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2023年12月5日 03:34 編集済
>素顔がキツめのその女の人は、よく見ると市吹のキーボードのお姉さんだった。女医さんだったのか。ここら辺の流れはスムーズでいいですね。>フリギアンモード全然知りませんが、思わず調べたくなる語感。>「じゃあその後に唐津クンが君を抱っこしたことは?」ラブコメ展開期待より雪乃が怖いw>その録音はこの後輩には刺激が強すぎるのでは、と危惧したのだけど心配し過ぎではと思わなくもないですが、まあ貴之だし。それにそれだけ、この演奏が異常だということなんでしょうね。>回復するまで私がお世話します、とまで言ってくれたんだそうだ。ここ、結局美緒はどれくらい眠っていたのかの情報がありません。いずれ出てくるかもですが、読者的にはここで説明受けるのが順当かと。翌日なのか一週間後なのか、全然わからないまま話が進むので。もしくは、美緒が起きて時計を見た際に、はっきりと「翌日になってる」など明記すべきかと。>でも教え子の自慢話をしてるようにしか見えなかった。ここはちょっと引っかかりました。自慢話に受け取れる案件かな?と思ったのが一点と、教え子というのが美緒か藤房か一瞬迷った部分と。こちらは「元教え子」とすれば解決すると思いますが、自慢風に話すのはやはりちょっと違和感を感じますかねえ。まあ細部の話ではありますが。>理緒ちゃん姉なのにちゃん付けなんですね。いや、たまにいますけど。もしかしたら双子設定なのかな?と思いました。>吹きながらにして音楽の中に体ごと取り込まれそうな、恐ろしい曲。美緒は吹いたわけじゃないので、こう書かれると違和感あります。「音源だけで」ならわかりますが。>フランシス・マクベス作曲、「マスク Masque」。ふううむ。問題のとこですね。原曲の音源も一応聞いて来たんですが、うーん。正直、素人耳だと「なるほど」というほどの神秘性は感じられません。まあ、経験者が納得できる理屈になってるかどうかは私にはわからないのでそこは置くとして、あくまで素人目線の感想としては、「まだ説得力が弱い」ですね。貴之の演奏指導とか追い詰められた部員の必死さという説明はわかりますし理解できるんですが、曲の特別性については、もっと補強がいるかなと。例えば、「魔性の曲」みたいなあだ名のある曲を持ってくるとか、過去にそういう怪談めいた事件のあった曲とか。そういうわかりやすい「何かある」エピソードが付随されていれば、この曲(でなくてもいいんですが)の異質さがわかりやすく伝えられるかな、と思いました。素人的にはですが。まあ、現時点でもどのみち「マスク」の演奏の本質とか素人にはわからないので、作者の説明に「そうなんだー」とうなずくしかないですから、そういう意味では物語を阻害するほどではないとも言えますけどね。より盛り上げるという意味で、という意見です。>(終わらせなきゃ)> それは桐香のぼやきだったか、悠介の述懐だったか、貴之の呟きだったか。ここの演出はすごくいいですね。もう忘れてしまいましたが、もし全員ちゃんとこの台詞を言ってるならなおよし。エモい。> それがいつまでも先輩たちを負の方向に引っ張り続けるのなら、終わらせなければならない。締めくくり方としては、文句なしの高評価です。ただ、ここは正直、いまいち共感しづらいところです。この展開で盛り上げるなら、もっとわかりやすい悲劇が欲しかったところかなと。ここまで読んだ感じ、確かに去年の成功しすぎた演奏の影響は多大でしたけど、そんな呪いめいた感じは持てなかったんですよね。貴之母の協力なんかも、いって去年の演奏あってなわけですし。もっと単純明快な「負の案件」を、この小説全体もしくは終盤に持ってきた上でのこの展開なら絶賛してるところです。そういう意味で惜しい感じ。あと、音源聞いただけで昏睡するほどの美緒が、去年の演奏に心奪われず、すぐに「終わらせなきゃ」となるのは不可解ではあります。