第3話 日曜日の買い出し

ガクは、平凡なサラリーマン

会社は中小企業で従業員は200人ぐらい

一応 正社員で頑張っている


休日の日曜日

ハンドメイドで、レジン製作をしたいので

YouTubeでみた100円ショップでグッズを

買いに行くことにした


というか、もうネットでUV照射器注文して

しまったので…

「やるしかないよね〜

 失敗してもいいように、可能なかぎりお金

 かけないようにしないと」

自分に言い聞かせながら、玄関の扉を開けた


ガクの頭の中で、葛藤がはじまった

「50過ぎて何やろうとしてるの?

 中学生がやりはじめるようなものなのに

 それも女子ならわかるけど_」

「作ってどうするの?

 バッグにつける?

 おじさんがつけてるの想像すると怖いよ」


 ガクはいろいろ想像してにやけてしまった

「我ながら気持ち悪いな~

 まあー い-か」


田舎に住んでいるので、買い物はクルマで

行くしか手段はない

バス?電車?

そんな文明の利器はない、利便性が悪い地域である


愛車は、ダイハツのハイゼット

軽自動車の1BOXカーで

社有車と間違えられるホワイトカラー

単純に荷物がのるから便利だから買ったので

格別に思いれがあったわけではない

車体が軽いので横風に弱いのが弱点だが

まあ、誰にでも弱点はあるさ


クルマを運転して15分ぐらいで到着した

「よーし、買うぞ」


ここでまたガクは悩んだ


「レジンとか、作る型の入れ物、パーツは

 女性がたむろってる場所だよね」


「これはまずいじゃない?

 おじさんが中に入ってウロウロしてたら

 変質者と思われたらどうしよう…」


けど、作る意思が高いというか、

UV照射器注文してしまったので使わないと

いけない使命感の方が強く、100円ショップに

入った


「どこだろ〜」


店内をまわってみた

「多分、裁縫関係の方だよね

 ここなら、まだ近寄りやすいからあればいい

 よね」


広い通り沿いに見えた

「ここにあればいいな」

見慣れない場所なので、探すのに時間がかかる

しばらくすると…

中学生ぐらいの女の子と、母親らしき2人がこちらに歩いてきた

やばい、私の射程圏内に入った


ここは、裁縫好き男子のフリをするしかない

おもむろに、近くにあった針のセットを

手にとり…

うーん違うなぁというモーションをして、元の

場所に戻した

周辺には布地系があったので、この場所には

ないと判断して、他の場所に移動することにした


親子は少し怪訝そうな感じだったが、知らないフリ

をして歩いその場から逃げた


なかなか見つからず、ウロウロしすぎたので、

ついでに買おうと思ったウェットティッシュとか

文房具とかを買い物かごに商品をいれながら作戦を考えた


さすがにアクセサリーとか化粧品関係の場所にはいけない

だって恥ずかしいし、変態おやじと思われても否定はできない


「うーん、どうしよう」

ガクは胸がどきどきしてきた


工作系だから、多分大丈夫!

勇気をだして、もう1回見てみようと重い腰をあげた


裁縫関係の置いてある棚の裏側棚にビーズ系があった

「なんかいい感じ、ありそうだ」

と思っていると


今度は、小学生ぐらいの女の子が一人歩いてきた

うきうきしながらビーズを探しにきたようだ

その女の子は、私がいるのをみて一瞬足が止まった


「やばい!警戒されてる

 小学生の夢を踏みにじってる

 すごく悪いことしてるみたい…」


ガクは、レジンがないことを確認しながらビーズ系の棚

から離れた

少し諦めモードに入りながら、その角を曲がったところに


「あった‼

 レジン液あった‼」


心の中でガッツポーズした

50過ぎのおじさんが…なにをやってるだろうか?


そこには、小さいチューブにはいったレジン液、透明と青と赤を

各1個ずつ手に取った

あと、レジンを入れる型と封入するラメがあったの手早く買い物かごに

入れて目的は達成した

再び心の中でガッツポーズ!


小学生の女の子が見えるが、私の存在は感じていないようだ

ビーズを全集中しているようだった

「年は違うがおんなじだな~」

と勝手にガクは思った


レジに商品を清算してもらい、車に乗り込んだ

時計をみると、買い物に2時間を要してしていた









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ハンドメイドからはじまる えむ @emubatabata

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