始める。
「で、2つ目の質問の答えなんだけどさっきの怪異……あの時のバケモノみたいなヤツの総称なんだけど、その怪異にやってたことだよね」
「あぁ」
「そうだね。説明するのは別に難しくないんだけど、実際に体験してみたらより分かりやすいかも」
「体験?」
(やめろ、無駄な労力を使うな)
「……駈剛に
「はぁ、まぁ構わないが」
「じゃあ気を取り直して。あの時、怪異に使ってたのは“行動を強制させる力”でね。言葉の通り、対象に向けて使うと相手の行動をある程度自分の思うように操れるのさ。で、あの時は停止命令を出していたんだけど、使うとかなり体力を持ってかれるみたい」
「成程……ん? いや待て、少し良いか?」
「良いけど、なに?」
「湖里君、さっき持ってかれるみたいと言ったな。まさかとは思うが先程のあれは、あの時初めて使ったのか?」
「……そのまさかです」
「よく使おうと思えたな」
「いや、怪異を吸収して目玉が出せるような肉体になったから、退治した怪異に因んだ力を発動できるって確信はあったんだよ。ただ行動の強制なんて力、そもそも使う機会が無いしさ」
康平は若干参ったように、ぎこちない笑みを浮かべながら左手を右頬へと持っていき軽く掻いた。彼の言い分に対して“それもそうだ”と、“いや使う機会なんて幾らでもあるだろう”と思った東堂であったが、その思考とそれに至った理由は言わないことにした。
「それで、他になにか訊きたいことはある?」
「まだまだたくさん、だが今は自分の疑問を解決するのはこれぐらいにしておく。本題はどうやって脱出するかだが……湖里君の所感を聞きたい」
「所感ね……まだ脱出する方法とか、怪異の正体なんかも色々と分かってないけど」
「脱出に関係があれば何でも良い、今はあらかじめの予想が必要な状況だからな」
「分かった。とはいっても、霧に関する怪異ね……この事象に関わったのがつい1ヶ月前で、詳しいことは分からないから霧に関係しているってことしか分からないけど」
「霧か」
「あと分かんないのは、今僕らは何の遊びに巻き込まれてるかってところなんだよね」
「遊び?」
「うん、遊び。今まで出会った怪異は、何かしらの遊びをしながら人を喰らったり、殺してたりしてたから。1番最初に倒した怪異は“かくれんぼ”、2番目に倒したのが“かごめかごめ”だったから、今回も何かしらの遊びなんだけど……」
「おにごっこじゃないの?」
康平の膝に座らせていた少年が言った。確かにあの無数の怪異に追いかけられていた為に鬼ごっこなのではと想像がつきやすいが、それは康平の中にいる駈剛によって否定された。
(それは無い。鬼ごっこの権限は俺様が所有している、他の怪異が手に入られることなど出来はせん。同様に俺様も鬼ごっこ以外の遊戯は出来ぬ)
「……鬼ごっこにも種類はあるよな、高鬼とか影鬼とか。それはどうなる?」
(どうもこうも、鬼ごっこを基礎としている派生形も俺様が使えるようになっている。面倒だから使いはせんがな)
「あぁ、そう」
「さっきのは、言っていた鬼と話していたのか?」
「そう。駈剛の話だと、鬼ごっこではないみたい。それぞれの怪異に1種類の遊びが所有されるって話」
「1種類の遊びを所有する……なるほど。では鬼ごっこは、がごうだったか。その鬼が所有しているために鬼ごっこではないということだな?」
「それであってる」
ここまで話が進んでいたが、結局のところ今現在康平らは全く別の遊びに巻き込まれている事実が判明したのみであり、何か進歩がある訳では無い模様。暫し考えて無言を貫いていた3人であったが結論の出るものでは無いため、今度は東堂から話題が提供された。
「今はこの事について考えても仕方ないな。ではこっちの方で判明したことを幾つか言っても?」
「何が分かったの?」
「先程見せていた掲示板を読み進めていたんだが、このスレを立てた人物は書き込み中に奇妙な場所に辿り着いたようだ」
「どんな?」
「見れば、最初は鬱蒼と生い茂る木々の中を歩いていたらしい。方向感覚が分からないまま歩き続けていると、大きな池がポツンとある開けた場所に出たとある。そしてその池の周りに無数のバケモノが徘徊していたとも」
「池? この辺りに池って……覚えてる限りじゃ無かったはずなんだけど」