他の部員同様、神がかった演奏に憧れたり嫉妬したり、という気持ちが出てもおかしくないと思うので、ここも何かしら事前に「去年の演奏はすごいけど、音プレだって負けない」と美緒が信じるに至るようなエピソードが欲しいところ。美緒は一年生で、だからこそこの吹部を外から見て来れたわけです。その視点から部内の事件を解決してきて、その経験をいま振り返って、去年の演奏に立ち向かえることを信じられる、そんなストーリー運びだったら個人的にはフルマークです。あ、美緒にそこまでの愛部心があるのかって問題もありますね。言っても今まで、流され続けて色々やってきたのが美緒ですから。そこの意識変化についても、どこかで触れておく必要があるかと。主体性の獲得と言いますか。「敏感な新入生が、成功体験という吹部の呪いに立ち向かう」「いくつもの事件を経て、意図せずそう動いていたと知る」物語の筋書きは同じでも、ここのクライマックスを前提に、事件ごとそこを意識・強調して印象付けておけば、物語の輪郭がくっきり際立ち、読者にもテーマが明快になるかな……と思いました。いかん、これ読了後に総評として書く奴だ。まだ途中。まだ途中w追記:>「夕方っぽい窓からの光の中、表示の日付と時刻をしばらく眺めていた美緒は……『今日の練習! わ、ワークショップは!?』」というくだりで、翌日日曜日の夕刻がこのシーンの舞台、という説明にしたつもりですが、ちょっと印象弱かったですかね?もちろんその台詞は読んで、「まあ翌日なのだろう」と想像はしたのですが、例えばこれが月曜夕方まで丸二日寝てたとしても、『今日(月曜)の練習! (一昨日の)わ、ワークショップは!?』で成立してしまうんです。なので、読者がもやっとしないよう、経過時間の明記は必要だと思います。軽い追加で十分ですし。>多少年が離れてても、そう呼んでる実例を何人も見ましたんでうちもそうなんで、ぶっちゃけ呼び方の違和感はさしてないんです。双子と言うのも設定忘れてて、何となく思っただけで。「三歳上」という情報を再描写してもらえれば、呼び方の方はこのままでいいかと思います。あとは、姉の性格とか外見の描写が乏しいので、ちゃん付けされるタイプなのかわからなくて、印象が乏しいというのはあるかもしれません。些末なとこですが。>ぶっちゃけ、どう書いても、広く読み手を納得させる書き方は出来ないんだろうなあ、というのが、完成して一年経った段階での結論ですね。私は素人ですし漫画脳なので、多少それっぽい情報があれば「そういうこともあるかも」と信じてしまうと思います。なので、要するに信じてもいいくらいの設定があれば問題ないんでっすね。私レベルの読者だと。むしろ騙されに行きたいタイプなので。漫画で似たようなトンデモだと、そうですね。「昴」というバレエ漫画では、別の劇場で同じラベルを踊った天才二人がゾーンに入って互いの姿を透視する、みたいなクライマックスがあります。もちろんラベルもよく知らないんですが、その解釈と熱狂的な絵面、あと天才性でトンデモ展開も飲み込めた感じでしたっけ。マジカルな貴之指導とかはフィクションとして納得できてるので、曲そのものに理由をつける必要がないのかもしれません。あくまで演奏が凄かったという方向で。私ならどう書きますかねえ。やはり過去に事件があったり、ミステリアスな逸話のある楽曲を探してきて充てるでしょうか。もしなければ、それに近い話をアレンジして「作中ではそういう扱い」みたいな感じにするかと。曲そのものを架空にするのは、作品の統一感が損なわれて悪手に思います。「美緒個人にとっては」という方向もリアリティという意味では間違っていないと思いますが、すでにここまで去年の演奏の神秘性はさんざん語られてきてるわけですからね。無理に縮こまらせると違和感が立ってしまう可能性が高そうです。ここは読者が「なるほど!」と思える修正になるよう、一読者としては期待してますw>このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。この点のヒントなりは最後の辺りであってもいいかと思います。寝落ちを示唆する描写とか。美緒の語りが最後はファンタジーになってたりとか。読者が「真面目に読んでたら……あれ?」と思うくらいの引きで、あの次回に続く方がスムーズかなと。まあ読んでて違和感を感じたからこそ突っ込んだわけですがwこれを高度なテクニックと見るか、わかりづらいと見るかの判断はお任せしますが、個人的には、ちょっと釈然としない感じではありました。
