性欲と情欲

 辰井圭斗という女はたいそうスケベに違いない。と、遼遠小説以降考えを改めた。

 性癖が健康的で悪いんか!?お気に召さないのか!?健全な性癖を求めて何が悪いのか。

 つらつら考えてみたものの、もしや女と男の性癖はまったく別物なのか、と苦慮し始めた。

 男には2つの性欲がある。体が反応する肉欲。そこそこの頻度で意思に関わらず勃起する下半身の肉棒の反応は、脳からホルモンがドバドバ溢れて体が疼き出すわけだが、そこに個としての拘りを見いだせるのかは皆目見当がつかない。それとは別の、心が反応する情欲は個としての拘りの為せる技であろう。それは丹田から気を発するように、体の内側から熱くなる。

 当然、これらの区別はつけづらい。故に、どちらにも共通するのは己の内を見られる気恥ずかしさか。辰井圭斗という傑物は、この恥じらいに性癖を見出しているのかもしれない。

 ならばと語るが、私が辰井圭斗へと抱く感情は後ろ暗くなければならなかった。あなたを殺したいのだと、私が辰井圭斗について考える時はいつも思う。

 エロく。より官能的に殺したい。今のところ馬乗りになって首を締めるべきかと考えているわけだが、ここに、私の心の奥から、性癖と呼ぶべき淫猥さは見いだせない。

 呼吸するかの如く日常的な思考。腹が減ったから飯が食べたいと願う。さも当然の反応である。

 何故ならば、私はあのときから未だに貴方を殺す文章を探している。殺す殺す殺す殺す。辰井圭斗という名を見てまず考えるのは殺すこと。それは私の呼吸にひとしい。


 これを、いとしい、と人は呼ぶのかもしれない。まずい。姫野さんの許可がいりそうな気もする。遼遠小説大賞では、二人のイチャイチャを見せられて大変満足している。


 今、私が辰井圭斗さんに言いたいのは1つだけだ。美味しい火鍋を出すお店を教えて下さい。出来れば、一緒に行って頂けると幸いです。

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遼遠小説感想戦 あきかん @Gomibako

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