『なつがすみ』の後書き

藍さえ

第1話

 『なつがすみ』を読んで下さった皆さん、ありがとうございます。

この作品は、人間関係の複雑さとすれ違いを描いた作品です。

言ってしまえば作者はあまり、人間関係は得意な方ではないです。

だからこそ書こうと思ったのかなと今思います。


 かすみは、内向的な性格に対し、はなは、外交的な性格。

正反対な二人だから食い違うところもあるだろうし、お互いへのアプローチの仕方も変わってくると考えています。逆に正反対だからお互いの駄目な部分も補い合えるし、逆に良い部分も引き伸ばせる瞬間があるはずです。


 ここで例を出すとすると、

類は友を呼ぶということわざがあります。

私はこのことわざが全てではないだろうと考えています。

似たもの同士で集まったら、感性が似ているので確かに生きやすいです。

ですが、似たもの同士ではないからこそ得られるものって大きいと思うんです。

A子ちゃんと一緒にいると楽しいけど、刺激はあまりないな。

B子ちゃんと一緒にいると刺激はたくさん貰えるけど、少し気まずいな。

楽しさを求めるか、自分一人じゃ得られない新しい感覚を求めるかのどちらかが、人間関係の構築に大きく響くと考えています。

簡潔に言えば、人によりけりです。どちらも取る人もいれば、どちらしか取らない人もいるし、どっちも取らない人もいます。


 この物語では、類は友を呼ぶの正反対バージョンで作成しました。


 かすみが自分自身の心と葛藤し、友人の大切さと感謝を通し成長していく瞬間を描けていたら幸いです。

 ちゃんと見てくれている人はいるから、自分が一人きりだとは思わないで、劣等感に苛まれたら自分を自分で大切に。自分の言葉で今の気持ちをかみ砕いていけばきっと心の整理ができると思います。

 みなさんの人生がより一層色鮮やかになることを願っています。


P.S.

 『なつがすみ』という題名は

 夏が終わります。そして…  という意味と

 夏霞            という二字熟語の意味をかけて名付けました。

 (主人公の名前もここから取りました。)

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『なつがすみ』の後書き 藍さえ @nanohana78

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