作者からの返信
今回も巨視的に、あるいは微視的に読み込んでいただいたコメントの数々、ありがとうございます!>>フリギアンモード>全然知りませんが、思わず調べたくなる語感。まあ要するに、キザでダンディな感じのキャラが、思いっきりかっこつけてるシーンなんかで流れるギター音楽の音階(モード)ですね。煎じ詰めればフラメンコ音楽のほとんどがそうなんで、「フラメンコギターの調べがBGMに聞こえてきそうな」としても意味は一応通じるんですが、ここは文章的にもかっこつけてみました 笑。記憶になくても無理はないんですが、一応「フリギアン・モード」は45話の慶奈のプレゼンシーンにも出てきてます。「音プレ」の中にもほんの十小節ほどフリギアンの箇所があるんですよね。さすがにあれはフラメンコと言うよりは、闘牛の入場行進とかのイメージかな、と思うんですが。>ここ、結局美緒はどれくらい眠っていたのかの情報がありません。「夕方っぽい窓からの光の中、表示の日付と時刻をしばらく眺めていた美緒は……『今日の練習! わ、ワークショップは!?』」というくだりで、翌日日曜日の夕刻がこのシーンの舞台、という説明にしたつもりですが、ちょっと印象弱かったですかね? まあ、「まるまる二十四時間眠っていた」みたいな記述は適当なとこに入れられると思いますんで、あと何箇所か、さりげなく情報を重ねておこうかと。あ、念のため書くと、このあたり、最近になって修正入れました w。>>でも教え子の自慢話をしてるようにしか見えなかった。>ここはちょっと引っかかりました。>自慢話に受け取れる案件かな?と思ったのが一点と、教え子というのが美緒か藤房か一瞬迷った部分と。うむ、まぎらわしさはあるでしょうね。「自慢」という表現も、いくらか飛躍気味……なのかな? ご指摘には納得できますんで、修正案考えておきます。>>理緒ちゃん>姉なのにちゃん付けなんですね。多少年が離れてても、そう呼んでる実例を何人も見ましたんで、あんまり深く考えずにこう書きましたけど、「お姉ちゃん」の方がまだまだ自然ではありますね。でも、なんか、美緒ならそう呼ぶんでは、という印象がありまして……三才年上、という情報が曖昧になるほど出番が開いたら、やはり「お姉ちゃん」の方が無難かな。いったん寝かせてから考慮してみます。>>吹きながらにして音楽の中に体ごと取り込まれそうな、恐ろしい曲。>美緒は吹いたわけじゃないので、こう書かれると違和感あります。それもそうか。ここは直します。>>フランシス・マクベス作曲、「マスク Masque」。>ふううむ。問題のとこですね。>あくまで素人目線の感想としては、「まだ説得力が弱い」ですね。音源にまで当たっていただけましたか。お手間いただいてありがとうございます。ここはですねー、ぶっちゃけ、どう書いても、広く読み手を納得させる書き方は出来ないんだろうなあ、というのが、完成して一年経った段階での結論ですね。ちょっとここを語りだすとあまりにも長くなるので 笑、触りだけにしておきますけれど――おっしゃることはまさにごもっとも、と同意いたします。ただ、音楽小説って、それこそプロの有名作品であっても、思い入れたっぷりな使われ方になってると、「え〜、あの曲でそんなことになるかぁ〜?」みたいなツッコミはどうしても出てきます。そういう意味では、架空の曲にしておいた方が、小説の仕掛けとしては成功したのかも知れませんけれど――。とりあえず、「美緒個人にとっては」この曲が衝撃だった、ということに関してなら、今少し説明の補強はできると思いますので、ぼちぼち手を加え続けようとは思います。>締めくくり方としては、文句なしの高評価です。