第3話
ダグラスが片眉をピクッと上げ2人を見つめる
「ほう…!その歳で3属性で上級位階を操るか…
なかなか見込みがあるではないか。魔力も申し分ない…ふむ。」
魔法は火・水・土・風に加え生活魔法が基本魔法である。次に特殊な属性として光と闇がある。これは素質によって左右されるので所有している人は極めて少ない。その他にその個人特有のユニーク属性があるが、ユニーク属性は強力な物ばかりでその数は光と闇よりもさらに少なく、各国に2〜5人居れば良い方と言われている。
その属性魔法の中に位階というものが存在する。
これは位階の数字が多いほど効果が高くなる。
位階は全部で13位階あるが、1〜2が初級、3〜5が中級、6〜9が上級、10〜11が最上級、12が超級、そして13位階が神級となっている。
ちなみに13位階を使えたのは神魔戦争時の魔王と勇者、女神、神龍のみと記録されている。
魔力量、これは保有量が多ければ多いほど魔法の行使が行え、高位階の魔法が扱えるようになる。ただし、最上位位階からは才能と努力が必要となってくるのだが。
魔力はどの生物でもある程度保有している。
程度にもよるが一般の成人男性で10000前後、(この世界は15歳で成人である)騎士や冒険者で10万、
魔法使いで50万が平均だった。
最上位冒険者や宮廷魔導士など一握りの天才や化物と呼ばれる部類の者は2、300万がザラに居ると言われている。
「さて、グラン伯爵、この2人のどちらかがナナリーの婚約者にと言う事だが正直なところ俺は決めかねている。何故ならばレイルの時のように素質はあるが成長が止まってしまえばそれまでだからだ。」
この言葉にグランは戸惑っていた。
「ダグラス様、ではどうすれば良いのでしょうか?」
「だから少し保留にしようと思う。そうだな、ナナリーが来年から皇立魔法学院に入学するのだが、あの子が卒業するまでにどこまで成長出来るか見せて貰おうか。その時に俺とナナリーに認められれば晴れてどちらかが婚約者だ!」
グランはその目に火を灯しお辞儀する
「ありがとう御座います!必ずや期待に応えたいと思います!」
それを見たロイドとエルも目を輝かせて
「ありがとう御座います!精一杯頑張ります!」
と意気込んでいたのだった。
「うむ。では俺はここらで失礼させて貰うぞ、なにかと忙しいのでな。」とダグラスは部屋から出て行くのだった。
それからしばらくしてグランが
「ロイド、エル、2人とも聞いたな?これからお前たち2人はナナリー様の婚約者になる為に修行して貰う!幸いお前たちは既に皇立魔法学院でトップクラスの成績を残している!残りの学園生活何としてもトップに食い込めるように努力するのだ!」
それに応えて2人も同時に
「「ハイっ!」」と返事をするのだった。
2人が応接間から出て行くとグランがスチュワートに
「レイルを呼んで来るのだ……早急にだ。」
「はい、かしこまりました。」
しばらくして
コンコン、「失礼します」と男の子の声が扉の向こうからした。
「レイルか、入れ。」
「父上どうしましたか?」
グランはレイルに厳しい目で
「レイル。お前とナナリー様との婚約の件破棄になった!」
レイルはどこか悲しい目で父親を見つめるのだった。
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