「それについては同意見だ。見た感じこの空間は現実世界とほぼ同じなのだろうが、この東区に大きな池は無い。あったとしても北にある
「この領域──今居るこの空間特有のもの、ってこと?」
「の、可能性はある。現状の最有力候補と考えられるだけだがな、そも住宅街の辺りでこの空間に入って来たことを加味すると参考元と
「だとすると……うーん、一体どうなってるんだ? 此処」
うんうんと唸りながら答えの出ぬまま滞る状況が続き、どこか諦めが混じり始めた康平は不意に自身の携帯を取り出し電源をつけた。52%の充電量のそれに設定したパスワードを入力し、画面を開くとSNSのほうでメッセージがあったため確認していく。
送信時刻は14:15と14:32、内容は順番に
「分かった、今から調べてみる」
「東区で調べてみる。何か分かったら連絡するから待ってて」
この2件のみであったがその内容から頼もしさを感じたのも束の間、送信時刻を見て康平は違和感を覚え上へとスクロールして何かを穴があくほど調べた。そして東堂に訊ねる。
「ねぇ東堂君、ちょっとその掲示板を見せてもらっても?」
「何か分かったことでもあるのか?」
「ちょっと気になった事があって、その掲示板のコメントの送信時刻ってどの辺を見れば?」
「名前欄の隣にある、そこを見ればいい。どうぞ」
「ありがとう」
彼の携帯を受け取り、コメントの送信時刻を見る。反応されるまで若干の時間差はあるものの、平均して2〜3分と早い。それと比較するように先程届いたメッセージの送信時刻を見比べてみると、ある違いに確信が得られた。
「やっぱり、何かおかしいと思ったら」
「何か分かった事でも?」
「メッセージが届くまでの時間の差、この掲示板のコメントとか普段のメッセージでのやり取りを見てたら、基本そんなに間が空くことは無いんだけど……この空間に入ってやり取りするとタイムラグが生まれるみたい」
「なんだって?」
「これを見て」
そう言って康平が見せてきたのは先程のメッセージのやり取り画面、14:15と14:32に送られてきたものとそれ以前のものとの送信時刻を東堂も見比べてみた。確かに比較すると送信時刻の差はあるが、彼はこれに違和感を持っていなかった。
「確かに送信時刻に差はあるが……これがどうしたんだ?」
「僕と晴彦君のやり取りだと、いつもメッセージの送信時刻は大体5分以内に収まっているんだ。勿論メッセージに気が付かなくて返事が遅れる時もあるけど、携帯に表示されてる時間帯からして晴彦君がすぐに気が付かない筈がないんだ。それに何かあった時、すぐに動けるように音とヴァイブレーションが出るように設定してる。そこまでして気が付かないって事は有り得ない筈なんだ」
「……もし仮にタイムラグがあるとして、なぜ掲示板の方も見たんだ?」
「ほぼノータイムだったんだよ、このコメントが表示された時間帯が。1分とかそのぐらい」
「まあ不特定多数の暇人が見ている訳だからな、至って当然の事だろうけど」
「もしこの空間ではメッセージのやり取りにタイムラグがあるとしたら、この早さは本来有り得ないことなんだ! この掲示板を立てた人のコメントも他の人が送信したコメントも全部タイムラグによって本来想定された時間に送信されてないにも関わらず!」
あの怪異に気付かれない程度の声量でそう熱弁した康平の発言を東堂は数瞬の間を使って考え、気付きの表情へと変わった。東堂に携帯を返し自身の携帯を仕舞うと次に康平は駈剛に尋ねた。
「駈剛、もし仮にこのタイムラグがあったとして、なんでこの掲示板にはそれが無いのか、知ってることはない?!」
(単なる気の所為だと思うのだが)
「いいから、ほら!」
(えぇい面倒臭い! 大体俺様はそんなものとは無縁の生き方だったのだぞ! 不特定多数の人間が見られる機能など今知ったのだから、掲示板とそれの違いが分かるわけ────ん?)
と、駈剛が何かに気付いたように口を止めて考え始めた。そしてその何かの正体に納得したのか、突然康平の頭の中に駈剛の笑い声が響く。うるさくて堪らなかったようで、咄嗟に康平は自身の両耳を塞いだが無意味に終わった。
(成程! 成程! そういう理屈だったか! これは良い! 現代だからこそ出来る芸当ということか! ハハハハッ!)