>ただ、ここは正直、いまいち共感しづらいところです。ええとですね。ここはもう次の話のコメントもらったあとですんで、詳細はパスしますね。まさに、次回の冒頭があんななので、いささかわざとらしく盛り上げた、というのが正解だったりするんですが、もう一つ付け加えるなら、このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。寝てる時って極端にピュアになったりすることがあるんで、そのイメージで書いたというのもあります。本当の気持ちが出たとも言えますし、自己陶酔にとことんまで浸っていたとも言えます w。>いかん、これ読了後に総評として書く奴だ。はい、このへんからまだドラマ的に二転三転しますんで ^^。とは申せ、シリアス部分のいい総括を前倒しでいただいた気分です。この作品はどこまでもコメディなんですが、今回のような分析をいただければ、また別の角度からいろいろいじれると思いますから……いつもながらの熱のこもった長文、本当にありがとうございます。12/7追記日付の件>例えばこれが月曜夕方まで丸二日寝てたとしても、>『今日(月曜)の練習! (一昨日の)わ、ワークショップは!?』で成立してしまうんです。おお、なるほど……それはそれで自然なセリフではありますね……。ご説明ありがとうございます。ひとことふたこと、描写を追加しておきます。音楽へのトンデモ的な印象づけの件「昴」なんて読んでらっしゃったんですね……今度ブックオフででも漁ってみようか……まあそれはともかく。>多少それっぽい情報があれば「そういうこともあるかも」と信じてしまうと思います。>「美緒個人にとっては」という方向もリアリティという意味では間違っていないと思いますが……無理に縮こまらせると違和感が立ってしまう可能性が高そうです。んー、おっしゃることはわかります。これがピアノコンクールとかで、古今東西のあらゆる曲を選択し放題、みたいな設定だったら、いわくつきの曲などいくらでも出せるんですが(次の音楽小説でやろうと思います)、吹奏楽コンクールの自由曲として使える範囲の音楽で、魔性の雰囲気に魅入られそうな曲というのは w。感動的とか魅惑的というのならまだしも、ネガティブな意味でプレイヤーが逝っちゃってしまいそうな曲、ですからねー。ただ、そういう部分も含めて、読み手に今いち刺さりきってない感触というのは理解してるつもりですんで――やれる限りは、打てる手を模索し続けたいと思います。基本的に音楽小説って、現実の曲を脳内再生して感動するわけじゃありせんからね。実物は全然イケてない(はずの)曲でも、みなさん描写の迫真性で絶賛するんですから、まだまだ研究の余地はあるかと。第47話の閉じ方の件>>このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。>この点のヒントなりは最後の辺りであってもいいかと思います。>寝落ちを示唆する描写とか。美緒の語りが最後はファンタジーになってたりとか。読者が「真面目に読んでたら……あれ?」と思うくらいの引きでしまいに支離滅裂な語り方に、というのは面白いかも知れませんね w。言われてみると、少し大真面目に語りすぎてるのかも知れません。むろん、この真面目さで次話の冒頭とのギャップを狙った、というのもあるんですが。「あれ?」という違和感をちょっとだけ垂らしておく、という感じでしょうかね。改訂時に塩梅のいいポイントを探ってみます。
編集済
>素顔がキツめのその女の人は、よく見ると市吹のキーボードのお姉さんだった。
女医さんだったのか。
ここら辺の流れはスムーズでいいですね。
>フリギアンモード
全然知りませんが、思わず調べたくなる語感。
>「じゃあその後に唐津クンが君を抱っこしたことは?」
ラブコメ展開期待より雪乃が怖いw
>その録音はこの後輩には刺激が強すぎるのでは、と危惧したのだけど
心配し過ぎではと思わなくもないですが、まあ貴之だし。
それにそれだけ、この演奏が異常だということなんでしょうね。
