忘却と回想
遼遠小説大賞で、今1番記憶に残っているのは『クヮヰド』。他の作品群は記憶に残っていないがこれだけは強く印象に残っている。
講評なんてものは所詮は自らの中から言葉を捻りだしてる物なので、クヮヰドについてはもう何ら一片たりともわからないし、その旨講評で書かして頂いた。あのときから一切この点は変わらず、何でこれだけ引っかかるのかわからない。
1つ、文体が好きだと言い切ってよい。歯切れの良い文章が続くので、それがとても心地よかった、と読み味を思い返している。
読み味、というのは言い得て妙だと常々思う。実家の雑煮は旨かった。あの味は思い出の中で回想し、その中で何度も味わっている。気に入った文章とはこれに似ている。何度も咀嚼しその味が変わり果てていたとしても、それをまた食べたいと切望する。
文章の味は、作品というよりは属人的な個性であろう。作者の文章を欲する欲、その関心、興味とは私の中の何かしらの文学を刺激しているのだと感じている。
遼遠小説大賞の大賞作に『クヮヰド』を推しても良かったと思っている。しかし、それはノーベル文学賞と同じく『クヮヰド』単体では無く、作家本人へ送る物になるだろう。それは自主企画の趣旨に反しているのかな、と未だに思うところである。
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