仲が良い友達なのに私を求めて争い始めた

第7話 夏休みが始まる

「はい、みなさん今学期もお疲れ様でした。明日からは夏休みです。課題も忘れず、高校最後の夏休みを存分に楽しんでくださいね～」

うわぁ～！！！とうとう夏休みが来てしまう！

本当なら嬉しいことのはずなのに、今回は違う。

だって、3人からのアプローチ大会になってしまうから！もうどうしたらいいのか分からないよ～！

夏休みは4人でたくさん出かけようって話になってるし、みんな帰宅部だから出かけ放題じゃん！

それに私、またデートのあとみたいにみんなにポイントつけなきゃいけないんでしょ？おこがましいよ～！

最終的には誰と付き合うかを決めなきゃいけないなんて、そんなの大変すぎる！私にとってはみんな大事で、友達なんだから！

「愛ちゃ～ん！」

きゃっ！来た！優ちゃん、硬ちゃん、花ちゃんだ。

「明日からしばらく勉強会しないかって話になってさー。で、課題が一段落ついたらみんなで遊びに行かない？？」

確かに、優ちゃんと花ちゃんは受験生だし、勉強も必要だよね。

「そうだね。誰の家でやるか。」

するとみんな顔を見合わせて、こう言った。

「愛ちゃんの家はだめ？」

「私の家？別にいいけど...」

なんで私の家一択なんだ？

「だってさ、だってさ、おうちデートみたいで楽しそうじゃん！」

なるほどそういうことか！

「じゃあとりあえず、明日から2週間、週に3日、愛ちゃん家で勉強会ってことでいい？」

硬ちゃんに提案された。

「うん、いいよ。両親も仕事で昼間はほとんどいないし、全然OKだよ。」

「ありがとう！」

こうして、明日から勉強会が始まるのだった。