>回復するまで私がお世話します、とまで言ってくれたんだそうだ。
ここ、結局美緒はどれくらい眠っていたのかの情報がありません。
いずれ出てくるかもですが、読者的にはここで説明受けるのが順当かと。翌日なのか一週間後なのか、全然わからないまま話が進むので。
もしくは、美緒が起きて時計を見た際に、はっきりと「翌日になってる」など明記すべきかと。
>でも教え子の自慢話をしてるようにしか見えなかった。
ここはちょっと引っかかりました。
自慢話に受け取れる案件かな?と思ったのが一点と、教え子というのが美緒か藤房か一瞬迷った部分と。こちらは「元教え子」とすれば解決すると思いますが、自慢風に話すのはやはりちょっと違和感を感じますかねえ。まあ細部の話ではありますが。
>理緒ちゃん
姉なのにちゃん付けなんですね。いや、たまにいますけど。
もしかしたら双子設定なのかな?と思いました。
>吹きながらにして音楽の中に体ごと取り込まれそうな、恐ろしい曲。
美緒は吹いたわけじゃないので、こう書かれると違和感あります。
「音源だけで」ならわかりますが。
>フランシス・マクベス作曲、「マスク Masque」。
ふううむ。問題のとこですね。
原曲の音源も一応聞いて来たんですが、うーん。
正直、素人耳だと「なるほど」というほどの神秘性は感じられません。
まあ、経験者が納得できる理屈になってるかどうかは私にはわからないのでそこは置くとして、あくまで素人目線の感想としては、「まだ説得力が弱い」ですね。
貴之の演奏指導とか追い詰められた部員の必死さという説明はわかりますし理解できるんですが、曲の特別性については、もっと補強がいるかなと。
例えば、「魔性の曲」みたいなあだ名のある曲を持ってくるとか、過去にそういう怪談めいた事件のあった曲とか。
そういうわかりやすい「何かある」エピソードが付随されていれば、この曲(でなくてもいいんですが)の異質さがわかりやすく伝えられるかな、と思いました。素人的にはですが。
まあ、現時点でもどのみち「マスク」の演奏の本質とか素人にはわからないので、作者の説明に「そうなんだー」とうなずくしかないですから、そういう意味では物語を阻害するほどではないとも言えますけどね。より盛り上げるという意味で、という意見です。
>(終わらせなきゃ)
> それは桐香のぼやきだったか、悠介の述懐だったか、貴之の呟きだったか。
ここの演出はすごくいいですね。
もう忘れてしまいましたが、もし全員ちゃんとこの台詞を言ってるならなおよし。エモい。
> それがいつまでも先輩たちを負の方向に引っ張り続けるのなら、終わらせなければならない。
締めくくり方としては、文句なしの高評価です。
ただ、ここは正直、いまいち共感しづらいところです。
この展開で盛り上げるなら、もっとわかりやすい悲劇が欲しかったところかなと。
ここまで読んだ感じ、確かに去年の成功しすぎた演奏の影響は多大でしたけど、そんな呪いめいた感じは持てなかったんですよね。
貴之母の協力なんかも、いって去年の演奏あってなわけですし。
もっと単純明快な「負の案件」を、この小説全体もしくは終盤に持ってきた上でのこの展開なら絶賛してるところです。そういう意味で惜しい感じ。
あと、音源聞いただけで昏睡するほどの美緒が、去年の演奏に心奪われず、すぐに「終わらせなきゃ」となるのは不可解ではあります。
他の部員同様、神がかった演奏に憧れたり嫉妬したり、という気持ちが出てもおかしくないと思うので、ここも何かしら事前に「去年の演奏はすごいけど、音プレだって負けない」と美緒が信じるに至るようなエピソードが欲しいところ。
美緒は一年生で、だからこそこの吹部を外から見て来れたわけです。
その視点から部内の事件を解決してきて、その経験をいま振り返って、去年の演奏に立ち向かえることを信じられる、そんなストーリー運びだったら個人的にはフルマークです。
あ、美緒にそこまでの愛部心があるのかって問題もありますね。
言っても今まで、流され続けて色々やってきたのが美緒ですから。
