最終話 新たな人生……

 ……


 旅から帰った俺は、旅先で七瀬ちゃんと話したことが忘れられなくて、その影響か自然と、子どもたちと触れ合える職業を意識し始めた……


 子どもたちと触れ合える仕事と言えば、小学校の教師や幼稚園。保育園が代表的に成って来る。

 だが、現実的に俺が今から、教師への道を目指すのは無謀で有る。


 そして俺は、教師や保育園の先生を目指すより、学童保育へ強く興味を持ち始めていた。

 学童保育なら、まだ自分の力で叶えられるのと、気軽に子どもたちと会話をしてみたいと感じていた。


 だが、残念なことに、俺の住んで居る近隣の学童保育施設では、俺が学童保育指導員に成るための必須資格を持っていないので、そのスタートラインすら立たせてくれない。

 学童保育指導員に成るには、最終的に専門の資格が必要に成るのだが、その前準備として、教員免許や保育士資格などが必須と成って来る。


 俺が今、手っ取り早く学童保育の道へ向かうには、保育士資格を取得するのが一番の最短ルートで有った!


 俺は実家暮らしのお陰で、家賃・食費などは心配しなくても良いし、貯蓄も有る程度有るから、保育士養成学校に行くことが出来れば、かなりの確率で保育士資格を取得することが出来るだろう!


 そして、俺の両親も多分、俺を応援してくれるだろう。

 俺の人生は冗談抜きで、180度変わり始めていた……


 ☆


 数年後の時が流れて……


 俺は無事に国家資格となる、保育士資格を取得することが出来て、念願の学童保育指導員に成ることが出来た!

 子どもたちに宿題を教え、時には一緒に遊んだり、悩みを聞くことも有る。

 子どもたちは時に、残酷なことを俺に言ってくれるが、前職と比べれば遙かに気楽で有った。


 職場にも恵まれて、他の指導員さん達とも楽しく仕事が出来ている。

 だが、その分。給料はかなり下がってしまったので、念願の職業に就けたは良いが、何処まで働けられるのだろうか?


 それに、俺が男性と言う問題も有る。

 上手にキャリアアップをしていかないと、この世界に留まることは年々難しく成って行くだろう……


 ……


 俺があの時。七瀬ちゃんに話し掛けていなければ、今の人生は無いだろう。

 そうだとしたら、俺は今頃何をしているのだろうか??


 あの時の、七瀬ちゃんは既に小学校を卒業して、ますます美少女に成っているだろう?

 会って見たい気もするが……叶わぬ夢だろう。


(決まったレールなんて、有るようで意外に無いんだな……)


(七瀬ちゃん!)

(俺の人生を変えてくれて、ありがとう!!)


 俺はそんなことを感じながら、今日も学童保育指導員のお仕事に励むので有った!


 ……


 ☆とある少女の出会いと別れ☆


 おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

とある少女の出会いと別れ 小春かぜね @koharu_kazene

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説