今日君に、永遠の愛を誓います

星合みかん

今日君に、永遠の愛を誓います

 君と出会ったのは、大学一年生のとき。たまたまバイト先で出会って、意気投合したのがきっかけ。君に告白されてお付き合いが始まりました。私は初めての彼女だったらしくて、初デートのときは緊張でガチガチだったよね。「上手くエスコート出来なかった」って君は凹んでたけど、私は全然気にしてなかったよ。君が私を想って一生懸命になってくれているのが伝わって、すごく嬉しかった。そんな君に、実は惚れ直していたり。デートを重ねる度に逞しくなる君を隣で見てるのも、私は好きだったよ。

 社会人になって同棲を初めてからは、仲が深まる反面、ちょっと喧嘩することもありました。大抵は些細なことで始まって、すぐ仲直りしてたんだけど。でも一回だけ、破局の危機と言っていいほどの大喧嘩をしたのを覚えていますか。忘れたとは言わせないよ、私がお兄ちゃんと歩いてるところを見た君が、浮気と勘違いしたのが原因なんだから。いつもの喧嘩は私の小言から始まっていくのに、急に君が部屋まで怒鳴り込んで来るからビックリしたよ。弁解しようとしても君は聞いてくれなかったから、私もつい頭にきちゃって、無駄に大きな喧嘩に発展させてしまいました。あのときはごめんね。でもその喧嘩から、私たちの距離はもっと近くなった気がします。

 プロポーズされたのは、ちょうど一年前の今日。お付き合いを初めて六年目の記念日でした。ちょっとだけお高いレストランで食事を終えた後、指輪を差し出して。嬉しいはずなのに涙が溢れて止まらなくて、君を困らせてしまったね。私、正直なところ結婚はまだ先だなって考えてたの。まだ社会人二年目だったし、お互い貯蓄もないと思ってたから。でも君が、結婚のためにコツコツ貯金していたのを知ったときは、余計な心配だったんだなって、良い意味で拍子抜けしました。同時に、この人となら大丈夫だって、また安心させられました。ありがとう。

 今日こうして、純白の綺麗なドレスを身に纏えること、お世話になった人たちに結婚の報告ができること、本当に幸せです。

「すごく綺麗だよ」

「君だって、とってもカッコいいよ」

 健やかなるときも、病めるときも。喜びのときも、悲しみのときも。富めるときも、貧しいときも。敬い、慰め合い、共に助け合い、この命ある限り、君に真心を尽くします。

「俺と生きる道を選んでくれて……本当にありがとう」

「私こそ……不束者ですが、これからもよろしくね」

 今日君に、永遠の愛を誓います。

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今日君に、永遠の愛を誓います 星合みかん @hoshiai-mikan

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