心ある者として
仲仁へび(旧:離久)
第1話
最低だと思った。
その男たちを許すことはできそうにない。
私は長い間生きてきた。
そこらの人間よりも余程。
長命の種族だからな。
この人生の中で様々な人間を見てきたのさ。
人間はいつも善であれ、と考えているわけではない。
しがらみや、大切なものの存在で、容易に悪に染まってしまうのが人だと、私は理解している。
しかし、その男はそういった例からは逸脱していた。
ただ、ただ悪なのだ。
「逃げた子供を殺せ。とにかく見逃すんじゃないぞ」
とある種族を根絶やしにしようとしている男たちが、私たちの森へ入ってきた。
その男から逃げる子供達も。
私たちエルフの里に大勢逃げ込んでくる。
「たすけて」
「お父さんとお母さんが、私たちを逃がしてくれたの」
「でも、そのかわり目の前で殺されちゃった」
泣きわめく子ど子たちを見て、必要最低限の他の種族と関わる事のなかった私たちは、立ち上がらざるを得なかった。
エルフは閉鎖的な環境に身を置くのが常。
しかし、この状況では……心あるものとして、見捨てることなどできない。
「神の子孫である我々に逆らった種族など、一人残らず根絶やしにするのだ」
私たちは弓をとった。
心ある者として 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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