ソーシャルゲーム。

マクスウェルの仔猫

ソーシャルゲーム。

 

 ただの




 暇つぶしにもならないゲーム


 何も考えずに

 ボンヤリと指を動かして

 ボンヤリと動きを追ってた




 ただの




 色がつかないリアルの一部

 つまらない毎日の繰り返し







 あの日も学校で


 いつものように指先で

 キャラをくるくるとつついてたら

 突然投げかけられたチャット


『レアモンスターが目の前にいるのに

 くるくる回ってどうしたの』って


 そんな言葉とともに

 君は現れた







 たまたま入りこんだゲームの中で

 見上げることもなく

 埋もれてた私を





 見つけてくれた


 話しかけてくれた


 なぐさめてくれた


 グチを聞いてくれた


 励ましてくれた


 ホメてくれた


 優しくしてくれた君が



 私の世界を

 息づかせてくれた







 ゲーム画面の『おはよう』に

 顔いっぱいの笑顔で返事をして


 玄関を開けたら

 全力で駆け出したくなる朝




 ログインしてみて

 チャットが来ていたら

 

 それだけでうれしくて

 何度も何度も眺めた午後




 君がログインしてたら

 ゲームして

 他愛もない話をして


 もっと話したい

 もっと遊びたい


 そんな言葉をガマンして

 君の『おやすみ』を指でなぞる夜

 


 

 ゆっくりと色鮮やかになっていった世界の中で

 君への気持ちを

 いつのまにか腕いっぱいに抱えていた私


 君の笑顔が見たい

 声が聞きたい

 

 いつしか


 そんな未来を夢見るようになっていった







 ごめんなさい


 ごめんなさい





 ごめんなさい





 楽しかったの

 うれしかったの

 幸せだったの






 もう言わないから




 だから




 もう言わないから




 だから

















 好きなんて言わないから

 






 

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ソーシャルゲーム。 マクスウェルの仔猫 @majikaru1124

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