応援コメント

「最終話 絶対、知ってましたよね!?」への応援コメント


  • 編集済

    いやー、圧巻でしたね。
    この最終回に関しては、ほとんど文句がありません。
    減点含めても130点くらいつけたい。

    美緒の書いたシナリオを引用しながら、各パートの物語をオムニバス的に拾っていく構成がまず素晴らしい。それがしっかりと演奏パートに沿って進むので、臨場感がハンパなかったです。

    演奏描写は折り紙付き。
    私には音楽用語はわかりませんが、それでもどんな演奏をしているか、およそ想像できるほどの情熱を作者の筆致から感じ取れました。圧倒的な多幸感と興奮は、そのまま吹部の盛り上がりに共感するもので、音楽の素養がなくても十分以上に楽しめるレベルでした。

    パートごとの物語を一つずつ終わらせていく構成は、映画やドラマでは難しい、小説ならではの表現ですね。台詞と演奏がどうしても被るので。細かな心情の説明も漫画では大変でしょう。方式はベストチョイスだったと思います。何だか次々とカップル成立していくのはまーコミカルですが、回収されずに悶々としていた話が多かったので、ドミノ倒しのように解決していく様はいっそ清々しいものがありました。

    「美緒が求め続けていたマックスの音色が、実はチューバのものだった」というオチも、タイトル回収として申し分ないものでした。正直、最終話を読むまで「全然美緒とチューバの話じゃないな」と思っていたので、これは嬉しい誤算というか、ようやく拾ってくれたかという感じはありますw やはりエンタメはこうでなくては。

    欲を言えば、美緒が覚醒するきっかけは、やや安易に感じましたかね。
    まあふとしたことや失敗が大化けに転じることはよくあるんですが、これだけの長編です。理想としてはきっかけそのものに今作のテーマというか、読者が読み取れる何かが欲しいかな?という物足りなさは多少感じました。

    例えば貴之との会話から感じた何かが美緒に響いた結果、態勢が崩れてああなったとか。まあでも貴之は直後に支えに回っていますし、そういう意味では総括的ではあるかも。貴之だけはチューバの変化に動じていないのも、何が起きたか理解してるからでしょうし。最後の最後で貴之が株を上げたのもよかったです。実は最初から美緒の才能を見抜いていたくだりなんかも、ナイスな伏線回収でした。

    ぶっちゃけ、最後が普通なら全体評価は星2か3か迷うところ……という感じでしたが、この最終回だけで星一つ追加出来るだけの内容でしたね。終わりよければすべて良しとはよく言ったもの。最後の抜き加減まで含めて、おおいに楽しめました。この最終回だけでも、後から読み返したくなる出来栄えだと思いますよ。今回は絶賛です。

    今回の長さについても、小刻みに場面が変わるので、ほとんど気にせず読み切ってしまいました。あえて分けるなら、演奏終了までと、その後の話で二話にしますかね、私なら。その方が最後のエピソードに余裕が持たせられますし。

    ともあれ、最後で巻き返してきましたね。
    お手本のような最終回でした。これでようやく「面白かった」と断言できます。全体についてはまだ色々ありますが……それは後書きにて。

    作者からの返信

    最終話も書き手の心の深みに染み渡るコメントの数々、ありがとうございます!

    >この最終回に関しては、ほとんど文句がありません。

    最終話の作りそのものにはそれなりに自信があったので、面映ゆくも「うんうん、よしよし」という気持ちであります。まあこれまで色々と「なんでここでこういう話題を?」というネタを突っ込んだのも、たいがいはここへとつながる伏線のため、ということでゴリ押ししてきたわけだし、最後で納得していただかないことには苦労の意味がない、というのもありました w。
    が、その一方で、いささか手放しなお誉めの言葉には「え、マジで?」と念を押したい天の邪鬼な気分もあります。はなはだ失礼な話ながら。
    あまり自分から余計なボロを引っ張り出すのもなんですが、ラストシーンなどは特に今でもイマイチ感が抜けない箇所で、当然なにかツッコミが入るだろうと思ってました。で、それに対する言い訳などもシミュレーションしてたのですが 笑。「最後の抜き加減も含めて」ということですので、むしろこれぐらいでちょうどいいということなのか……。ま、どのみち、「ではどういう書き方が出来たのか」と問われると、「当時も今も、あのようなシーンしか出てこない」と答えるしかないのですが。

    演奏描写が過半の長丁場でしたが、「音楽の素養がなくても楽しめるレベル」という言葉を改めていただいたのは、大いに励みになりました。あ、この書き方の路線でいいんだな、と確信が持てたと言いますか。はっきり専門外を公言していらっしゃる方のコメントですから、重みが違います ^^。

    >欲を言えば、美緒が覚醒するきっかけは、やや安易に感じましたかね。

    なるほどね。そういうご感想もありだろうなとは思います。

    >例えば貴之との会話から感じた何かが美緒に響いた結果、態勢が崩れてああなったとか。

    作者としては、ほとんどランダムと言っていいほどのおバカなきっかけでミラクルが起きた、という形にしておきたい気もしますが、後付で読み手が勝手に筋道つけられそうな種類のアクシデントみたいなものににじり寄せることはできるかも知れませんね。うーん、一応考慮してみます。楽器スタンドそのものに、もっと前から何らかのエピソードを織り込んでおくとかね。