「頭が……いやそれより、何か分かったの?」
(応とも、この駈剛一切合切何もかも理解したわ!)
「だからうるさっ」
(そこの東堂に伝えろ、この空間を脱出する手立てはこの駈剛が見出し……ん?)
「今度はなに?」
(……おい小僧、今すぐそのガキから離れろ)
「えっ?」
(今すぐだ、それを膝から降ろして離れろ)
駈剛の声色がすぐに変わり、一体どうした事かと康平は少年の方へと視線を向けて、それにつられて東堂も同じように視線を動かした。何やら俯いて力なく項垂れている少年にどこか不可解なものを覚えた為、康平は声をかけた。
「どうした? 黙っちゃって」
「おにいちゃん」
「ん?」
「──おにいちゃん」
「……ん?」
一抹の不安が過ぎる。抑揚のないオウム返しに2人は何か異変が起きているのではと思ったが、それはすぐに判明する事となる。
「おにいちゃん。おにいちゃん。
おにいちゃん。おにイちゃん。
おニイちゃん。おに、イチャン。
オニイチャンおにいちゃんオニイチャンオニイチャンおにいチャンおニイちゃン鬼威チャん雄に位置ャん
突如狂ったように同じ言葉を繰り返した少年を、康平は咄嗟に膝から突き飛ばし東堂を連れて距離を取った。少年は地面に手を付くこともなく只管に同じ言葉を繰り返しながら、そのままの状態を維持し続ける。
やがてその少年の言葉が止まり、僅かなあいだ静寂がその場を占めたものの少年が頭を動かして、2人の方へと顔を向けた。そしてようやく駈剛の言った内容に康平は気付く。
少年の顔が2人を捉えた途端、少年のつぶらな2つの目が勢いよく1つに融合し、眼球が突出した。次第に少年の腕が伸び始めていくと、それに合わせて脚が短くなっていき肌の色があの怪異と同じ灰白色へと変化していく。髪はゆっくりと固まっていき被り物のような形へと変わり、異様なまでにつり上がった口角の笑みを浮かべた直後、女性のような甲高い叫び声が辺りに広がった。
「東堂君掴まって! 早く!」
一も二もなくすぐに東堂はしがみつき、康平は彼を抱えてすぐその場から逃げ出した。体力が若干回復しているとはいえ全速力で走れるのも時間の問題だろう、そんな不安が康平の思考を支配した。そして衝撃の事実を目の当たりにした東堂は呟く。
「まさか、あれは全て人間だったものとでも言うのか?!」
「だとすると、この空間に居続けるのは……!」
(不味いだろうな。お前は俺様が居るだろうからその心配は要らんが、問題は)
「ッ、湖里君前!」
認識できる5mの範囲内に、ぞろぞろと這いつくばりながら迫る人間だったモノ達が12体。また見えはしないが後ろから追ってきている音も複数しており、挟み撃ちの形となってしまった。すぐに康平は方向を切り替え逃げ続けるが、行く先々でその人間だったモノが立ちはだかり急激な方向転換を繰り返せざるをえない状況になっていた。
そうして何度も何度も康平に負荷がかかり続け、視界に入った人間だったモノを飛び越えて着地した途端、康平のバランスが右側へと崩れた。すぐに持ち直したが、同時に苦痛の表情を浮かべる。
「ぎっ!?」
「湖里君!?」
「だい、じょぶっ!」
(嘘をつけ馬鹿者! そのまま走り続けると悪化する!)
「……! 駈剛ッ、オレの行動を強制して走らせろ!」
(先ほど言った事が聞こえなかったのか戯け! 早く其奴を降ろして逃げろ!)
「今そうしたらオレも東堂君も捕まりかねない! 逃げられる可能性が少しでもあるのなら、そっちを選べ! このままむざむざと捕まって全てが水の泡になりたくないなら!」
(このっ……頑固者め! )
駈剛は言う通り、ぶっつけ本番ながらも康平の行動を強制し無理やり走らせた。地に足が着くたびに右足の痛みが酷くなっていくが、歯を食いしばって堪えながら人間だったモノから逃走し続けていくのだった。
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