そこの意識変化についても、どこかで触れておく必要があるかと。
主体性の獲得と言いますか。
「敏感な新入生が、成功体験という吹部の呪いに立ち向かう」
「いくつもの事件を経て、意図せずそう動いていたと知る」
物語の筋書きは同じでも、ここのクライマックスを前提に、事件ごとそこを意識・強調して印象付けておけば、物語の輪郭がくっきり際立ち、読者にもテーマが明快になるかな……と思いました。
いかん、これ読了後に総評として書く奴だ。
まだ途中。まだ途中w
追記:
>「夕方っぽい窓からの光の中、表示の日付と時刻をしばらく眺めていた美緒は……『今日の練習! わ、ワークショップは!?』」というくだりで、翌日日曜日の夕刻がこのシーンの舞台、という説明にしたつもりですが、ちょっと印象弱かったですかね?
もちろんその台詞は読んで、「まあ翌日なのだろう」と想像はしたのですが、例えばこれが月曜夕方まで丸二日寝てたとしても、
『今日(月曜)の練習! (一昨日の)わ、ワークショップは!?』
で成立してしまうんです。
なので、読者がもやっとしないよう、経過時間の明記は必要だと思います。軽い追加で十分ですし。
>多少年が離れてても、そう呼んでる実例を何人も見ましたんで
うちもそうなんで、ぶっちゃけ呼び方の違和感はさしてないんです。双子と言うのも設定忘れてて、何となく思っただけで。
「三歳上」という情報を再描写してもらえれば、呼び方の方はこのままでいいかと思います。
あとは、姉の性格とか外見の描写が乏しいので、ちゃん付けされるタイプなのかわからなくて、印象が乏しいというのはあるかもしれません。些末なとこですが。
>ぶっちゃけ、どう書いても、広く読み手を納得させる書き方は出来ないんだろうなあ、というのが、完成して一年経った段階での結論ですね。
私は素人ですし漫画脳なので、多少それっぽい情報があれば「そういうこともあるかも」と信じてしまうと思います。
なので、要するに信じてもいいくらいの設定があれば問題ないんでっすね。私レベルの読者だと。むしろ騙されに行きたいタイプなので。
漫画で似たようなトンデモだと、そうですね。
「昴」というバレエ漫画では、別の劇場で同じラベルを踊った天才二人がゾーンに入って互いの姿を透視する、みたいなクライマックスがあります。もちろんラベルもよく知らないんですが、その解釈と熱狂的な絵面、あと天才性でトンデモ展開も飲み込めた感じでしたっけ。
マジカルな貴之指導とかはフィクションとして納得できてるので、曲そのものに理由をつける必要がないのかもしれません。あくまで演奏が凄かったという方向で。
私ならどう書きますかねえ。
やはり過去に事件があったり、ミステリアスな逸話のある楽曲を探してきて充てるでしょうか。もしなければ、それに近い話をアレンジして「作中ではそういう扱い」みたいな感じにするかと。曲そのものを架空にするのは、作品の統一感が損なわれて悪手に思います。
「美緒個人にとっては」という方向もリアリティという意味では間違っていないと思いますが、すでにここまで去年の演奏の神秘性はさんざん語られてきてるわけですからね。無理に縮こまらせると違和感が立ってしまう可能性が高そうです。ここは読者が「なるほど!」と思える修正になるよう、一読者としては期待してますw
>このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。
この点のヒントなりは最後の辺りであってもいいかと思います。
寝落ちを示唆する描写とか。美緒の語りが最後はファンタジーになってたりとか。読者が「真面目に読んでたら……あれ?」と思うくらいの引きで、あの次回に続く方がスムーズかなと。
まあ読んでて違和感を感じたからこそ突っ込んだわけですがw
これを高度なテクニックと見るか、わかりづらいと見るかの判断はお任せしますが、個人的には、ちょっと釈然としない感じではありました。
作者からの返信
今回も巨視的に、あるいは微視的に読み込んでいただいたコメントの数々、ありがとうございます!