    >あえて分けるなら、演奏終了までと、その後の話で二話にしますかね、

    前の話題とかぶりますが、最後のオチが今少しパンチのあるものとかだったら当然そうしたところではありますね……でも、微妙に脱力っぽい落とし方ですからね。本番のシーンの余力で読み切ってもらうほうがいいかなと判断した次第。

    何はともあれ、お楽しみいただけたようで何よりです。「これでようやく『面白かった』と断言できます」、これにまさる感想はありませんね。たしかに間違いなく堪能してもらえた、という手応えをもらって、作者としては感無量です。執筆後ちょうど一年経った時期にこれだけのコメントをもらえたことは、この作品にとっても私にとっても大きな幸せです。

    後は、あとがきでの総括をいただくばかりですが……こちらはこちらで別の意味で楽しみにしておりますので w、どうぞ最後までよろしくお願いします。


  • 編集済

    最終話が長かったので、時間をかけて読ませていただきました。最終話の率直な感想は「すごかった!」です。音楽や楽器のことは分かりませんが、「演奏」を文章(小説)でこんなふうに表現できるんだ?! という思いです。パートごとのかけ合いのようなセリフの応酬で、テンポよく次第に盛り上がっていって、「サックスでブーストかけるんなら、ここでしょっ!」のところで最高潮に……専門用語の理解にはまったく及んでいないのですが(笑)。それでも、リズムとスピードに引き込まれる、という読書体験でした。くるくる視点人物が変わるところも、その効果にひと役買っていると思いました。美緒の吹いた最初の音から、この奇跡の(?)演奏が始まることで、美緒が堂々たる主人公(ヒロイン)に成り得たと思います。最終話に至る直前まで、沈んだ気分でいた分余計に。途中でコメントした時と意見が変わってしまうのですが、こんなラストなら、コミカルなところは少々控えめにして、美緒の成長物語がくっきりと前面に出たらよかったのかな、などという感想も持ちました。部員たちのクセの強さに、散漫になった印象がありました。いや、その印象も最終話で吹き飛ばされてしまったわけですが(笑)。カクヨムで他の方の作品を読む時に、長編を少しずつ長い時間をかけて読む、ということするようになったのですが、時間をかけるとその分作品世界に没入できるように感じます。よい読書ができました。

    作者からの返信

    コメント、並びにレビュー、ありがとうございます。書き手冥利に尽きるお言葉をいただきました ^^。

    まずは長々しい最終話にお付き合いいただいたこと、感謝いたします。あちこちからもクレーム気味のツッコミをもらってはいるのですけれど、作者としてはどうしてもこの話は切れない、と判断して、半ば読み手への挑戦状みたいな感じで w そのままにしています。お楽しみいただけたようで何よりです。

    あちこちで断片的に書いていることですが、本作は最初、短編として構想しました。チューバ担当の新一年生が、なぜか首元を狙ってくる先輩の行動に悩まされ、その理由はうやむやにされたまま本番を迎え、ダメ元で技を試した先輩のもくろみがステージ上で大当たりし、主人公はすごいサウンドを手にして周りはびっくり、でも誤解も解けてめでたしめでたし、みたいなプロットでした。なんならショートショートでもいけるな、と見積もっていた作品だったんで、いくつか路線を修正して連載を開始しても、いいところ中編止まりと、しばらくたかをくくっていました 笑。
    それが、なし崩し的に結構なボリュームの長編作品へ化けそうになって、一応は主人公の成長も一つの軸にしたものの、三十話から先は最終話の伏線を詰め込むことだけで精一杯になってしまい、結果、群像劇的な部分と主人公の成長というラインのバランスがやや崩れ気味になったかも知れません。もっとも、根本的には成長物語が付け焼き刃過ぎたというのがいちばんの問題でしょう。シリアスにテンプレを踏んだと思ったら、その都度ぶち壊しなイベントが発生してしまって、主人公自ら「神様(=作者)を変えてほしい」と祈ったほどだったのは、お読みいただいた通りです。

    身もフタもなく申し上げれば、本作は「真面目な成長物語をやろうとした途端、足元をすくわれ続ける」主人公のトホホな話、と言い切ってもいいぐらいなんですが、ギャグ小説と分類するほどに笑いに徹しているわけでもなく、その意味でもバランス調整にもうしばらく改訂を繰り返すことになるかも知れません。いただいたコメントを参考に、ぼちぼち練っていこうと思います。

    「音楽祭のプレリュード」そのものは、印象としてはあっという間に終わってしまう小品で、間違っても一万字超の文章に等速で移し替えられる時間感覚の曲ではないのですが、そこを濃密に複層的に描けるのが音楽小説の醍醐味です。「音楽や楽器のことは分かりませんが」とおっしゃる方から、そういう面を堪能していただけたような感想をちょうだいできたこと、ひたすらに感無量です。この方に読んでもらってよかった、と心から思いました。ずっと応援マークをいただき続けて、明日からロスになりそうですが 笑、これまでの分を励みにまた頑張ろうと思います。改めて、ありがとうございました。