旗 家の上

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 とても大きな旗がある。


 なぜか我が家の屋根に立っている。


 ある日突然、旗が立って。


 そのままそこに立ち続けている。


 ぴかぴか光って目立ち続けている。


 それだけでなく、夜の空にまっすぐな光なんて放っている。


 旗の先端から、どこまでも放たれている。


 いったい何の目的と意味で、あの旗は立っているんだろう。


 どうしてほかの場所じゃなくて、我が家の屋根に立っているのだろう。


 旗は消えることなく、ずっとその場所に立ったまま。


 不思議だなぁ。


 真っ白な旗で何も書かれていないから、さっぱりわからないよ。


 不気味だし怖いからできるだけ触りたくないなぁ。







 とある遭難した宇宙船は、知らない星にたどり着いた。


 ステルス機能で船体を透明にしたが、船のてっぺんの旗のところだけステルスし忘れしていた。


 その旗は、宇宙戦争をしている相手に、敵意なし、降伏します、と伝えるための旗だった。


 しかし大事なその旗は、戦いのダメージが原因でぽっきり折れてしまった。


 知らない星に着陸したダメージが、とどめになってしまったのだろう。


「旗がみつからないぞ。誰かが拾ってなければいいんだが」


「この星の者たちにはまだ早すぎる技術が詰まってますからね」


「遭難信号付きだったのが幸いか。信号を探せば必ず見つかるはず」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

旗 家の上 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