>>フリギアンモード
>全然知りませんが、思わず調べたくなる語感。
まあ要するに、キザでダンディな感じのキャラが、思いっきりかっこつけてるシーンなんかで流れるギター音楽の音階(モード)ですね。煎じ詰めればフラメンコ音楽のほとんどがそうなんで、「フラメンコギターの調べがBGMに聞こえてきそうな」としても意味は一応通じるんですが、ここは文章的にもかっこつけてみました 笑。
記憶になくても無理はないんですが、一応「フリギアン・モード」は45話の慶奈のプレゼンシーンにも出てきてます。「音プレ」の中にもほんの十小節ほどフリギアンの箇所があるんですよね。さすがにあれはフラメンコと言うよりは、闘牛の入場行進とかのイメージかな、と思うんですが。
>ここ、結局美緒はどれくらい眠っていたのかの情報がありません。
「夕方っぽい窓からの光の中、表示の日付と時刻をしばらく眺めていた美緒は……『今日の練習! わ、ワークショップは!?』」というくだりで、翌日日曜日の夕刻がこのシーンの舞台、という説明にしたつもりですが、ちょっと印象弱かったですかね? まあ、「まるまる二十四時間眠っていた」みたいな記述は適当なとこに入れられると思いますんで、あと何箇所か、さりげなく情報を重ねておこうかと。
あ、念のため書くと、このあたり、最近になって修正入れました w。
>>でも教え子の自慢話をしてるようにしか見えなかった。
>ここはちょっと引っかかりました。
>自慢話に受け取れる案件かな?と思ったのが一点と、教え子というのが美緒か藤房か一瞬迷った部分と。
うむ、まぎらわしさはあるでしょうね。「自慢」という表現も、いくらか飛躍気味……なのかな? ご指摘には納得できますんで、修正案考えておきます。
>>理緒ちゃん
>姉なのにちゃん付けなんですね。
多少年が離れてても、そう呼んでる実例を何人も見ましたんで、あんまり深く考えずにこう書きましたけど、「お姉ちゃん」の方がまだまだ自然ではありますね。でも、なんか、美緒ならそう呼ぶんでは、という印象がありまして……三才年上、という情報が曖昧になるほど出番が開いたら、やはり「お姉ちゃん」の方が無難かな。いったん寝かせてから考慮してみます。
>>吹きながらにして音楽の中に体ごと取り込まれそうな、恐ろしい曲。
>美緒は吹いたわけじゃないので、こう書かれると違和感あります。
それもそうか。ここは直します。
>>フランシス・マクベス作曲、「マスク Masque」。
>ふううむ。問題のとこですね。
>あくまで素人目線の感想としては、「まだ説得力が弱い」ですね。
音源にまで当たっていただけましたか。お手間いただいてありがとうございます。
ここはですねー、ぶっちゃけ、どう書いても、広く読み手を納得させる書き方は出来ないんだろうなあ、というのが、完成して一年経った段階での結論ですね。
ちょっとここを語りだすとあまりにも長くなるので 笑、触りだけにしておきますけれど――おっしゃることはまさにごもっとも、と同意いたします。ただ、音楽小説って、それこそプロの有名作品であっても、思い入れたっぷりな使われ方になってると、「え〜、あの曲でそんなことになるかぁ〜?」みたいなツッコミはどうしても出てきます。そういう意味では、架空の曲にしておいた方が、小説の仕掛けとしては成功したのかも知れませんけれど――。
とりあえず、「美緒個人にとっては」この曲が衝撃だった、ということに関してなら、今少し説明の補強はできると思いますので、ぼちぼち手を加え続けようとは思います。
