僕の前を歩く君
七味豚肉
僕の前を歩く君
いつも僕の前には君がいた。
僕の隣には誰もいなかったし、僕の後ろにも誰もいなかったけど。
僕の前にいる君は僕にとっての道だった。道しるべだった。
僕が当てもなく暗闇を歩き回っていた時、君を見つけた。
君は僕から勇気を奪った。
そして仲間をくれた。
失うものがなかった僕に、君は失いたくないもの、命より価値のある仲間をくれた。
僕はそれから初めて正しくなった。
今僕には彼はいない。
けど僕は一人じゃないし、僕の隣には友がいる。
彼らのために張る命はないが、彼らとともに命を張ることはできる。
僕はかつて君と、君が与えてくれた仲間ともに過ごした日々も大好きで、大切だけど、今の友との関係は僕に勇気をくれるんだ。
その勇気はかつて失った勇気とは別の何か。
たぶんともに進む力、友情からくる勇気なんだと思う。
君たちと仲間だったときは勇気が必要なかった。
でも今は勇気が求められる。
皆が求めてくれる。
そして僕もまた皆に勇気を求める。
皆が勇気を持てる今の関係もとっても大切にしたいんだ。
だから次会う時の僕と君の関係は昔のようには戻れないだろうね。
でも、それは悪くないんじゃないかな。
だから次会った時には君の隣に並ぶよ。
僕の前を歩く君 七味豚肉 @shichimibutaniku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます