第2話
リッツオール家一階応接間
そこには豪華なアンティークの机を挟んで2人の男性が座って居た。
1人はリッツオール伯爵家当主グラン、そしてもう1人は鋭い目つきに筋骨隆々の白髪で初老半ばのリンドブルム公爵家当主ダグラス・ツー・リンドブルムであった。
「グラン伯爵……もう一度言ってはくれないか?俺の耳が悪くなってないのならばレイルが魔法を使えないと聞こえたのだが??」
ダグラスのその圧倒的な威厳、気迫に気圧されグラン伯爵の背筋から汗を流しながらゾッとするような寒気が襲って来た。
しかし、なんとか耐えながら、
「は、はい。一応生活魔法や初級魔法は使えるのですが、それも最低限しか使えないのです。」
グランは額から流れる汗を拭きながら言う。
それを見たダグラスが
「貴様はこの俺を謀ったのか!将来この国を支える子を授かったのではなかったのか!
もうよいっ!今回の婚約の件無かったことにさせて貰うぞ?」
その言葉に焦ったグランが
「お、お待ちください!ダグラス様!もう一度考えては頂けませんか!?我が家にはもう2人息子が居ります!その2人はレイルと違いとても優秀ですのでナナリー様にもきっと気に入ってもらえます!」
それを聞いたダグラスは何かを考えるような素振りをし、そして…
「息子2人とな?……よかろう。
その2人の事を聞かせよ。そして見せてみよ。俺の目に叶う才能があるならば婚約を考えてやる。
だが、最終ナナリーが気に入らなければこの話はナシだ。」
グランは目を見開き
「ありがとう御座います!!では2人を呼びますのでお待ち下さい!」
そして机にある呼び鈴を鳴らし、そしてコンコンと扉が鳴り執事が入って来る。
「失礼致します。御用でございますか?」
「スチュワートよ、ロイドとエルを呼んできてくれ」
「かしこまりました。お呼びして参りますので少々お待ちください。」
スチュワートはスッと扉を閉め出て行く。
数分後…コンコンとまた扉が鳴り、
「失礼します」と2人の赤髪の男の子が入って来た。
グランが2人を隣に立たせ
「紹介します2人が長男のロイドと次男のエルでございます。ロイド、エル、こちらの方はダグラス・ツー・リンドブルム公爵様だ。ご挨拶をしなさい!」
それを聞いたロイドとエルは緊張しながらも
「は、はじめまして、長男のロイド・フォン・リッツオールで御座います。リンドブルム公爵様にお目にかかれて光栄です。」
「はじめまして、次男のエル・フォン・リッツオールです。よろしくお願い致します。」
ダグラスは2人を見て頷き質問した。
「うむ。そう気負わずともよい、2人に聞きたいのだが其方らは魔法を使えるな?どの属性を使える?どの位階まで使えるのだ?魔力量はどの位だ?」
すると長男のロイドが
「ハ、ハイ、2人とも6位階の上級まで使えます!私は火と風と光の3属性使えます!魔力量は55万ほどです!」
そしてエルが
「私は火と土と風の3属性を使えます。魔力量は51万です。」
と言うのだった。
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