>締めくくり方としては、文句なしの高評価です。
>ただ、ここは正直、いまいち共感しづらいところです。
ええとですね。ここはもう次の話のコメントもらったあとですんで、詳細はパスしますね。
まさに、次回の冒頭があんななので、いささかわざとらしく盛り上げた、というのが正解だったりするんですが、もう一つ付け加えるなら、このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。寝てる時って極端にピュアになったりすることがあるんで、そのイメージで書いたというのもあります。本当の気持ちが出たとも言えますし、自己陶酔にとことんまで浸っていたとも言えます w。
>いかん、これ読了後に総評として書く奴だ。
はい、このへんからまだドラマ的に二転三転しますんで ^^。
とは申せ、シリアス部分のいい総括を前倒しでいただいた気分です。この作品はどこまでもコメディなんですが、今回のような分析をいただければ、また別の角度からいろいろいじれると思いますから……いつもながらの熱のこもった長文、本当にありがとうございます。
12/7追記
日付の件
>例えばこれが月曜夕方まで丸二日寝てたとしても、
>『今日(月曜)の練習! (一昨日の)わ、ワークショップは!?』で成立してしまうんです。
おお、なるほど……それはそれで自然なセリフではありますね……。
ご説明ありがとうございます。ひとことふたこと、描写を追加しておきます。
音楽へのトンデモ的な印象づけの件
「昴」なんて読んでらっしゃったんですね……今度ブックオフででも漁ってみようか……まあそれはともかく。
>多少それっぽい情報があれば「そういうこともあるかも」と信じてしまうと思います。
>「美緒個人にとっては」という方向もリアリティという意味では間違っていないと思いますが……無理に縮こまらせると違和感が立ってしまう可能性が高そうです。
んー、おっしゃることはわかります。これがピアノコンクールとかで、古今東西のあらゆる曲を選択し放題、みたいな設定だったら、いわくつきの曲などいくらでも出せるんですが(次の音楽小説でやろうと思います)、吹奏楽コンクールの自由曲として使える範囲の音楽で、魔性の雰囲気に魅入られそうな曲というのは w。感動的とか魅惑的というのならまだしも、ネガティブな意味でプレイヤーが逝っちゃってしまいそうな曲、ですからねー。
ただ、そういう部分も含めて、読み手に今いち刺さりきってない感触というのは理解してるつもりですんで――やれる限りは、打てる手を模索し続けたいと思います。基本的に音楽小説って、現実の曲を脳内再生して感動するわけじゃありせんからね。実物は全然イケてない(はずの)曲でも、みなさん描写の迫真性で絶賛するんですから、まだまだ研究の余地はあるかと。
第47話の閉じ方の件
>>このモノローグは全部睡眠中の美緒が自問自答してることなんですね。
>この点のヒントなりは最後の辺りであってもいいかと思います。
>寝落ちを示唆する描写とか。美緒の語りが最後はファンタジーになってたりとか。読者が「真面目に読んでたら……あれ?」と思うくらいの引きで
しまいに支離滅裂な語り方に、というのは面白いかも知れませんね w。
言われてみると、少し大真面目に語りすぎてるのかも知れません。むろん、この真面目さで次話の冒頭とのギャップを狙った、というのもあるんですが。
「あれ?」という違和感をちょっとだけ垂らしておく、という感じでしょうかね。改訂時に塩梅のいいポイントを探ってみます。